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株式会社 日立システムズ

ネイティブが使うビジネス英語

第12回 議論を巻き起こせ、会議での質問方法

こんにちは!にっぽん大好きなジャックです!

会議中に意見を求められて、うまく答えられなかった。誰しも一度は経験したことがあると思います。では、今度は英語で答えなければならないことを想像してみてください。日本語で意見を出すのは何とかなっても、英語で回答を考えるのはちょっと大変で、ストレスがたまりますよね。
英語圏の人々にとって会議は、発表者の「独演会」ではなく議論をする場という意識が強くあります。なので、参加者による発言がなく、議論が起きない会議というのは生産性が低く、時間の無駄だと感じられてしまいます。参加者はただ聴いているだけではなく、積極的に議論に参加するために質問をすることが期待されています。
今回は英語での質問方法を説明し、積極的に会議に参加するためのテクニックをいくつかご紹介したいと思います。

出席者はいるが、参加者がいない

私も会議で発表者の話を聞きながら、「一体、何の話をしているんだ...」と、迷子になってしまった経験は度々あります。話されている言語が母国語でない場合は、尚更でしょう。たとえ英語を母国語とする人であっても、能動的に聞くことを怠ると会議室で迷宮に迷い込んでしまうものです。次の会話は、私が実際に過去に体験したものです。

ジャック: Today I'll be talking about ~...
(本日は、〜についてお話します。)

出席者 : …しーん…

ジャック: This recent trend suggests~...
(この最近の傾向は〜を示唆し...)

出席者 : …しーん…

ジャック: Mr. A, do you have any thoughts about this?
(Aさん、この件に関してどう思いますか?)

A氏  : Umm, sorry, I’m not so familiar with this topic.
(うーん、すみません、この話題はあまり詳しくなくて)

ジャック: Oh…OK then, let's move on.
(ああ...それじゃ、次の話題に移りましょう)

日本の会社の会議ではよくある情景で、参加者による発言は少なく、私からA氏への問いかけも虚しく議論に進展がなく、外国人の私からすると、まるでやる気のない人たちに見えてしまいます。議論を活発にするために、A氏や参加者はどうすべきだったのでしょうか?いや、もっと具体的には、どんな質問が飛び交うべきだったのでしょうか?

質問の仕方ですべてが変わる

前節の例では、参加者にやる気がないのではなく、質問に情報を引き出すための工夫が足りないのです。会議では、話し手から注意深く情報を聞き取り、絶妙なタイミングで質問を挟み、参加者が内容を理解しているかどうかを確かめながら議論を進めていくことが重要です。それには、参加者を自由な議論に巻き込む形の質問が役に立ちます。
英語には、YesかNoの二択で答えを求める質問以外に、5W1H(Who、What、Where、When、Why、How)で問う質問の仕方があります。この質問形式を「オープン・エンドな質問」(open-ended question)といい、会話の要点やアイデアを掘り下げて展開することができます。必ずしも5W1Hのパターンに拘る必要はありませんが、相手からYesかNo以外の答えを引き出すような質問はオープン・エンドな質問と言えるでしょう。
逆に、相手の回答を「Yes、No」、「あり、なし」などの二択に限定するような質問形式を「クローズド・エンドな質問」(closed-ended question)といいます。それでは、いくつかのシチュエーションを例に見てみましょう。

隠れた問題点を聞き出す
“Regarding the overseas expansion, what kind of issues should we be careful of?”
(海外進出に関して、どのような課題に気をつければよいですか?)
→ 「どのような~」を問う、オープン・エンドな質問
原因と結果を聞き出す
How will this information affect our business plans in the long term?”
(この情報は、長期的に私たちのビジネスプランに、どのように影響するのでしょうか?)
→ 「どのように~」を問う、オープン・エンドな質問
さらに深掘りした意見を聞き出す
「クローズド・エンドな質問」と「オープン・エンドな質問」を組み合わせることで、相手からより多くの情報を引き出すことも可能です。”You mentioned ~” で「クローズド・エンドな質問」をして論点を絞ったうえで、さらに「オープン・エンドな質問」で話題を掘り下げます。

まず、クローズド・エンドな質問で、論点を絞ります。

You mentioned there is a tight timeline, do we have enough resources to ensure completion?”

(スケジュールが厳しいとおっしゃっていましたが、確実に達成するために十分なリソースはあるのでしょうか? ) →「とおっしゃっていましたが~」で論点絞りをした後に、「十分なリソースはあるのか、ないのか」を問うクローズド・エンドな質問。

その後に重ねて、「オープン・エンドな質問」で相手の見解を聞き出します。

How do you plan to manage this project? “
(どのようにこのプロジェクトを管理する予定ですか?)
→「どのように~」を問う、オープン・エンドな質問

いつ質問するのか、なぜ質問するのか

オープン・エンドな質問の仕方を知っているのは良いことですが、タイミングはどうでしょうか?日本の会社では、発表の途中で相手の話を遮るのは、失礼に当たるかもしれません。しかし、欧米では質問やコメントなどが会話や発表に貢献するものであれば、一般的に受け入れられます。失礼にならず、自然に質問で会話に割り込む方法を見てみましょう。

発表者 : With our new plan, there will be a lot of changes to the interface”
(新しいプランでは、インターフェイスに多くの変更を加える予定です)

ジャック:Excuse me, can I interject? / Sorry to interrupt.
(すみません、割り込んでもいいですか?/ 割り込んですみません)

そして、次のように自身の見解を発言するとよいでしょう。

例1

Does that mean we will need to rewrite our code?”
(それは私たちがコードを書き直す必要があるということでしょうか?)

例2

If I understand you correctly,this is now our top priority? “
(私の理解が正しければ、これは現在、私たちの最優先事項になりますよね?)

聞いたことを要約したり、言い換えたりすることで、より効果的に質問の意図を伝えることができるでしょう。たとえ要約した内容に自信がなくても、そうすることで話し手は自分の言ったことを明確にすることができ、より重要な情報を得ることが期待できます。

自由に意見が飛び交う会議

「オープン・エンドな質問」を使って積極的に議論に参加し、自由に意見が飛び交う雰囲気を作れば、発言者が誰にも意見を求めないことを願い、目立たぬように息を潜めて時間が過ぎるのを待つ必要はないでしょう。「オープン・エンドな質問」は、対話しながら発言者の意図を正しく理解できているかを確認する優れた方法です。最初は難しく、使いこなすには練習が必要ですが、一度慣れると、自然にコメントや質問をすることができるようになり、会議で一目置かれる存在になるでしょう。

今月の決め台詞はこれだ!

“I'm sorry, could you repeat that?”
(申し訳ありません、もう一度お願いします)

積極的に話を聞いていても、相手の言っていることがうまく聞き取れないことがあります。そんなとき、日本人は”One more please”というフレーズを使うのをよく聞きますが、これはネイティブスピーカーには正しく伝わらないでしょう。代わりに、"I'm sorry, could you repeat that?"を使ってみましょう。“Could you repeat that?”はビジネスシーンで適切かつ丁寧なフレーズですが、よりカジュアルな会話でも使えます。

マネージャー:The most important thing to remember is ****. Please keep it in mind.
(一番大事なのは****です。ぜひ覚えておいてください)

あなた   :I'm sorry, could you repeat that?
(すみません、もう一度お願いします) 

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※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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