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株式会社 日立システムズ

ネイティブが使うビジネス英語

第2回 定型文から脱却した先にあるもの

教科書にある定型文とのギャップ

こんにちは!にっぽんが大好きなジャックです!

私は、長年日本人の生徒に英会話を教えていました。そんな中、多くの日本人に共通して言えることがあることに気づきました。それは、学校で学んだ定型文に固執していることです。そして、教室の外に一歩踏み出した彼らは、教科書と実際のネイティブスピーカー(以下、ネイティブ)が使う英語とのギャップに戸惑うのです。「教科書に書いてある‘正解’と違う言い回しが使われている」「‘正解’を正しく使っているはずなのに、なぜか伝わりにくい」、そう感じる人は多いのではないでしょうか?
一方で、英語はそれなりにネイティブっぽいのに、状況に合わない言葉を使っている生徒もいました。これは、留学やワーキングホリデーを経験した人に多いパターンで、英会話にも「TPO」があることに気づいていない場合が多いのです。
いずれの生徒も、まずは現実を受け入れないと、上達はしません。今回は少し謙虚に「知らざるを知らずと為す是知るなり」という気持ちで、教科書の先に広がる英語の世界に触れてみましょう。

「ストックフレーズ」はダメなのか?

「ストックフレーズ」とは、冒頭で述べた教科書で学ぶ定型文(常套句)のことです。文法的にはまったく問題ないのですが、堅苦しかったり、古風に聞こえてしまうのでネイティブはあまり使いません。
ストックフレーズは自転車の補助輪のようなもので、乗り方を覚えるまでの手助けとなりますが、そのうち補助輪を外して街中の路面状況に応じて自転車を乗りこなせるようになります。
刻々と状況が変化するビジネスの現場においても、ストックフレーズだけでは対応は難しく、厳しい競争の中ではむしろ足枷にさえなってしまう可能性があります。

なぜ「ストックフレーズ」を学ぶのか?

通常、ストックフレーズは特定の状況や文法を教えることを目的としています。台本通りの芝居は別として、練習した通りの状況が実生活の中で起こる確率は極めて低いでしょう。したがって、ストックフレーズに頼りすぎると会話がフリーズしてしまったり、機械的で不自然に聞こえてしまいます。
では、どうすれば自然に聞こえるか、読者の皆さまが知っているストックフレーズに少しだけ手を加えてみましょう。

1) Hello, my name is ~. What’s your name?
こんにちは、私の名前は〜です。あなたのお名前は?

ネイティブが「My name is ~」と自己紹介することは、今やほとんどありません。より自然に聞こえる「I’m(名前)」を使いましょう。

2) Q: How are you?
  お元気ですか?
A: I’m fine, thank you. And you?
  元気です、あなたはお元気ですか?

この古典的な挨拶には何の問題もありませんが、機械的であまり気持ちがこもっていないように感じさせてしまうことがあります。ここではシンプルに「 I’m good, and you?」と答えると堅苦しい印象を避けることができます。文法的には違和感があるかもしれませんが、ネイティブが日常的に使用するフレーズです。

以上の例文は日常的な場面におけるものですが、次に情報の確認やスケジュール調整などビジネスの現場で使用できる例を見てみましょう。ここでは、同僚からプロジェクトに関する新しい情報が入った場面を想定してみましょう。

1) 同僚 : Let’s rethink the project flow and start from scratch.
   プロジェクトの進め方を一から再検討しよう。
あなた: I understand.
   承知しました。

I understand」は少し堅い印象がありますので、この場合は「Got it (了解です)」と言えばより親近感が感じられます。日本語にするとややカジュアル寄りかもしれませんが、ネイティブが一般的に使用している言い回しです。

2) 同僚 : We need to decide when our next meeting is.
   次回の打ち合わせの日程を決める必要がありますね。
あなた: When are you available?
   いつが可能ですか?

「When are you available?」でもまったく問題はないのですが、より相手を気遣った親近感のある言い回しにするなら「What day works for you?(いつがご都合よろしいでしょうか?)」になります。

より自然なコミュニケーションへの一歩

いかがでしょうか?教科書にある定型文を暗唱するだけでは機械的に聞こえてしまいますが、既に知っているフレーズを少し変えるだけで十分自然なものになることが、お分かりいただけたかと思います。
子どもの頃、初めて自転車の補助輪を外したときのことを思い出してください。最初は物凄く怖いですが、勇気を出して何回か転びながら練習しているうちに、「ぱっ!」と乗れてしまうものです。
教科書で学んだフレーズから離れるのは少し怖いかもしれませんが、それはより自然なコミュニケーションに近づくための第一歩だと言えるでしょう。

今月の決め台詞はこれだ!

友人や同僚との別れ際は、この一言で恰好良く演出しよう!

「Talk to you later」(また今度ね!)

その日の仕事が終わって、一緒に仕事している同僚に「Goodbye(さようなら)」と言って去ると、少し違和感を感じる人が多いと思います。今生の別れで、もう二度と会えないという状況ならまだしも、日常生活で使うと不吉な印象を与えてしまうかもしれません。普段の会話では「また今度」という意味合いで「Talk to you later」を使うと、かなりしっくりきます。他にも、「また近いうちに」というニュアンスで「See you soon」というのも良いでしょう。

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※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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