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株式会社 日立システムズ

第64回 チャットボットで働き方改革を(2)~チャットボットの導入

2020年6月29日掲載

スマートフォンの対話的インターフェース(SiriやGoogleアシスタントなど)やスマートスピーカーの普及で、すっかりおなじみとなったチャットボット。RPA(Robotic Process Automation)と並んで、働き方改革の代表的ソリューションと言う人も多いようです。
チャットボットとはそもそも何なのか、どうやって導入したらいいのか、現場でどのように使われているのかを3回にわたって解説しています。今回は、チャットボットの導入の仕方について解説します。

第64回 チャットボットで働き方改革を(2)~チャットボットの導入

前回のおさらい

YMC電子工業(以下YMC)は、埼玉県にある従業員約280人のEMS(Electronics Manufacturing Service)企業だ。同社の顧問ITコンサルタントである美咲いずみは、毎週月曜日のシステム部の部内会議に同席し、そのあと山田昭CIOとのコンサルティング・セッションの時間を持っている。

今回の山田からの依頼は、働き方改革を推進するに当たって、比較的簡単に導入できて、しかも効果的なソリューションを教えてほしいということだった。

それに対していずみはチャットボットを推奨。チャットボットとは何か、その歴史も踏まえて山田に説明したのだった。

導入を成功させるための基本は変わらない

「チャットボットについては分かったけれど、どうやって導入したらいいのかイメージが湧かないんだよ。僕らはあらかじめ項目が決まった画面を設計するという手法に慣れきっているんでね」と山田CIO。

「RPAもそうですが、新しいツールを導入するときには基本を忘れがちなんですね。それは、山田CIOのような方々がよく知っている基本のはずなのですが、AIだとかチャットボットだとか言うと、そういうのと関係ないと思ってしまうようで…」

いずみは、チャットボットを導入するときには、以下の順番できちっとルールを定めていく必要があると言う。

  • (1) 導入目的を明確にする
    「会議時間を40%削減」など数値目標にすることが望ましい
  • (2) 推進方法を決める
    推進体制や進め方(例:スモールスタートで徐々に拡大)、従業員への周知の仕方など
  • (3) 業務ルールを決める
    従来のシステムや電話・メールといった既存ツールとの使い分け、コミュニケーションルールなど
  • (4) チャットボットの運用ルールを決める
    権限、チャットルームの作成ルール、共有コンテンツの管理ルールなど

「なるほど。確かに、なぜか最新ツールを導入するときは、こういうことがおざなりになりやすいね。ツールを導入すれば勝手にルールも定まると思ってしまうのだろうか。基本は従来のシステム導入と同じということだね」

プログラミング無しでも導入できる

「とはいえ、具体的な導入方法はもちろん違うよね? そこが知りたいんだ」

「これも実はウェブアプリケーションの開発と大きくは違いません。最近ではプログラミング無しでも導入できるようになりました」

いずみによれば、以下の方法があるという。

  • Facebook、LINE、Slackなどが用意しているAPIを利用してプログラムを作成する
  • Microsoft Bot Framework、Amazon Lexなどのチャットボット開発に特化したフレームワークを利用する
  • hachidori、Wit.ai、Jobocoなどプログラムレスで開発できるツールを利用する
  • パッケージソフトなどのシステム製品を購入する
  • 業務フローを元にシステムインテグレーターに開発・導入を委託する

ルールベースか機械学習ベースか

「もう1つ注意事項があります。それはチャットボットには大きくルールベースと機械学習ベースのものがあるということです」

「ルールベースとは、FAQとシナリオを用意する方式だ。比較的簡単にチャットボットを構築できるが、シナリオに沿った回答しかできない。いわゆる「人工無脳」である。

機械学習ベースとは、機械学習によってより自然な会話が可能になっているチャットボットだ。しかし、会話の精度を高めるには大量の学習データが必要となる。

「この2つは業務内容によって使い分けるといいでしょう。例えば、一般的なコールセンターのようにFAQの検索が中心となるのであればルールベースで十分です。チャットボットで切り分けだけして、その後は人間のオペレーターが対応すればいいでしょう。しかし、接客に近いようなより高度な応対をチャットボットにさせたいのであれば、機械学習が望ましいでしょう」

まとめ

  • チャットボット導入を成功させるためには以下の手順でルールを定めていく。
    (1) 導入目的の明確化
    (2) 推進方法の決定
    (3) 業務ルールの決定
    (4) チャットボット運用ルールの決定
  • チャットボットの導入方法としては以下のものがある
    ・APIを利用したプログラミング
    ・フレームワークを利用したプログラミング
    ・プログラムレス開発ツールの利用
    ・システム製品(パッケージソフト)の導入
    ・業務フローを元にシステムインテグレーターに開発・導入を委託する
  • チャットボットにはルールベースと機械学習ベースの2種類があり、それぞれメリットとデメリットがある

いずみの目

チャットボットの導入をシステムインテグレーターに委託すると、コストや時間がかかるという印象をお持ちの方に朗報です。最近は、お客さまの持つデータやシステムなどの既存資産を有効活用し、適正コストで短期間に導入できるサービスが出てきています。

  • * この物語は、筆者の見解をもとに構成されています。
    日立システムズの公式見解を示すものではありません。
  • * 文章中に記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

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