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株式会社 日立システムズ

ネイティブが使うビジネス英語

第6回 言葉の精度が失敗の原因

精度が重要

こんにちは!にっぽん大好きなジャックです!

英会話講師をしていたときには、多種多様な分野の専門家に出会うことができました。会社経営者、外科医、政治家など、その道を極めた人たちの話は知的で、興味深いものばかりでしたが、私はあることに気が付きました。それは、彼らが高度な専門知識を有しながらも、それを英語で正確に伝えることに四苦八苦していたことです。

今回のコラムでは、正確さにまつわる英語の間違いを例に、間違いを避けるための簡単な方法をご紹介します。

伝えたつもり

次のような状況をイメージしてみましょう。

あなたは、余っている有給休暇を年末までに消化する必要があります。そのため、今月は毎週月曜日に休みを取ることにしました。すると、一緒にプロジェクトを進めている外国人の同僚から不在時の対応について、質問を受けました。

同僚: I heard you need to use up your holiday days.
(有給休暇を使い切らないといけないそうですね)

あなた: Yes, so I will use them on Monday.
(はい、なので月曜日に休みます)

同僚: Oh, I thought you would take more than one day off...Anyway, please tell me where you will put that file so I can find them next week.
(ああ、もっと休むと思っていました…。とりあえず、来週見つけられるように、例の書類の置き場所を教えてください)

あなた: I’ll leave the file on my desk on Friday night.
(金曜日の夜、私のデスクにファイルを置いておきます)

同僚: Ok, enjoy your long weekend!
(わかりました、長い週末を楽しんでくださいね)

そして金曜日の夜、ちゃんと「伝えたつもり」のあなたは、なんと同僚に渡すファイルを机の中に入れて週末を迎えてしまいました。

この会話のどこに問題があったのでしょうか?実は、ここには「時間」と「空間」に関する大きな問題があります。

会話のなかで、「月曜日」を複数形の「Mondays」にしていないため、来週の月曜日だけ休むという内容が伝わってしまっています。

もうひとつは、"in "と "on "を混同したよくある間違いです。机の中にファイルを置いておくと伝えたつもりでしたが、週明けに机の上にファイルがないことに同僚は困惑することでしょう。

少しの違いが大きな違いに

母語ではない言語で伝えたい意図を言語化することは、なかなか難しいものです。ネイティブスピーカーではない日本人にとって、ニュアンスの違いが区別しにくいフレーズをいくつか紹介しましょう。

「By(〜までに)」 と「Until(〜まで)」

「By(〜までに)」は、期限のある行動を表すのに使われますが、その行動は期限よりも前に行われることもあります。「I will be here by 5pm」 は、もっと早く到着してもよいが、遅くとも午後5時には到着することを意味します。

例)Please let me know the situation by 6pm [but if you can tell me earlier that’s better].
(午後6時までに状況を教えてください[でも、もっと早く教えてもらえればそれに越したことはありません])

「Until(〜まで)」 は、期限が設定されている場合もされていない場合もあり、継続的な状態や行動を表します。

例1)I will work until the cafe closes at 8pm.
(カフェが午後8時に閉まるまで仕事をします。)
→期限が明確

例2)I will wait until the client replies.
(クライアントから返事が来るまで待ちます)
→期限が不明確で、クライアントからの返事が来ない可能性も想定されている。

「Over(〜にかけて)」 と 「Within(〜以内に)」

「Over(〜にかけて、〜の間)」は、指定された期間の間に行われる継続的な行動を表現するときに使われます。「Over the next week」の場合は、次の7日間の間、継続して何かをすることを意味します。

例)I’m going to Nagano over the weekend.
(週末の間は長野に行きます)

「Within(〜以内に)」は 「By (〜までに)」と同様に、指定した期間内でいつか行動を行うことを表します。連続した行動ではないので、実際にいつ行うかは自由です。

例)I’m a bit busy right now, but I will start checking the report within the next two hours.
(今はちょっと忙しいのですが、2時間以内に報告書のチェックを始めます。)

分かったつもり

ネイティブスピーカーであっても、自分の考えを言葉で正確に伝えられないことはよくあります。その一方で、ネイティブの言葉を早合点して「分かったつもり」になることもよくあることで、後々に大きなトラブルになるリスクがあります。ネイティブから聞いたことをその場で正しく理解することは、ビジネス上は非常に重要なことです。

簡単で有効な確認方法としては、受け取った情報を復唱することです。そんな時は、「Please let me confirm(確認させてください)」というフレーズから始めて、「is that correct?(〜合っていますでしょうか?)」で終わりましょう。

例)Please let me confirm, system maintenance will take place next Friday, is that correct?
(確認させてください、システムメンテナンスは来週の金曜日に実施されるということで合っていますでしょうか?)

「つもり」をなくす

伝えたつもりや、分かったつもりをなくすには正確な情報や意図が共有できるまで細かく確認を取り合うことが重要です。本稿で紹介したフレーズを覚えておけば、少しでも日々のミスコミュニケーションを防ぐことができるでしょう。
時間や空間などを表現する時は、範囲や位置関係の微妙な違いに注意し、受け取った情報の理解が合っているかどうかを確認するフレーズを使いましょう。

今月の決め台詞はこれだ!

"On the same page(認識が一致している、同じ考えを持っている)"

「On the same page」は英語のミーティングでよく使われる慣用句です。直訳すると、「同じページに(いる)」、つまり複数人の認識が一致していることを本のページで例えた隠喩表現です。みんなが状況を理解しているかどうかを確認するためにも、自分の理解を示すためにも使うことができる便利なフレーズです。

例)I think we will need to set up a project flow and confirm our milestones with the client. Is everyone on the same page?
(プロジェクトの流れを決めて、お客さまとマイルストーンを確認する必要があると思います。皆さんの認識は一致していますか?)

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※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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