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株式会社 日立システムズ

ネイティブが使うビジネス英語

第11回 ニュースを英語で読む理由

こんにちは!にっぽん大好きなジャックです!

英語圏の同僚と問題なく受け答えをしているが、なんとなく自分の意見を伝えることができていない気がする。また、あるときは、英語のニュースを読んでみたが、いまいち内容を消化しきれていない自分がいる。この2つは無関係に思えますが、今回は英語ニュースが英会話スキルやビジネスの人間関係の向上にどのように役立つかを探ります。

かみ合わない会話

数年前、日本人の同僚と、その当時のニュースについて会話したことがあります。当時、私の「ビジネス日本語」はあまり上手ではなかったので、同僚は親切にも最近の出来事を英語で教えてくれようとしました。しかし、私の会話力と知識が不足していたので会話がかみ合わず、彼の善意を無駄にしてしまったことが多々ありました。当時を振り返ると、次のような会話でした。

ジャック: Hi Mr. A, what’s new?
(やぁ、Aさん何か変わったことでもありましたか?)

A氏  : <英語ニュース記事を見ながら、深刻な表情で>
ABC corp. has been acquired by XYZ corp.
(ABC社がXYZ社に買収されたんだよ)

ジャック: Oh, uhh, I see…is that good?
(へぇ、なるほど...それはいいことなんですか?)

A氏  : <そんなことも分かんないの?という表情で>
No, our competitor has an advantage now.
(いや、競合他社が有利になったんだよ)

ジャック: I guess, we need to work harder then…?
(ということは、私たちも、もっと頑張らないといけませんね...?)

A氏  : <君は呑気だねぇという表情>
...Yes
(...うん)

この微妙なすれ違いは、どちらに非があるとも言えません。慣れない英語ニュースなので、A氏は伝えたい情報をうまくまとめられず、予備知識が乏しい私にうまく伝えることができなかったのです。では、この状況を回避するために何ができたのでしょうか?

まずは、前提情報を伝える

冒頭の会話例では、予備知識がない私に、A氏はニュースで知り得た事実を伝えるのみに留まり会話が発展しませんでした。当たり前のことですが、あなたが知っていることを、必ずしも相手が知っているとは限らず、その逆もまた然りです。
暗黙の共通認識がある古い時代の社会であれば、「コミュニティー内の情報」と「個人の知識」はほぼ一致していたので、特に困ることはなかったでしょう。しかし、情報化社会の到来によって、情報が過去に例を見ないほどの量やスピード、多様性を持ち得た結果、多くを語らずとも分かち合えた時代は終わり、分かり合えないどころか会話すらも成立しない世の中になってしまったのかもしれません。
そのような状況に加え、私のように言語はもちろんのこと価値観や情報量が異なる外国人に正確に伝えるには、前提情報を要約して伝えたうえで意見を提示することが重要なのです。

重要な情報を探し出そう

ニュースにざっと目を通して分かりやすく要約するには、重要な点を見つけ出さなければなりません。英語ニュースでは導入句や転換句に注目することで、重要な情報を特定することができます。それでは、英語ニュースでよく使われる導入句・転換句をいくつか紹介します。

最新の情報を特定するパターン
“At first the number of victims was thought to be 12. However, that number has risen to 18 in the past day.”
(当初は、被害者は12名とされていました。 しかし、この1日で18名に増えました)
“At first〜but、however”は、本当に起こったことを明らかにするときに使います。事態が進行している場合、最初に報告された内容が正確でない場合があるので、このフレーズでは新しく報告された事実を伝える前に、まず古い情報について知らせる役割を持ちます。 "At first "の直後に伝えられる情報は、間違っていたり、詳細が欠けていたりすることが判明している際に使用されるので注意が必要です。
結論を提示するパターン
“Despite efforts to restructure, ultimately, ABC corp. was forced to declare bankruptcy.”
(再建をめざしたものの、 最終的には、ABC社は破産宣告を余儀なくされた)
“Ultimately”は、情報を要約して結論を提示するときに使われるのですが、多くの場合、ニュースの中で最も重要な情報を伝えている部分であると言えます。
このように、英語ニュースでは重要な点を強調するための導入句・転換句がほかにもありますから、注意しながら読んでパターンを覚えておくと便利です。

要領よく伝えよう!

前節では、英語で情報を読み解く方法について解説しましたが、それだけでは会話で役に立てることはできません。どのような情報であっても、効率よく正確に共有することができて初めて価値ある情報になります。
では、英語ニュースを読む場合、特に難しい内容に関しては、どのように情報を要約すればいいのでしょうか。本節では、情報をうまくまとめて会話で伝える流れを解説します。

メインテーマ(何について話すのか)
まずは、何について話すのかをざっくり伝えましょう。冒頭の会話例では、A氏は唐突にニュースの内容を述べただけで、何についての話が始まったのか分かりづらくなっています。会話を発展させることができるように、幅広くその内容を表す切り口で話題を紹介すると良いでしょう。
“I read/heard that country X’s supply chain has been cut…”
(X国のサプライチェーンが遮断されたって【読んだ/聞いた】のだけど〜)
コンテキスト(なぜその話をするのか)
次に、なぜそのニュースが自分にとって重要なのか、関係があるのか、聞き手に洞察や視点を与えながら、コンテキスト(文脈)を簡単に説明する必要があります。
"This could affect our revenue”
(これは、我々の売上に影響が及ぶかもしれない)
オピニオン(見解を述べる)
最後に、何らかの洞察や見解を提示することで、ほかでもなくあなたと会話することに価値をもたらし、後日、再び会話をすることのきっかけにもなるでしょう。
"I think we should keep an eye on this, because~
(〜だから、このことを注意して見ておくべきだと思う)

英語で見解を伝えよう!

英語でニュースを地道に読むことで、ある程度は語彙力や読解力が向上するでしょう。ただ、もう一歩踏み込んで、ニュースを読むときは、知り得た情報を要約し、自分なりの見解とともに誰かに伝えることを意識してみてはいかがでしょうか。伝えることを意識すると、自分自身の言葉に置き換える必要があるので、英語の理解力はさらに深まることでしょう。

今月の決め台詞はこれだ!

By the way, did you hear about ~”
(ところで、〜について聞いた?)

コラム本文で説明したように、ニュースを読み、知ったことを共有することにはたくさんのメリットがありますが、ニュースは会話のきっかけにもなります。とはいえ、いきなりニュースの話を始めるのは、ちょっと気まずいでしょう。そこで、会話を始めるときや、話題を変えて会話を続けるときに使えるフレーズをご紹介します。

ジャック: Hi Mr. T, how are you?
(こんにちは、Tさん、お元気ですか?)

T氏  :Fine. By the way, did you hear about the news in (country N)?
(元気だよ。ところで、N国のニュースについて聞いたかい?)

ジャック: No, what happened?
(いや、何があったの?)

T氏  :A coup. This could affect our supply chain.We should keep an eye on the situation.
(クーデターだよ。我々のサプライチェーンに影響を与えるかもしれない。状況を注視しておく必要があるよね)

ジャック:Wow, that’s important news, thanks for sharing!
(わぁ、それは重要なニュースですね、教えてくれてありがとう)

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※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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