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株式会社 日立システムズ

第52回 デジタライゼーションとは?(2)~デジタルディスラプターの衝撃

2019年5月20日掲載

「デジタライゼーション」。日本語に訳せば「デジタル化」ですが、IT化とはそもそもデジタル化のことです。それが今になってなぜ強く言われるようになったのでしょうか。また実際にはどのようなもので、どう取り組んだらいいのでしょうか。前回から3回にわたって、これらを解説しています。2回目の今回は、デジタルディスラプターというデジタライゼーションで既存のビジネスを「破壊」したと称される企業を紹介し、デジタライゼーションの持つ力についてお話しします。

第52回 デジタライゼーションとは?(2)~デジタルディスラプターの衝撃

前回の振り返り

YMC電子工業(以下YMC)は、埼玉県にある従業員約280人のEMS(Electronics Manufacturing Service)企業だ。同社の顧問ITコンサルタントである美咲いずみは、毎週月曜日のシステム部の部内会議に同席し、そのあと通常は山田昭CIOとのコンサルティング・セッションの時間を持っている。
今回いずみは、そのセッションの時間に部内勉強会の講師を依頼された。テーマは「デジタライゼーション」だ。講師といっても司会役に近く、勉強会は意見を出し合う形で進められている。
「なぜいまさら『デジタル化』なのか」という問いかけから始まり、デジタルトランスフォーメーション(DX)とデジタライゼーションの関係や、モバイルの浸透とそれに伴う「デジタルディスラプター」と呼ばれる新興企業の登場で強く言われるようになったことが参加者の共通理解になった。

デジタルディスラプターとは?

「デジタルディスラプターとは、Uber、Airbnb、WeWorkなどのことですね?」と、大手システムインテグレーター伊逹システムズの社員でYMCに常駐している高橋正弘が知識を披露する。

Uberは配車サービス、Airbnbは民泊サービス、WeWorkはオフィススペース・リースサービスで有名な企業だ。アナログ色が強かったビジネスを徹底的にデジタライゼーションして成功したことで共通している。業務は基本的に自動化されており、利用者も提供者もアプリに登録するだけで参加できる。不要な仲介業者がいないため、既存の事業者よりはるかに低価格でサービスを提供できる。
つまり便利で早くて安いので、あっという間に高いシェアを獲得し、既存業者は存在を脅かされることになった。そのため、デジタルディスラプター(破壊者)と呼ばれているのだ。

Uberは何を実現したのか?

Uberの仕組みを簡単に説明しよう。
配車サービスとは、自動車を利用したい者が自分がいる場所と行きたい場所を入力すると、近くにいて、行きたい場所まで乗せていってくれる提供者(ドライバー)が表示され、その中から提供者を選択することができるサービスだ。
アメリカでは、一般の人が乗車サービスを提供できるので爆発的に普及した。日本ではこれは法律違反になるため、ハイヤーの配車サービスなど限定的なサービスに留まり、コストメリットがない。そのためあまり普及していない。

利用者も提供者も、自分の情報をスマホアプリで登録するだけでUberのサービスを利用できる。内部的にUberがやっていることは、自動マッチングと決済サービスだが、これによってさまざまな課題が解決され、利用者も提供者も多くの便益を享受することができるのである。

いずみは、どんな便益があるのか箇条書きにした。

  • すべてのサービスがスマホから利用できるので、とても便利
  • 提供者の情報、車種、到着時刻、費用などが事前に知らされるので安心して利用できる
  • 現場でお金の支払いをしないので、金銭に絡むトラブルや犯罪の防止になる
  • 利用者は、Uberの進出国であれば(日本での事例のようにサービスレベルの差はあるが)世界中で同様のサービスを受けられる
  • 評価システムがあり、提供者も利用者も評価される。評価が低いとサービスを利用しにくくなるようになっており、真面目な提供者と利用者が増えていき、提供者も利用者も安心できる
  • 長い目で見ると、自動車の減少による混雑緩和や環境改善など社会問題の解決に寄与できる

「このようにたくさんの便益があるので、Uberは一気に普及し、シェアを獲得しました。日本では法律で守られていますが、多くの国のタクシー会社は壊滅的な打撃を受けたのです」

「しかしUberやAirbnbなどを見ていると、かなり高度なITが使われているように思います。私たちのようなCIOと他社の常駐の方を含めて7名しかいないシステム部でも、デジタライゼーションに取り組めるのでしょうか?」と真鍋課長が不安そうに尋ねる。

「いい質問ですね。それは十分可能です。引き続き、そのことを議論していきましょう」といずみは答えた。

まとめ

  • アナログ色が強かったビジネスを徹底的にデジタライゼーションして新しいビジネスモデルを作り、既存事業者からは「破壊者」と恐れられている新興企業を、デジタルディスラプターという
  • Uberはデジタライゼーションによって、サービスの利用者にも提供者にもさまざまな便益を提供し、あっという間にシェアを伸ばした

いずみの目

実際に現場で行われているデジタライゼーションの事例を見ると、デジタライゼーションへの理解が深まると思います。そこで製造業の事例を1つ紹介します。

  • * この物語は、筆者の見解をもとに構成されています。
    日立システムズの公式見解を示すものではありません。
  • * 文章中に記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

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