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株式会社 日立システムズ

専門家コラム:ネイティブが使うビジネス英語

クイズ

第20回

会社で新人研修を担当するあなたは、まだビジネスや業務に精通していない新人たちの教育に四苦八苦する毎日を送っています。そんなある日、アメリカ人の同僚と次のような会話を交わしました。

同僚 : So, how’s business?
(それで、仕事の調子はどうだい?)

あなた : Not bad, but some of my younger team members lack common sense.
(悪くはないのだけど、若いメンバーの何人かは「コモン・センス」が足りないの)

同僚 : hmm…I think you may be confusing that phrase with another one…
(うーむ...コモン・センスを別の言葉と混同しているんじゃない?)

あなたは、ビジネス・業務に不慣れな新人たちが、基本的なことを知らなくて困っていることを伝えるために、「コモン・センス」という言葉を使いましたが、どうやらネイティブ・スピーカーの同僚には別の意味合いで伝わっているようです。この場合、「コモン・センス」ではなく、次のどの選択肢の言葉を使うべきだったのでしょうか?

1) common knowledge

2) sympathy

3) expertise

  • 【答え】
    1) common knowledge

    【解説】

    選択肢2)の “sympathy”は「思いやり」や「共感」という意味で、選択肢3)の“expertise”は「専門知識」という意味なので、どちらも当てはまりません。 英語の「common sense」は「常識」と翻訳されますが、特定の分野の「知識が無い」という意味合いとは、微妙にニュアンスが異なります。
    英語圏で「common sense」と言うとき、「知識」という意味ではなく、もっと社会全般に広く浸透している「社会通念」という意味で伝わります。「common sense」を、ビジネス上の知識が乏しいという会話の流れで使うと、英語圏のネイティブ・スピーカーには正しく伝わらない可能性がありますので、注意が必要です。
    選択肢1)の“common knowledge”は「一般知識」を意味し、「ビジネスの一般知識」という場合は“common knowledge of business”として使うことができますし、ネイティブ・スピーカーにも違和感なく伝わるでしょう。

第19回

あなたは、あるプロジェクトの会議を主導するように、上司から依頼されました。困ったことに、このプロジェクト・メンバーは英語しか話すことができず、日本語で会議を進めることはできません。あなたは、英語しか使えない状況で苦労しつつも、なんとか会議を進めていましたが、メンバーのAさんは活発に発言してくれますが、もう一人のBさんはなかなか発言してくれません。Bさんの発言を促すために、あなたは次のどのフレーズを使うべきでしょうか?

1)“We are out of time, so let’s stop there for today.”

2) “I don’t have anything in particular to share today”

3) “Mr. B, do you have anything to add to that?”

  • 【答え】
    3) “Mr. B, do you have anything to add to that?”

    【解説】

    慣れない英語で会議の進行に圧倒されて、参加者全員に発言する機会を与えることに気が回らないことは、よくあることです。各参加者に発言する機会を与えるために、選択肢3)のフレーズを使って、“Mr. B, do you have anything to add to that?” (Bさん、何か付け加えることはありますか?)と、発言を促すと良いでしょう。このフレーズは、進行役が、あまり発言していない人に押し付けがましくなく、やんわりと発言を促す配慮の効いた言い方です。また、参加者にとっては、進行役が民主的な(全員参加型)会議になるように努力しているというメッセージにもなるでしょう。
    選択肢1)の“We are out of time”は「そろそろ時間になりました」と会議を終えるときに使うフレーズです。また、選択肢2)の“I don’t have anything in particular to share today”は、「今日、特にシェアすべきことはありません」と、コメントすべきことが無いときに使う決まり文句です。これらのフレーズは、実際の会議でよく使われるフレーズですので、覚えておくと便利です。

第18回

あなたは、自分が取り組んでいるプロジェクトで、想定していなかった問題を抱えています。そのことを早めにアメリカ人の同僚に説明する必要があります。

あなた: We have a problem. Some team members are leaving the company.
(問題が起きました。チームメンバー数名が退職するそうです)

同僚 : …hmm…that seems like a problem…
(...それは問題ですね...?)

あなた: so…ummm…
(つまり...えーっと..)

退職者が出ることは問題ですが、あなたは状況が深刻すぎて、核心部分を伝えられずにいます。以下の選択肢のうち、どのフレーズを言えば同僚に問題の核心をうまく伝えることができるでしょうか?

1)“Yes, it's a big problem!”

2) “What I'm trying to say is that we won’t be able to pass the project to your team on time.”

3) “Never mind, it’s too much trouble to explain. ”

  • 【答え】
    2) “What I'm trying to say is that we won’t be able to pass the project to your team on time.”

    【解説】

    選択肢1)は、「そう、大問題なんだ!」と強調するだけで、その核心は同僚に伝わらないでしょう。また、選択肢3)は、「ああ、気にしないで、説明するのは面倒だから」と言い、説明することを遮ってしまっていますから、解決にはつながりません。
    こういったシチュエーションでは、「何が言いたいのか?」の部分を際立たせる話し方をすると、より鮮明に相手に意図が伝わります。また、「悪い知らせ」は相手に言いにくいものですが、仕事を進めるうえで、早い段階で正確に伝える必要があります。問題を先延ばしにすればするほど状況は悪化します。
    そんなときは、”What I'm trying to say is~”(何が言いたいかというと)という、非常に便利なフレーズがあります。このフレーズを用いることでチームメンバーの退職が原因で、同僚へのプロジェクトの引き渡しが遅れるという問題の核心を伝えることができます。
    もし職場で上司や同僚に「伝えにくいこと」があるときは、ぜひ試してみてくださいね。

第17回

あなたは、社内の外国人社員に対する研修を担当することとなりました。そこで、ある新入の外国人社員が職場に適応するのに苦労していることに気が付きました。彼はしばしばミスをし、仕事に対するモチベーションが下がっています。あなたは、研修最終日に参加者が提出したレポートに対して、フィードバックしなければなりませんが、彼のレポートには、指摘すべき点がたくさんあります。あなたは、どのようなフィードバックをするのが、適切でしょうか?

1) “You should learn from your mistakes.”とアドバイスする

2) “This is all wrong.”と 厳しく指摘する

3) “You did a great job with~.”と褒めてから、改善点を指摘する

  • 【答え】
    3)“You did a great job with~.”と褒めてから、改善点を指摘する

    【解説】

    間違った考え方やミスを厳しく指摘するだけでは、ストレスを引き起こし、成長を妨げる可能性があります。同時に、新入社員に否定的な影響を与えるかもしれません。取るべきアプローチとしては「まず、褒める」を加えることです。しかしながら、ただ褒めるのではなく、適切な指摘とバランスの取れた褒め言葉が必要です。
    まず、良い点を最初に褒めることで、新入社員の自信を回復させることに努めましょう。その後、改善すべき点について的確に指摘しますが、否定的な印象を与えるような批判は避けるべきです。そして、最後に再び良いところを褒めることで、新入社員に対するポジティブなフィードバックを提供することで、不慣れな新入社員のモチベーションを高く保つことができると思います。
    ネイティブがよく使う褒め言葉の決まり文句や建設的なアドバイスの言い方には、以下のようなものがあります。

    1. 相手がうまくできた点を挙げて褒める
     “You did a great job with~.”
     (~については、うまくできていますね)
    2. 改善・修正が必要な点を分かりやすく指摘する
     “I think we can work a little more on~.”
     (~については改善の余地がありそうです)
    3. ポジティブな点を再度強調し、フィードバックを締める
     “But, you did well with~.”
     (とはいえ、~については良くできています)

    このように「褒め言葉のサンドイッチ」を実践することで、新入社員が自信を持って職場に適応し、より生産的に仕事に取り組めるきっかけになることが期待できます。このようなアプローチで外国人社員を育成することで、長期的には、会社に貢献する優秀な人財を育てる一助になるでしょう。

第16回

あなたは、ビジネスパートナーを探すために海外のビジネスイベントに参加しています。まずは情報収集と人脈作りに取り組もうと、イベント参加者に話しかけたところ、あるビジネスパーソンと会話が弾み、幸先のいいスタートを切ることができたと思いました。しかし、このビジネスパーソンの話は興味深いものの、幸か不幸かなかなか解放してくれません。ほかの参加者とも会話したいあなたは、どのように切り出すべきでしょうか?

1) 無言で立ち去る

2) “I would like to hear more from you, but ~”と切り出す

3) “I’m running out of time, so I will get going now.”と率直に告げる

  • 【答え】
    2)“I would like to hear more from you, but ~”と切り出す

    【解説】

    相手の話しが長いとはいえ、興味深い内容であるならば、無言で立ち去るのは失礼ですし、せっかくのチャンスを逃してしまうことになるでしょう。また、時間がないのはビジネスマンであればお互いさまですし、ほかの参加者と会話したいという思いをストレートに伝えては印象を悪くしてしまうことでしょう。初対面の人との会話が弾んでいる最中に、気を遣っている雰囲気を醸し出しながら、ほかの人とも話したいことを「それとなく」伝えるのは、難しいものです。

    相手の気分を害さないように会話に区切りをつけるための、えん曲な切り出し方はいくつかあります。例えば、以下のように言ってみては、いかがでしょうか?

    “This was an interesting conversation, and I would like to hear more from you, but I will have to let you go. Is it possible to arrange a meeting some other day?”
    (興味深い会話で、もっとお聞きしたいところですが、これ以上あなたを引き止めるわけにもいきません。また別の日にお会いすることは可能でしょうか?)

    このように丁寧に告げることで、相手にも嫌な思いをさせず、今後のビジネスチャンスを損なうことなく、ほかの参加者ともコミュニケーションを取ることができるでしょう。

第15回

あなたは国際的なビジネスイベントに参加しました。大勢の参加者と交流し、形式的に自己紹介をした後、その日は会場を後にしました。数日後、偶然にもビジネスイベントで出会った人のうちの一人と再会しました。しかしながら、あなたは彼の名前をどうしても思い出せず、気まずい状況に陥ります。あなたはこの状況で、彼に何と問いかけるべきでしょうか?

1) 何も言わずに立ち去る

2) 人違いだと言って面識がないふりをする

3) “I might not have caught your name last time.”
  (「前回お会いしたとき、お名前を聞いていなかったかもしれません」と聞く)

  • 【答え】
    3) “I might not have caught your name last time.”
    (「前回お会いしたとき、お名前を聞いていなかったかもしれません」と聞く)

    【解説】

    お互い、初対面の大勢の参加者と交流したのですから、すぐに名前が思い出せなくても無理はありません。イベントの場では名前を聞いていたかもしれませんが、改めて名前を聞いてみるべきでしょう。ただ、名前を忘れてしまったのでもう一度教えてくださいと、直球を投げるだけでは印象がよくないので、少しばかりお茶を濁してしまいますが、上記3)のように、名前を忘れてしまったことを婉曲的に伝えたほうが角が立たなくてことなきを得る結果になるでしょう。

    ビジネスで出会った多くの人たちと時間をかけてお互いのことを知ることは、非常に難しいことです。しかし、ちょっとした出会いから、大きなビジネスチャンスにつながる場合も、あるかもしれません。特に欧米でのビジネスシーンでは、お互いを名前で呼び合える関係を築くことは重要ですから、名前を思い出せないときには、本問いで紹介したフレーズを活用することをお勧めいたします。

第14回

あなたの海外出張は、新型コロナ禍によって長らく延期になっていましたが、ようやく許可されました。目的地に到着すると、入国審査官にパスポートの提示を求められ、コロナウイルスの予防接種について英語で質問されました。あなたは「PCR Testの提示を求められているのか?」と入国審査官に確認したところ、「はあ?PCR Test?」と混乱した様子になって、審査に長時間がかかってしまいました。

さて、何が起こったのでしょうか?

1) 「PCR Test」という単語が海外では一般的ではないから

2) 入国審査官が、あなたを怪しい奴だと誤解したから

3) 新型コロナ関連書類に不備があったから

  • 【答え】1)「PCR Test」という単語が海外では一般的ではないから

    【解説】

    私たちが日本語でよく使う新型コロナ関連の表現には、実は英語のネイティブスピーカーが一般的に使用しないものがいくつかあります。最も一般的なものは「PCR検査」です。医療関係者の中にはPCRに詳しい人もいるかもしれませんが、英語圏の人はPCR検査のことを「covid kit」「rapid antigen test」と言うことがほとんどです。このように、和製英語が必ずしも日常的な英語表現とうまく折り合わないことがあるのです。

    海外渡航では、入国審査を円滑に通過するために、新型コロナ関連の重要な英単語やフレーズについて、最新の知識を身に付けておく必要があります。正しい英語表現を知らないと、入国審査で不必要なミスコミュニケーションにつながり、せっかくの出張や旅行が台無しになってしまうかもしれません。

    新型コロナ関連の入国規制を緩和している国が増えてきました。しかしながら、入国時に各種証明書の提示を要求する国が、まだ多い模様です。必要書類のみならず、正確な英語で入国審査官の質問に答えることができるよう、万全の準備をするように心がけましょう。

第13回

あなたは英語圏の同僚とオンラインミーティングに参加しています。議題は売上減少についての原因究明というシリアスな内容だったので、会議は重い雰囲気に包まれています。そこで、司会者が笑いながら、以下のように言いました。

司会者:You all are a great crowd, but don’t speak all at once!

すると、あなた以外の参加者全員から笑いが巻き起こりました。あなたは、なぜ同僚たちが笑っているのか分からなかったので、笑いを取り繕って、その場をやり過ごしました。
なぜ、あなたには笑いどころが分からなかったのでしょうか?

1) 司会者の発言がIronic humourであったため、何が面白いのかピンと来なかったから

2) 音声が途切れてしまい、発言が聞こえなかった

3) 司会者の発言がスペイン語だったから

  • 【答え】1) 司会者の発言がIronic humourであったため、何が面白いのかピンと来なかったから

    【解説】

    司会者の発言を文字通り訳すと、以下のようになります。

    ”You all are a great crowd, but don’t speak all at once!”
     (皆さん、素晴らしい聴衆ですね。でも一斉に喋らないで!)

    実際には参加者は静まり返っているのですから、司会者は真逆のことを言ったのです。これは、意図的に事実と異なることを言って、緊張して構えている参加者たちの雰囲気を和らげると同時に、これから非常に厳しい指摘をするので、心の準備をして建設的な議論にしようという呼びかけでもあり、一般にIronic humour(皮肉なユーモア)と言います。
    Ironic humourは英会話でよく使われますが、日本語にうまく訳せず、意味が分からなくなることがよくあります。Ironic humourを理解できないことは大した問題ではないように思えますが、上記の状況からも察することができるように、会話の輪から取り残されてしまうことがあります。Ironic humourは、敢えて事実とは異なる発言をすることで本心を示唆する面白さが笑いを誘うのです。
    しかし一方で、使い方を間違えると「不謹慎な人」や「シニカルな人」と思われてしまうことがあるので、十分に注意して使ってくださいね。

第12回

あなたは、英語を話す同僚数人とオンラインミーティングに参加しています。会議の主催者から、ある議題についてコメントを求められましたが、英語があまり得意ではなく、話の内容で分かりづらい部分もあったので、とっさに有意義なコメントを返すことができません。しかし、このまま何も言わなければ、同僚たちから冷たい視線を浴びてしまいそうです。
このような状況に陥った場合、どのように対応するのが得策でしょうか?

1)「内容に詳しくないので分かりません」と回答する

2)「特にコメントはありません」と言って、何も答えない

3) 議題について、さらに掘り下げるような「質問」をする

  • 【答え】3) 議題について、さらに掘り下げるような「質問」をする。

    【解説】

    議題についてあまり詳しくないとしても、どの部分がよく分からなかったのかなど話し手との対話を通じて再確認するべきでしょう。「分からない」まま会議が終わってしまっては、有益とは言えません。また、何もコメントしないのは、議題にまったく興味がないと思われてしまうだけでなく、やる気まで疑われてしまうかもしれません。
    ある話題について十分な知識がないときや、話の内容に分かりづらい部分があるときには、5W1H(Who, What, Where, When, Why, How)を使って質問を投げることによって、話し手からより多くの情報を引き出し、さらに詳しく説明するよう促すことができます。

    例)

    話し手:Do you have any comments?
    (何かコメントはありますか?)

    あなた:You mentioned we may open a new branch.
    (新しい支店を開設するかもしれないとおっしゃっていましたね)
    What is the timeline and how many personnel will be needed to become operational?”
    (運用開始に向けては、どのようなスケジュールで、どれくらいの人員が必要になるのでしょうか?)

    このように、答えを「Yes、No」「あり、なし」などに限定しない5W1Hを使った質問方法を、「オープン・エンドな質問」と言います。5W1Hで質問することによって、有意義な議論を展開することができますので、一度試してみてはいかがでしょうか?

第11回

あなたは、自社の競合XYZ社がABC社を買収したという重大なニュースを読み、このままでは自社が圧倒的に不利な状況になるという強い危機感を覚えました。あなたは、当然のことながら海外の同僚も驚くだろうし、知っておくべきだと思い、外国人の同僚たちに急いで「ABC corp. has been acquired by XYZ corp. !(ABC社がXYZ社に買収された!)」とメールを送りました。しかし、誰からもまったく反応がありませんでした。
それは、なぜでしょうか?

1) 説明が長すぎたから

2) 事実を誤認していたから

3) 唐突に事実だけを知らせたから

  • 【答え】3) 唐突に事実だけを知らせたから

    【解説】

    あなたが同僚に伝えたのは、「ABC社がXYZ社に買収された」という事実だけで、むしろ情報が不足していたと言えるでしょう。また、クイズ本文の通り、あなたは「ABC社がXYZ社に買収された」という事実を正確に伝えており、情報の伝達ミスではないでしょう。同僚に事実だけを唐突に伝えたために、真意がまったく伝わらなかったのです。
    言葉や文化がまったく異なる外国人に重要な情報を伝えるときには、まず、何について話そうとしているのかを伝え(メインテーマ)、次に、なぜその話をするのか、なぜそれが重要なのかなどについて説明し(コンテキスト、話の背景や文脈)、最後に自分の意見を述べる(オピニオン)という順序で要領よく伝えることが重要です。例えば、以下のような順序で情報を伝えると、正確にあなたの意図が伝わるでしょう。

    (1)メインテーマ
    “I read in the news that ABC corp. has been acquired by XYZ corp. “
    (ABC社がXYZ社に買収されたというニュースを読みました)

    (2)コンテキスト
    “XYZ corp. and ABC corp. are our biggest competitors. This could put our company at a large disadvantage.”
    (XYZ社やABC社は、当社の最大のライバルです。これでは、我が社は大きな不利益を被ることになりかねない)

    (3)オピニオン
    “I think we should keep an eye on the situation and consider a new business strategy.”
    (状況を見ながら、新たなビジネス戦略を考えていくべきだと思います)

    特に国際ビジネスでは、「聞き手が自分とは異なる認識でいる」ことを前提として、丁寧に順序良く伝えることを心がけましょう。

第10回

あなたは外国企業の見込み顧客へ英語でメールを送る必要があり、良い第一印象を残してビジネスにつなげたいと考えています。欧米人はビジネスにおいては堅くなりすぎない関係を好むと知り、失礼にならない程度に親近感を持たれるような英文メールを送りたいと思っています。そのメールの書き出しとして最も適した挨拶文は、以下のうちどれでしょうか?

1) Hello Mr A.

2) Hey A.

3) Best regards A

  • 【答え】1) Hello Mr A.

    【解説】

    2)は、親しい友人にのみ使用すべき挨拶で、見込み顧客に送るメールとしてはカジュアル過ぎます。まだ会ったことも無い相手だと、きっと失礼だと感じるでしょう。3)は、挨拶ではなくメールの結び(サインオフ)ですので、ビジネスメールでこんな初歩的な間違いをする会社とは取引をしようとは思わないでしょう。
    欧米では、よりリアルタイムにメッセージを交換することができるチャットツールが普及しており、ビジネスメールについても、よりカジュアルな方向へと変化していると言えます。一昔前だと、”Dear Mr.A(親愛なるA様)”と始めるのが一般的でしたが、最近は堅苦しい表現は避けて、”Hi””Hello”で書き出すのがトレンドになってきました。
    まだ取引を始めるかどうか決めておらず、情報提供を望んでいる段階の相手に対して、堅苦しい昔ながらの挨拶でメールを送ると、相手が構えてしまって逃げて行ってしまうかもしれません。そういった段階では”Hello”で始めると、失礼にならない程度に「我々のドアは常にワイドオープンです。いつでも相談に乗りますよ」と、とっつきの良い雰囲気を醸し出す効果があるでしょう。
    だからといって、欧米のビジネス界でフォーマルな文章を書く習慣がなくなったわけでは決してありません。英文メールを書くときには、相手との距離感、相手の職位、案件の重要度、交渉の進捗具合など、「時と場合に応じて」しっかりと使い分けることが重要です。

第9回

あなたは、1年後に海外駐在員としてアメリカに派遣されることになりました。当然のことながら、出発前に英語力を向上させる必要があります。
それでは、長期的に英語力を向上させるため、最も効果的な方法はどれでしょうか?

1) 好きなアメリカ映画やテレビドラマを、英語字幕で見る

2) 英単語とその意味だけを書いた単語帳で、ひたすら暗記する

3) 寝ながら英会話を聞く

  • 【答え】1) 好きなアメリカ映画やテレビドラマを、英語字幕で見る

    【解説】

    単語帳を使った暗記に力点をおいた勉強は、語彙を増やすことはできますが、総合的な語学力の向上にはつながりません。また、漫然と単語や例文を聞いているだけでは、なかなか上達しません。言語の習得には、やはり継続的な努力が必要です。
    自然な言語習得を促す条件は、状況に応じた文脈に関連付けられた理解です。アメリカ映画やテレビドラマを英語字幕(日本語字幕はまったく意味がありません)で観ることで、文脈に沿った自然な英語を聞く機会を得ることができます。これは、新しい言語を習得するための重要なポイントです。
    もしあなたが「真面目に単語帳で勉強をしていなかった」と感じても、決して自己嫌悪に陥って落胆したり、才能がないと思い込んで諦めたりしないでください。映画やテレビドラマなど、分かりやすい文脈を伴ったインプットを忍耐強く繰り返すことは、最高の学習方法なのです!

第8回

あなたは、欧米人の同僚へ英語でのプレゼンをすることになりました。英語に自信があるあなたは、意気揚々と話し始めました。

“I’ve categorized the many complaints that we have received from our customers this quarter, then also analyzed them in relation to market studies, demographic statistics, price index, and our competitors, which lead me to conclude that…”

ところが、プレゼン参加者の殆どが興味なさそうにしていたり、退屈そうに聞いていました。何が問題だったのでしょうか?

1) あなたの英語力は高くなく、参加者に通じなかったから

2) 説明が日本的すぎて、参加者が大学の講義を受けているように感じたから

3) 欧米人はプレゼンの最中には注意を払わず、後でメモを読むことを好むから

  • 【答え】2)説明が日本的すぎて、参加者が大学の講義を受けているように感じたから

    【解説】

    欧米では、聴衆は事実や統計の羅列を聞くだけでなく、発表者と対話しているような体験を好みます。お勧めは「Rhetorical question」という手法を使用することです。Rhetorical questionとは、回答を求めない質問を文脈の中に仕込んで聴衆に問いかけることで、伝えたい内容や意図を強調したり、話題を転換したりする技法です。敢えて質問をすることで聴衆に考える時間を与え、彼らの注意を引きつけて能動的な参加を促す効果を狙ったプレゼン技術の一つです。
    例文をRhetorical questionを使用したものに変える場合は、次のようになります。

    “I’ve categorized the many complaints that we have received from our customers this quarter, then analyzed them in relation to various factors. Guess what we found out?”
    (今期、お客さまから寄せられた数々のクレームを分類し、さまざまな要因と関連させて分析してみました。すると、何がわかったと思います?)

    聴衆の注意を引くプレゼン技術は、ほかにもたくさんありますので、聴衆を退屈させることなく、印象的なプレゼンができるように心がけましょう。

第7回

あなたはオフィスパーティに招待されました。任意参加ですが、同僚たちと親睦を深めるいい機会だと思うものの、一人で参加するには心許ないので、参加をためらっています。外国人の同僚に声をかけてみようと思いましたが、オフィスパーティは乗り気でないのが相場。このとき、押し付けがましくなく声をかける言い回しは、次のうちどれでしょう?

1) It could be fun. Let’s just go with the flow.

2) We must go to the office party, as they say, When in Rome, do as the Romans do.”

3) I am going to the office party. You have to come with me.

  • 【答え】1) It could be fun. Let’s just go with the flow.

    【解説】

    まず、2)では“When in Rome…”の一節は、日本語では同調圧力を示唆するフレーズ「郷に入れば郷に従え」ですが、英語では「新しいことを試してみよう」といった含みを持ちます。この点では、ネイティブスピーカーにとっては押し付けがましく聞こえない配慮を感じるでしょう。しかしながら、「must(〜しなくてはいけない)」という強制力が働く助動詞と組み合わさっているので、配慮されているのか、強制されているのか、意図がよく伝わらない表現になってしまっています。
    また、3)は「私が参加するんだから、あなたも参加すべきだ」という、極めて自分勝手で強引な印象を与えてしまうでしょう。
    そこで、お勧めは1)の言い方です。1)の表現を用いれば「面白そうだから、流れに身を任せて一緒に参加してみない?」という、相手に選択の余地を残しつつ、一緒に参加したいという意思を軽やかに伝えることができるでしょう。

第6回

あなたは会社の新プロジェクトのリーダーに抜擢され、作業開始に向けて計画書を作成しています。プロジェクトの詳細をチェックしたところ、今後、少なくとも1カ月間は、チームメンバー全員が集中して作業する必要があると分かりました。あなたは、プロジェクト会議の場でチームメンバーに対して、正確に計画を伝える必要があります。そのためには、以下の文章に続いて、どのフレーズを使って説明を始めるべきでしょうか?

“We will set up a plan for the new project…”

1) Over the next month

2) Within the next month

3) By the next month

  • 【答え】1) Over the next month.

    【解説】

    「Over the next ~」は、一定期間継続して行う行動を表しています。1カ月間、ほぼ毎日、作業に取り組む必要があるので、これが最も適切なフレーズです。
    b) Within the next month とc) By the next monthは、文法的には正しいのですが、意味が違います。
    「Within the next ~」は、計画を完成させるために1カ月の時間があることを示唆していますが、必ずしも丸1カ月かかるとは限らないでしょう。「By ~」は期限について言及しているだけで、いつ、それを行うのかを特定しておらず、どれくらいの期間がかかるのかを示唆していません。
    このように、使用する単語が一つ違うだけで、チームが置かれている状況やリーダーの意図が正確に伝わらないことがありますので、十分な注意が必要と言えるでしょう。

第5回

あるメーカーの海外工場に勤務するあなたは、本日届くはずの日本から材料を積んだ貨物が、まだ届いていないことに気がつきました。このままでは、数日後に工場の操業が止まってしまいます。あなたは、現地の物流業者の窓口担当者に不慣れな英語で、「当社の貨物は今どこにあるか?」と問い合わせたところ、「まだ、こちらの倉庫には入荷していないので分からない」と、そっけない返事でした。こんなとき、以下のどのフレーズで切り出せば、物流業者に急いで貨物の所在を突き止めてもらうことができるでしょうか?

1)Let me know as soon as possible when the cargo has been found.

2)When would you be able to deliver our company`s cargo to us?

3)This is an urgent call. Please make it your foremost priority to locate the cargo.

  • 【答え】3)This is an urgent call. Please make it your foremost priority to locate the cargo.
    (これは緊急連絡です。最優先で対応して欲しい)

    【解説】

    業務上の緊急事態が発生している際には、相手方に対して、まずは緊急性が高い要請であることを知ってもらわなければなりません。そのためには、いつもとは違う言葉を使うことによって、相手方に業務上の優先順位を上げてもらう工夫が必要です。但し、「urgent」を電話やメールで闇雲に多用すると相手方に失礼になる場合がありますので、本当に切迫した状態の場合のみに使うよう心がけましょう。
    1)で使用されている「as soon as possible」は、文字通りに和訳すると「可能な限り早く」という緊急性の高いニュアンスに感じますが、ネイティブ・スピーカーにとっては、「できたら早めに」というぐらいのあいまいな表現に捉えられることが多く、優先順位が上がることはあまり期待できません。
    緊急性が高いトラブルが発生しているときは、「緊急事態が発生している」ことを相手方に明確に伝えた方が効果があります。海外のビジネスでは、緊急事態の初動アプローチで躊躇すると、良い結果を得ることが難しくなる可能性があります。
    発生している事態の深刻度や影響度に応じた英語表現を工夫することは、海外事業の安定性確保と損害を最小限に留めるために、極めて重要だと言えるでしょう。

第4回

英語に不慣れなあなたは、外国人の同僚数人を招集してオンライン会議を実施しています。ところが、参加者のうち二人の意見が対立して議論が白熱し、結論がなかなか出ず、会議が長引いています。残り時間はわずか10分しかなく、そのうえ、あなたには後に別の会議が控えています。あなたは、やむを得ず二人の議論を棚上げにして、別の重要な案件に関する合意をとる必要があります。
さて、この場合、議論に割り込んで議題を変えるためのフレーズとして、適切なのは次のうちどれでしょう?

1)In addition

2)Anyway~

3)Having said that~

  • 【答え】2)Anyway~

    【解説】

    不慣れな英語での会議では何かと身構えてしまいがちで、白熱する議論に口をはさむことが難しい場合がよくあります。しかし、工夫次第で違和感なく議論に割り込んだり、効果的に話題を変えることが可能です。今回のシチュエーションのように議論が膠(こう)着してしまった場合は、以下のように、「Anyway(とりあえず、それはさておき、とにかく)」という転換語(Transition Words)を活用して、話題を切り替えると良いでしょう。

    例)

    あなた:Anyway,let’s move on to the next topic. We are almost out of time.
    (とりあえず、次の議題に進みましょうか。時間も限られていることですしね)

    参加者A:Sure, Mr.B and I can continue our discussion later.
    (そうだね。Bさんと私は後で議論を続けることにします)

    もちろん、タイミングは重要ですし、会話を遮ることは避けるべきですが、「Anyway」と言う簡単なフレーズで会話に介入する意思を示すことができます。ネイティブスピーカーがこの単語を聞いた場合、彼らはあなたが伝えたいことに耳を傾けてくれるでしょう。

    【ご参考】
     ・In addition     ~に加えて(情報を追加したいとき)
     ・Having said that~ とはいえ~だ(直前の内容に関する懸念事項を示したいとき)

第3回

あなたは、外国人従業員が多く在籍する外資系企業で、重要なプロジェクトのリーダーとして働いています。ところが、あなたと仲の良い同僚の担当業務が期日に間に合わないことが多く、皆が困っています。あなたは、仕方なくリーダーとして本人に注意するため、こう言いました。

“If you can’t make the deadline, it will cause a lot of trouble for the team. Please don’t miss the next deadline.”
(期日に間に合わないと、チーム全体に迷惑がかかるだろ。次の期日には絶対遅れないようにしてよね)

あなたは「Please」と丁寧に言ったつもりですが、その同僚はあなたに怒って激しく反発しました。
さて、何がいけなかったのでしょうか?

1)その同僚は、そもそもあなたのことが嫌いだったから

2)伝え方が率直すぎて、威圧的だったから

3)期日に間に合うか不安になってしまったから

  • 【答え】2) 伝え方が率直すぎて、威圧的だったから

    【解説】

    多くの方は既に職場で経験していると思いますが、期日に遅れている人に対して闇雲に注意するだけでは、ほとんどの場合、問題は解決しません。タイミングの良いリマインダーや、相手に寄り添った問いかけが改善につながります。慣れていない人が職場で英語を使う場合、はっきり意見を伝えることだけに気を取られてしまうと、意図せず相手に配慮を欠いた言い方をしてしまうことがあります。
    部下や同僚に作業の進捗を促す場合には、「I'd really appreciate it if~(~してくれたら、助かります[感謝します])」などを使うと、えん曲的で丁寧な言い回しになります。

    例)

    I'd really appreciate it if you could do your best to make the deadline.
    (期日に間に合うように最善を尽くしてくれたら、とても助かるよ)

    It looks like you are having trouble with the deadline. Don't hesitate to ask me if you need any help.
    (期日に間に合わせようと苦労しているみたいだね。何か助けが必要なときは遠慮なく私に相談してね)

    英語には他にもさまざまな表現がありますから、相手の気持ちを配慮した表現を取り入れてみてくださいね。

第2回

あなたは幅広く海外展開している会社に就職しました。
ある日、あなたは初めて海外事業所の現地従業員とオンライン会議をすることになり、少し緊張しながら自己紹介をしました。

Hello, my name is 〇〇. It’s nice to meet you.
(こんにちは。私の名前は〇〇です。お会いできて光栄です)

ところが、折角、自己紹介したにも関わらず、新しい同僚たちはあなたのことにまったく関心の無い様子です。
さて、なぜでしょうか?

1)新しい同僚たちが、まったく友好的ではなかったから

2)自己紹介が「定型文(常套句)」で、まったく親しみを感じなかったから

3)文法的な間違いで通じなかったから

  • 【答え】2)自己紹介が「定型文(常套句)」で、まったく親しみを感じなかったから

    【解説】

    ビジネスでは、第一印象が大切なのは世界共通の常識です。また、新しい仕事仲間と親しく交流して信頼関係を築くことは、仕事を進めていくうえで極めて重要です。
    海外事業において、初対面の人に向かって教科書で学んだ文章で自己紹介するのは良いように思えるかもしれませんが、ネイティブにとって「定型文(常套句)」の挨拶では、まったく親しみを感じない可能性があります。

    英語を話す同僚に初めて会うとき、ロボットと話しているように思われないようにするためにも、「失礼にならない程度で親しみを感じられる工夫」が必要です。

    (お勧めのフレーズ)

    (1) Hi there, I’m 〇〇.
    (2) How’s it going, I’m 〇〇.
    (3) Pleasure to meet you, I’m 〇〇.

    ※音声通話など、対面ではない場合は
    「Pleasure to speak to you, I’m 〇〇. 」
    と言うと、より状況に見合った言い回しになると思います。

    ほかにも、より自然なフレーズで、親近感アップにつながるよう、「Try」してみてくださいね。

第1回

あなたは海外展開しているシステム会社のエンジニアです。
ある日、海外事業所の現地スタッフとのオンライン会議の最中に、ノートパソコンのバッテリーが切れそうになっていることに気づきました。

I need to charge my computer. I’m going to find a Consent.
(パソコンに充電しなきゃいけないから、コンセントを探すね)

あなたはそう伝えて、会議を中断しようとしたところ、現地スタッフから「What?」と怪訝そうに聞き返されました。
さて、なぜでしょうか?

1)会議中断は重大なマナー違反だから

2)文法的な間違いがあったから

3)「コンセント(Consent)」は和声英語で通じないから

  • 【答え】3)「コンセント(Consent)」は和声英語で通じないから

    【解説】

    「コンセント(Consent)」は英語で「同意」を意味します。
    では、ノートパソコンの電源は何と言うべきでしょうか?

    英語では一般的に使用される単語が2つあります。

    ・Electrical outlet
    ・Electrical plug

    「Electrical」を省略して、Outlet、または Plug だけでも通じます。

    例) I need to charge my computer. I’m going to find an outlet.
    (ノートパソコンを充電する必要があります。 コンセントを探します。)

    なお、「同意(Consent)」の正しい用例は以下の通りです。

    例)"You can not change the details of the contract without the consent of all parties"
    (すべての当事者の同意なしに契約の詳細を変更することはできません)

    日本人が「英語」だと思い込んで日常的に使っている言葉の中には、外国人には通じない多くの「和製英語」が紛れ込んでいます。和製英語は通じないことが多いので、正しい英単語を使用するよう心がけましょう。

 

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