こんにちは!にっぽん大好きなジャックです!
「あの人は妙に口が達者だな」、皆さんの周りにもそんな人物がいることでしょう。説明は分かりやすい、おまけに話も面白いときた。落語家よろしく、相手を話に引き込み、口が回るので、お金も回る….とまぁ、そんな旨い話は疑ってかかるに越したことはないわけですが…。
雄弁さがビジネスに役立つことは言うまでもないでしょう。商談相手を説得する、取引交渉をする、商品説明をするなど、うまく伝えることを求められる局面は多々あります。
同じ話をしているはずなのに、あの人が説明すると大ウケして、自分が説明するとパッとしない。その原因の多くは、説明が「物語」として成立していないことが挙げられます。
今回は、「物語」を英語で伝えるためのテクニックをご紹介します。
時折、アメリカから来たビジネス・コンタクトや知人と会話していると、ネイティブ・スピーカーの私でも彼らの言っていることについていけないことがあります。彼らの母国語は英語なので、英語スキルの問題ではありません。彼らの話し方や「物語」の構成に原因があるのではないかと考えた私は、彼らの話し方に細心の注意を払うようになり、明確なコミュニケーションができる人と、そうではない人を分け隔てる、あることに気づいたのです。次の会話例で詳しく見ていきましょう。
Aさん :What a terrible day!
(なんてひどい日だ!)
ジャック:What happened?
(何があったの?)
Aさん :Well, I tried to pay this fine I got, and then when their app didn’t work I got charged another fee. It’s such a pain!
(えっと、罰金を払おうとしたら、アプリが使えなくて、また料金を請求されたんだ。すごく面倒なんだ!)
ジャック: I’m not sure I understand. What kind of fine, like a parking ticket? What app are you talking about? Why did you get charged again?
(よく分からないんだけど。なんの罰金?駐車違反とか?なんのアプリのこと?なんでまた課金されたんだ?)
Aさん :Oh never mind, it’s too much trouble to explain.
(ああ、気にしないで、説明するのは面倒だから)
会話文の冒頭で、A氏は感嘆文“What a terrible day!”を使うことで私の関心を引くことに成功しているものの、その後の説明で何が問題なのか。そして、その問題の背景をうまく説明することができていません。そのため、A氏の英語が完璧であったにもかかわらず、私は状況を理解することができませんでした。A氏にとっては分かりきっていることであっても、文脈を適切に組み立てなければ、聞き手には状況伝わらないのです。
多くの物語は問題提起から始まり、その問題から解放される過程を経て結末を迎えます。例えば、仕事で何か問題が発生したとしましょう。思うように売上が伸びない、システム障害が発生している、人間関係に悩んでいる。「とにかく、大変なんだ!」と懸命に訴えたところで、聞き手は「そうか、何だかよく分からんが、大変なことが起きたのだな….」と、聞き流してしまう。そう、関心が高まらないのです。
問題が起きるまでに何があったのか、そしてこれからどうなってしまうのか。そうした関心が高まるからこそ、もう少し話を聞いてみたいという気持ちになるのです。
しかしながら、どんなに面白く話したところで、中身を伴わなければ相手の心に響きませんし、記憶にも残りません。伝えたい情報の有益性や有用性を、適切に訴えることも重要なポイントです。では、具体的にどうすればいいのか?それは、次の3点を意識することです。
例1) “You'll never believe what I just heard.”
(私が聞いたことは、決して信じられないでしょう)
例2) “Guess what happened yesterday.”
(昨日は何が起こったか、当ててみてください)
例3) “Did you hear about the new project?”
(新プロジェクトのこと、聞きましたか?)
例1)“Did you know that 50% of Japanese companies are lacking XYZ?”
(日本企業の50%にXYZが欠けていることをご存知ですか?)
例2)“To give you some background on the situation, the project manager had just quit.”
(状況の背景をお伝えしますと、直近にプロジェクトマネージャーが退職しました)
例1)“What I'm trying to say is that the whole department will be in great confusion.”
(何が言いたいかというと、しばらくの間は部門全体が大きく混乱するということです)
例2)“The point of my story is that we don’t have much time left until the deadline.”
(話を要約すると、納期まであまり時間が残されていないということです)
例3)“It would probably be a good idea to mention this to your manager.
(このことを上司にお伝えすると、よいでしょう)
聞き手の印象に残る話は、長くなくても、よいのです。まずは、聞き手の関心を引くこと、つまり聞く耳を持ってもらうことが欠かせません。その次に、文脈を与えることで話題の背景や方向性を示しましょう。文脈とは、物語の結末への土台、いや、踏み台のようなものだと思ってください。物語の土台を丁寧に作り、十分に助走をつけてから結末へ飛び込むことで、同じ結末であっても印象は随分と違ってきます。逆を言えば、文脈という土台がしっかり組めていれば、結末は簡潔なものでも強い印象を植え付けられるのです。今回ご紹介した3点を意識して、聞き手を物語に誘う話し手になりましょう。
“I’ll never do that again.”
(もう二度としない)
これは、ある体験があまり良いものでなく、その失敗から学んだとき、話の結びで使えるフレーズです。見方を変えると、失敗談は助言とも言え、本文の”Key Take Away(要点)”と考えることができます。 “Hook”(掴み)と“Context”(文脈)でストーリーを構成し、最後にこの”Key Take Away”(要点)のフレーズを使ってポイントを強調すること、お忘れなく。
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