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株式会社 日立システムズ

ネイティブが使うビジネス英語

第10回 手早く、効果的な英文メール

英文メールは悩ましい

こんにちは!にっぽん大好きなジャックです!

読者の皆さまの多くは、業務時間の多くをメールを読んだり、書いたり、返信したりすることに費やしているのではないでしょうか。昨今はテレワークの導入も相まって、テキスト(文字)でコミュニケーションをとる機会が増える一方ですね。
そこに追い討ちをかけるように、時折、英文のメールが受信箱に姿を現し、外国人の同僚や顧客とメールでやり取りをする必要に迫られることもあるでしょう。対面では身振り手振りでなんとか意思疎通を図って、その場をしのいでいたのに、メールだとそうはいきません。せめて効率的な書き方があれば、と思うことでしょう。
そんな経験のある皆さまに、今回はメールエチケットを踏まえた英文メールの効果的な書き方をご紹介したいと思います。

英文メールのテンプレート

前回までは、実例を対話形式でご紹介してきましたが、今回はメールについて取り上げるので、標準的な英文メールのテンプレートを使用し、各パーツを分解しながらご説明します。
日本語でメールを書くとき、「お世話になっております」と書き出し、「何卒、よろしくお願いいたします」と結ぶように、英文メールにも多くの人が使用する標準的なテンプレートがあり、そのパターンやフレーズを何度でも使用することができるのです。英文でビジネスメールを書くときに、以下のようなテンプレートを準備しておくと便利です。

メールテンプレートの例

宛名
Hello、Dear、 Mr/Ms.(First Name/Last Name)
(ファーストネームでも構いませんが、Mr/Ms.ラストネームの方がより敬語に聞こえます。HelloでもOKですが、Dearの方がよりフォーマルです)
書き出し
I am contacting you today about [見出し]
(本日は〜についてご連絡しております)
本文
  • 要求/希望
    I would like to ask if ~ (you are available from 1pm tomorrow.)
    ([明日の午後1時からのご都合]を、〜お聞きしたいのですが...)
  • 確認事項
    The information you sent me looks good.
    (お送りいただいた内容で問題ありません)
    The time you suggested works for me.
    (ご提案いただいた日時は、都合がつきます)
  • 交渉
    Would it be possible to ~ [change、meet、adjust、etc.]
    ([変更する、会う、調整する]〜ことは可能でしょうか?)
各種サインオフ(結び)
Looking forward to hearing from you、Best regards、Sincerely,
(ご連絡をお待ちしております、よろしくお願いいたします、敬具)
送信者の氏名

では、テンプレートの準備が終わったところで、完成した例を見てみましょう。

Dear Mr. Smith,
(スミス様)
I am contacting you today about the ABC project.
(本日は、ABCプロジェクトの件について、ご連絡いたしました)
I would like to ask if you are available to have a call next Tuesday so we can talk about the project schedule.
(来週の火曜日、プロジェクトについて、お電話で会話させていただきたいのですが、ご都合いかがでしょうか?)
The basic plan you sent me looks good, but would it be possible to push back the final deadline?
(お送りいただいた、基本的な計画については問題いのですが、最終納期について後ろ倒しにすることは可能でしょうか?)

Best regards,
(何卒、よろしくお願いいたします)
Jack

旧来は、”Dear”から書き出すべきとされていましたが、時代の流れで、最近では”Hi”や”Hello”から書き出すことも主流になってきています。メールのやり取りを数回繰り返したあとでは、”Hi”や”Hello”に切り替えても差し支えないですが、プロフェッショナルな印象を残したい場合は”Dear”から書き出すことを推奨します。
サインオフ(結び)についても、旧来は”sincerely”で結ぶことが主流でしたが、”best regards”も使われることが最近では多くなってきているようです。ただ、やはりプロフェッショナルな印象を残す場合は、”sincerely”を推奨します。

温度感を伝える文章技術

メールでのコミュニケーションは、情報がテキスト(文字)に変換されるため、表現方法が制約されます。その結果、私たちが普段の会話で無意識に感じ取っている「温度感」が希薄になってしまいます。もちろん、言葉のチョイスによって語気の強弱を操り、絶妙なさじ加減で感情を描写することは可能ですが、詩人の心得がなければ難易度が高いですね。
でも、ご心配なく。幸いなことに、どのようなトーンで文章を表現したいかに応じて、使い分けることができるフレーズがいくつかあります。
ビジネスメールでは、会議の日程調整やプロジェクトの詳細を詰める内容がそのほとんどを占めるでしょう。そのため、時間や場所の提案、提案の承認や交渉が中心となります。では、下記2パターンのフレーズがどのように聞こえるか、見てみましょう。

交渉/提案 Would it be possible to~(丁寧な表現 ~は可能でしょうか?)

例) Would it be possible to change the meeting to 16:00?
(待ち合わせを16:00に変更することは可能でしょうか?)

少しカジュアルにしたいときには、以下のような書き方もあります。

例) What if we change the meeting to 16:00?
(待ち合わせを16:00に変更するのはどうでしょうか?)

承認  Sounds、Looks good to me

例) Regarding your proposal, sounds good to me.
(ご提案についてですが、問題なさそうです)

の表現も、~works for meを使えば、カジュアルな表現にできます。

例) 15:00 works for me.
(15:00であれば都合がつきます)

フォーマルでいくか、カジュアルでいくか?

フォーマルか、カジュアルか、どちらの書き方を選ぶべきか迷ったときは、フォーマルが無難なように思えますが、少し冷たい、よそよそしいと思われることもあります。欧米では、チャットツールの台頭もあり、メールより短く、カジュアルな方向へと変化しています。とはいえ、メールでフォーマルな文章を書く文化がなくなったわけではないので、送信する相手との距離感など、「時と場合に応じて」使い分けることが重要です。
今回ご紹介したテンプレートをご自身のフォーマットに控えておけば、突然届いた英文メールにも素早く対応できることでしょう。また、使い慣れたら、表現パターンを組み替えて試し書きされることをお勧めします。

今月の決め台詞はこれだ!

“Your time and consideration are greatly appreciated”
(お忙しいなか恐縮ですが、ご検討いただけますと有り難く存じます)

メールの結び方は、いろいろあります。英語ではメッセージを短くまとめるのが一般的ですが、ときにはもう少し感謝の気持ちを込めて、一歩踏み込んだ表現をしてみたいものです。
フォーマルな文章の結び方にはさまざまな書き方がありますが、誰もが使っているため、つい読み飛ばして無視しがちです。良い印象を残しながら目立ちたいのであれば、メールを送る際、この決め台詞を使うことを検討してみてはいかがでしょうか。
この結びは、私が個人的に気に入っているもので、特に何かを依頼をするときや、詳しい情報を求めるときに使っています。

例)

…(依頼内容の詳細)...
Please let me know as soon as possible.
Your time and consideration are greatly appreciated.
Best regards,
Jack

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※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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