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株式会社 日立システムズ

第47回 IT導入に補助金を活用しよう(3)~高確率で交付してもらうには?

2018年10月29日掲載

中小企業がIT導入をする際に、少しでも費用を抑えたいと考えるのは当然のことだと思います。導入費用を抑える方法としては、IT導入補助金を交付してもらうのが有力な方法です。しかし補助金についてよく分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで3回にわたって、IT導入補助金を交付してもらうための基礎的な知識について解説します。

今回はIT導入補助金を高確率で交付してもらう方法についてです。

第47回 IT導入に補助金を活用しよう(3)~高確率で交付してもらうには?

前回の振り返り

ITコンサルタントの美咲いずみは、東京都港区にあるスマイルソフトの顧問コンサルタントとして同社を定期的に訪問している。

スマイルソフトの社長・神谷隆介からの、「値引きをしないで、実質的に顧客の導入費用を下げる方法はないか」との質問に対して、いずみは「顧客にIT導入補助金の申請をしてもらってはどうか」という案を出し、IT導入補助金について説明したのだった。

交付までの手続き

「値引きを求めるお客さまに、IT導入補助金の申請をご提案する意味は分かりました。ですが、必ずしも交付されるわけではありませんよね?」と神谷が尋ねる。

「おっしゃるとおりです。まず交付されるまでの流れをご説明しましょう」といずみ。

IT導入補助金の手続きの流れは、「IT導入補助金」のサイト内の「申請・手続きの概要」(https://www.it-hojo.jp/procedure/)に詳しく説明されている(図)。


図.IT導入補助金の申請・手続きの流れ(出典:https://www.it-hojo.jp/procedure/

いずみが説明する。

「IT導入補助金の場合は、『交付申請』、『事業実績報告』、『事業実施効果報告』を、事業者が入力した内容に基づいて、『ITベンダー・サービス事業者が代理申請する』のが特徴的です。
また、交付決定前に発注・契約・支払いなどを行った場合は、補助金の交付が受けられません」

「ということは、弊社のサポート次第で、交付される可能性が高くも低くもなるということですね?」と神谷。

「ご明察です」

採択されるポイント

「どうすれば、交付される可能性が高まるのでしょうか?」と神谷が質問する。

「申請事業者側、つまり御社のお客さまの立場で説明しましょう。
交付申請までに、『経営診断ツール』による経営診断、『IT導入支援事業者検索』、『ITツール選定ナビ』によるツールの選定、『SECURITY ACTION』の4つの準備作業が必要とされています。
しかし実際には、IT導入支援事業者であるベンダーからの提案があって選定したITツールの導入に補助金を利用する、という流れになるでしょう。ですので、申請事業者はこれらの準備作業に詳しく、しっかりサポートしてくれるベンダーを採用することが肝心です」

「なるほど。ですが、弊社には経験がありません」

「経験を積むまで、経験豊富なコンサルタントにサポートしてもらうことをお勧めします。
IT導入補助金に限らず、補助金申請においては経験豊富なエキスパートのサポートが必須です。特に申請書を書く場合に、そのような人がいるといないとでは、かなり採択率が違ってきます」

いずみが続ける。

「あと、別の認証を先に受けておくと、採択に有利に働くと言われています。 50万円ぐらいまでの少額な補助金であれば、『おもてなし規格認証』を認定してもらうのがいいでしょう。 もっと高額な補助金であれば、『経営力向上計画』の認定を先に受けておくのが必須と言われています(詳細は、http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/を参照)。これらも経験豊富なエキスパートのサポートがあると認証されやすくなります」

交付決定後も油断は禁物

「もう1つ重要なことがあります。それは、交付が決定しても補助金額は確定しないということです。場合によっては支払われないこともあります。
補助金がきちっと申請した事業に使われているかのエビデンスが必要であり、エビデンスが揃わないと給付額が減らされたり、最悪支払われないこともあったりするのです。ですので、そのあたりもきちっとサポートしてくれるベンダーに依頼することが重要なのです」といずみ。

「なるほど。交付決定後も油断はできないということですね。ここにもノウハウがあるというわけか…」

神谷はまた腕組みをして考えこんでいる。頭の中を整理しているのだろう。
しばらくして、パッと明るい顔になった神谷は、こう言った。

「美咲さん、ありがとう!弊社としては、まず事業者登録とITツール登録を急いで済ませて、お客さまにはIT導入補助金の交付を前提としたご提案をする。さらに、採択率を高めるために補助金申請の経験が豊富なコンサルタントと契約し、お客さま・弊社・コンサルタントの三位一体で商談を進めていく――ということでよろしいですね」

「さすがです。今すぐにでも取りかかることをお勧めします」

と言って、いずみはほほえんだ。

まとめ

  • IT導入補助金の申請・手続きの流れは大きく、申請までの準備→交付申請→交付決定→IT導入の実施・報告→補助金額の決定→補助金交付手続き→事業実施効果報告となる。
  • 申請までの準備、申請書の書き方、IT導入の実施・報告などはノウハウが必要であり、経験豊富なベンダーやコンサルタントの支援を要請することが成功のポイントである。
  • 補助金額の決定は、IT導入の実施・報告後に行われる。場合によっては支払われないこともあるので、しっかりサポートしてくれるベンダーやコンサルタントを選ぶ必要がある。

いずみの目

IT導入補助金については今回までに述べてきたことを参考にしていただければ、大きく間違えることはないと思います。全体にわたってもう少し詳しいことを知りたい方は、マニュアルが用意されていますので、目をとおしておくことをお勧めします。

  • * この物語は、筆者の見解をもとに構成されています。
    日立システムズの公式見解を示すものではありません。
  • * 文章中に記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。
  • * 記載されている情報は2018年10月現在のものです。

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