2020年8月3日掲載
スマートフォンの対話的インターフェース(SiriやGoogleアシスタントなど)やスマートスピーカーの普及ですっかりおなじみとなったチャットボット。RPA(Robotic Process Automation)と並んで、働き方改革の代表的ソリューションと言う人も多いようです。
チャットボットとはそもそも何なのか、どうやって導入したらいいのか、現場でどのように使われているのかを3回にわたって解説しています。今回は、チャットボットが現場で実際に使われている事例を紹介します。
YMC電子工業(以下YMC)は、埼玉県にある従業員約280人のEMS(Electronics Manufacturing Service)企業だ。同社の顧問ITコンサルタントである美咲いずみは、毎週月曜日のシステム部の部内会議に同席し、そのあと山田昭CIOとのコンサルティング・セッションの時間を持っている。
今回の山田CIOからの依頼は、働き方改革を推進するに当たって、比較的簡単に導入できて、しかも効果的なソリューションを教えてほしいということだった。
いずみが推奨したのは、チャットボットだった。いずみはここまで、チャットボットとは何か、チャットボットを導入するにはどうしたらいいかを説明した。
「改めて聞くが、チャットボットを導入するねらいとは何だろうか」
「まずは山田CIOからセッションの冒頭にあったように、対話によるナビゲーションでマニュアルなどを参照しなくても自然と業務が完結でき、ミスも減る――すなわち業務効率化です。しかし、もっと積極的なねらいもあります」
チャットボットを導入する積極的なねらいとして、いずみは以下を挙げた。
「なるほど。マーケティングや顧客満足度向上にもチャットボットは役に立つということだね」
「チャットボット導入の成功事例というのは既にたくさんあるの?」
「はい。あらゆる業界のさまざまな業務で成功事例があります。御社のいる製造業から見ていきましょう」
いずみは以下の成功事例を挙げた。
「ふーん。アイデア次第で思っている以上にいろんな用途があるんだね。何だか面白くなってきたよ。今日は残りの時間で、チャットボット導入企画書の骨子だけでもまとめたいんだが、手伝ってもらえるかな?」
「もちろんです!」
「元々、考えていたのは経費精算だが、他に対応できそうな課題はあるかな。まずは一般論でいいので2人でブレストしたいのだが・・・・・・」
「御社は製造業でもBtoB企業ですから、お客さまとのやり取りよりは、バックオフィス系の業務に応用するのがいいと思います。たとえば、営業がお客さまへの納期回答をするための社内問い合わせとか、営業日報を対話的に記入してもらうですとか・・・・・・」
「それは面白いな。システム部としては、社内からのシステムトラブルの問い合わせだな。最初の切り分けができるだけでもかなり助かるよ」
「そういう意味では、FAQがあるのに参照してもらえない問い合わせ業務を洗い出すのは、いかがでしょう?」
「なるほど」
その後、山田といずみの議論は大いに盛り上がったのだった。
まとめ
いずみの目
もっと詳しいチャットボットの導入事例を知りたい方には、沢井製薬が医療関係者向けに構築した医薬品検索サービスは、いかがでしょうか。
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