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株式会社 日立システムズ

専門家コラム:海外での実践的危機管理

クイズ

第16回

あなたは、ある途上国に駐在しています。その国の経済は低迷しており、生活に困窮している市民も多く存在しています。ある日、あなたが新聞を読んでいると「公共料金の値上げに反対して、市民が小規模な抗議デモを行った」という記事を目にしました。

さて、あなたはこの記事をどのように考えるべきでしょうか?

a) 貧しい人たちへの支援活動を行う

b) 特に何も気にしない

c) 暴動が発生する予兆と捉える

  • 【答え】c) 暴動が発生する予兆と捉える

    【解説】
    生活困窮者が多く存在する国では、国民の間に政府や社会に対する強い不満が醸成されている場合があります。この種の不満は、現地での日常生活では見えないことが多いですが、「トリガー」になる事象が発生すると大規模な暴動へ発展することがあります。
    公共料金の値上げ、急激なインフレ、権力者の政治闘争、総選挙などは、国民の怒りが爆発する「確かな予兆」になり得ます。過去に大規模な暴動が発生した国に赴任する場合は、渡航前に事件の概要を知っておくと、暴動のトリガーになるかもしれない事象が発生していることを察知する力を養うことに役立ちます。
    そして、予め自宅待機、退避、逃げ遅れた場合の籠城などの準備をしておき、日常的にメディアや日本の在外公館が発信する危険情報などから、可能な限り早期に予兆を察知する努力を習慣化しておくことが、非常に重要だと言えるでしょう。

第15回

ある日突然、会社からアメリカに赴任するよう命じられました。
「いよいよ俺にも順番が回ってきたなあ。妻にも英会話研修を受けてもらわないといけないなあ」

えっ?何を呑気なことをいっているのですか?夫人にはもっとすべきことがあるのではないですか?

a) 異文化研修の受講

b) 車の運転の練習

c) 近所づきあいの知識習得

  • 【答え】b)車の運転の練習。

    【解説】
    アメリカは「車社会」だということは、良く知られている事実です。そのような国に赴任した帯同配偶者の最初の試練は、言葉や習慣の違いからくるトラブルではなく、実は車の運転なのです。多くの帯同配偶者の皆さんが、赴任当初は現地での運転に大きなストレスを感じておられるのです。
    赴任地での日常生活で、買い物、子供の送迎、通院などで車を運転することがどうしても必要な場合があり、実際に多くの帯同配偶者が車を使って生活しています。
    ご承知のとおり、アメリカは「右側通行、左ハンドル」ですから、日本の交通状況とはかなり違っています。しかしながら、車の運転に不慣れな人が言葉の問題が生じる海外で、いきなり路上で運転するのは多くのリスクが伴うだけでなく、現地での生活そのものが大きなストレスになりがちです。
    現地で車を運転する必要性のある国に赴任する際には、日本にいる間に車の運転に慣れておくことを強くお勧めいたします。

第14回

あなたはベトナムを旅行中です。活気のある街での観光は、心が弾みます。
とても楽しい時間を過ごしていましたが、突然、道端に駐輪している数台の自転車が、あなたの目の前で「がっちゃーん!」と大きな音を立てて倒れ、引き起こすのに苦労している人を見かけました。驚いたあなたは、直ぐに自転車を起こすのを手伝おうとしました。

さて、このとき何か注意すべきことはあるでしょうか?

a) 自転車を壊さないように、注意深く手伝う。

b) 特に気をつけるべきことは無い。

c) スリや置き引きを警戒する。

  • 【答え】c) スリや置き引きを警戒する。

    【解説】
    海外旅行中の多くの日本人が、ベトナムに限らず世界中で、スリ・置き引きの被害に遭っています。プロの犯罪者は、ターゲットに対して「ちょっとした混乱」を故意に惹き起こして注意を逸らし、バッグやポケットから金品を窃取する手口を使う場合があります。
    本問いでは、目の前で故意に自転車を大きな音を立てて倒して注意を逸らし、僅かな隙に金品を窃取する手口の可能性があります。また、親切な日本人が自転車を起こすのを手伝うことを予想して、共犯者が一緒に手伝うふりをしながらターゲットを取り囲み、金品を窃取する手口かもしれません。
    ほかに、小銭をばら撒いたり、路上で具合が悪いふりをしてわざと倒れたりなど、ターゲットを混乱させるさまざまな手口があります。想定外の現象が目の前で発生したときは、速やかに現場から間合いをとり、しばらく様子をみるのが無難と言えるでしょう。

第13回

あなたは、海外旅行の準備をしています。海外は物騒なので、渡航前に安全情報を熟読中です。
「そうか、街中では置き引き、ひったくり、スリが頻発しているのだな。夜は強盗に注意しなきゃいけない。感染症にも注意しなきゃいけないな。ちゃんと予防策を覚えておこう」

とても慎重な姿勢ですが、最後に非常に大事なことを忘れてはいけません。それは、何でしょうか?

a) レストラン情報の収集

b) 海外旅行保険の加入手続き

c) 携帯電話の充電

  • 【答え】b)海外旅行保険の加入手続き

    【解説】
    近年、海外に渡航する日本人の安全意識が高まってきたと言われています。多くの日本人が、海外渡航前に外務省の「海外安全ホームページ」などで安全情報を収集し、渡航先のリスクに注意を払うようになりました。
    しかし、危機管理を理解するにあたって非常に重要なのは、「警戒する」ことが事件・事故に巻き込まれないことを「完全に保証するものではない」ということです。
    どんなに用心していても、不測の事態は起こるものです。金品を奪われたり、怪我や病気になったりすることは、必ず想定しておくべきです。
    海外で窃盗被害に遭った場合、少なからず経済的損失が発生します。また渡航先によっては、怪我や病気で医療機関に行っても「支払い能力」があることを提示できないと速やかに適切な治療を受診できない場合があります。医療水準の低い途上国で大怪我したり重病に掛かったりすると、医療水準の高い国へ緊急移送する場合があり、多額の費用が掛かります。
    海外に渡航する際には、リスクを警戒するだけでなく、事件・事故に巻き込まれてしまったときの経済的損失を補填するための対策として、海外旅行保険に加入しておくことは、非常に重要だと言えるでしょう。

第12回

あなたは、東南アジアを友人と二人で旅行中です。あなたにとっては初めての海外旅行でしたが、友人は旅慣れていたので、安心して観光地めぐりを楽しんでいました。
ある観光地のレストランで食事をしていたところ、料理がとても美味しそうなので、あなたは思わず携帯用端末をバッグから取り出して、写真を撮ろうとしました。

するととっさに、友人が重要なことを教えてくれました。それは何でしょうか?

a) レストランでの写真撮影のマナー

b) 料理写真を撮るときのコツ

c) 携帯用端末をテーブルに置きっぱなしにしないこと

  • 【答え】c) 携帯用端末をテーブルに置きっぱなしにしないこと

    【解説】
    近年、海外では携帯用端末の盗難が頻発するようになりました。携帯用端末はブラックマーケットでの換金性が高いと言われており、「すぐにお金になる、高価なターゲット」になっています。
    日本では、カフェやレストランで携帯用端末をテーブルに置いたままにしていても、盗難に遭うことは殆どありませんし、万が一置き忘れても持ち去られる確率が低いのです。そのため、日本では携帯用端末をテーブルに置きっぱなしにしている人が多く、それが習慣化しているため、油断すると海外でも同様の行動をとりがちです。
    海外で携帯用端末をテーブルの上に置きっぱなしにすると、プロの犯罪者の目に留まり、料理や会話に気をとられている隙を狙われたり、巧みに死角を作られたりして、いとも簡単に盗まれてしまうことがあります。また、うっかり店に携帯用端末を忘れてしまった場合、海外では日本よりも持ち主の手元に戻ってくる確率が低いと考えておくべきです。
    海外のレストランやカフェで携帯用端末を使用したあとには、必ずバッグなどに入れて盗難防止を心がけることが重要です。もちろん、バッグが盗まれないように、身体から離さないように気をつけることも忘れてはいけません。

第11回

あなたは、アメリカで駐在員として働いています。ある日、得意先に車で出張することになりました。ある街に差し掛かったとき、あなたはパトカーに停車を命じられ路肩に停車しました。

さて、あなたはどういう行動をとるべきでしょうか?

a) 速やかに降車し、パトカーに向かって歩いていく。

b) 警察官の指示があるまで動かず、指示には厳格に従う。

c) 何もしていないのに停車させられたので、警察官に反抗する。

  • 【答え】b) 警察官の指示があるまで動かず、指示には厳格に従う。

    【解説】
    アメリカは「銃社会」であるということは、よく知られている事実です。アメリカの警察官は、停車を命じた車両に対して、乗車している者が銃を所持した犯罪者である可能性を排除せず重度の警戒を怠りません。実際に、不幸にも職質中に銃撃を受けて殉職する場合もあるのです。
    警察官は用心深く接近してきて、免許証や自動車保険の提示を求めてきます。明確な指示があるまでは、勝手に降車するなどの行動は厳禁です。また、「何もしていないのに!」と腹を立てて、警察官に反抗したり悪態をついたりすべきではありません。勝手な行動や反抗すること自体が、「制圧すべき危険な人物」と判断されて、逮捕されることもあり得ます。
    アメリカだけでなく、銃が市民社会に浸透している国々で行動する際には、警察官に対する対応には細心の注意を払うことが重要だと言えるでしょう。

第10回

あなたは、フィリピンの事業所で駐在員として勤務しています。最近、ある部下の勤務態度が非常に悪く、何度も注意を与えましたが、改善しません。顧問弁護士と現地の人事マネージャーと相談し、法律の解雇要件は満たしていることが判明したので、弁護士と連携し万全の準備して、解雇通知を行なうことになりました。

さて、現地スタッフを解雇する際、法的措置以外に注意しなければならないのは何でしょうか?

a) 解雇は当然であり、「お前は役に立たないから、クビだ!」と言えばよい。

b) 事務的に粛々と手続きを進めさえすれば良い。

c) 相手の自尊心を傷つけないよう、言葉には十分注意する。

  • 【答え】c) 相手の自尊心を傷つけないよう、言葉には十分注意する。

    【解説】
    海外事業所に派遣されてマネージメントをする場合、当然のことながら、担当業務以外に労務管理も非常に重要な仕事の一つになります。しかし、「人事系」の業務に関する知識を習得して派遣される駐在員は、非常に少ないのが現実です。
    人事部の仕事をした経験のある人は「解雇は手続きだけの問題ではなく、感情の問題でもある」ことを良く理解しています。だからこそ人事部の人たちは、普段から従業員に対して発する文章や言葉に、細心の注意を払うのです。
    本問いの場合、たとえ法的な解雇要件を満たしており、手続きも正常に実行されたとしても、解雇された本人にとっては収入を断たれることは勿論のこと、容易に「納得」できることではありません。そのため、訴訟に発展するリスクがあるだけでなく、駐在員が脅迫されたり暴力事案に発展した事例もあります。
    一般的には、駐在員は解雇問題には直接関与せず、現地の人事マネージャーに一任するのがセオリーだと言われています。しかし一方で、解雇された本人は、「誰が自分をクビにしたのか」を推定することは非常に容易なことなのです。
    従業員から強い恨みを買わないためには、現地スタッフとの良好な関係を維持することが重要ですが、それ以前に「人として、従業員の自尊心を傷つけない言葉や態度」を慎重に選ぶことが、極めて重要だと言えるでしょう。

第9回

あなたは、スペインに出張中です。
得意先を回り、少し疲れたのでカフェで休憩することにしました。初老の紳士が笑顔で陽気に話しかけてきました。

「やあ!こんにちは!日本人ですか?一度日本に行ってみたいと思っているのですよ」

さて、なにか気をつけることは、ありませんか?

a) 特に警戒すべきことはない。

b) 無視するのは失礼なので、会話を続ける。

c) 置き引きを警戒し、鞄を膝に抱えて会話をする。

  • 【答え】 c) 置き引きを警戒し、鞄を膝に抱えて会話をする。

    【解説】
    海外では、日本人の置き引き被害があとを絶ちません。日本ではレストランやカフェで置き引き被害に遭うことはめったにありませんが、海外では多発している国があります。 海外の置き引き犯は数人のグループで連携して犯行に及ぶ場合があり、役割分担をして盗みを働きます。
    グループによる犯行では、メンバーの1人がターゲットに気さくに話かけて気を逸らしている隙に、別のメンバーが荷物を盗んだり、鞄から財布や携帯電話を抜き取ったりします。ターゲットに話しかける役の犯人は、極めて自然に振る舞い、あたかも地元の人が外国人に声がけしているように演技しますから、すっかり騙されて心理的に無防備な状態になってしまいます。
    日本では、営業の外回り中に立ち寄ったカフェで、見知らぬ人物から親しげに声がけされることは、めったにありません。もし声がけされたら、常識的な感覚では「違和感」を持ち、「何の用だ?」と警戒するでしょう。海外で行動するときにも、常識的な感覚を持ち続けることは、非常に重要なことなのです。
    海外渡航中に見知らぬ人物に親しげに声がけされたときは、警戒を怠らず身構えて置くのが無難だと言えるでしょう。

第8回

あなたは、会社から治安が非常に悪い国に派遣されることになりました。会社は安全配慮の観点から、海外危機管理の専門家による研修を準備してくれました。その研修の最後に、講師が次のように言いました。

「皆さん、銃声が聞こえたら、速やかに姿勢を低くして(伏せる・逃げる・隠れる)を実行してください」

さあ、あなたには、講師に質問すべき大切なことがあります。それは、なんでしょうか?

a) どこまで逃げれば良いのですか?

b) 銃声は、どんな音なのですか?

c) 銃の命中精度は、どのくらいですか?

  • 【答え】 b) 銃声は、どんな音なのですか?

    【解説】
    私たち日本人は銃を見かけることが滅多にないため、銃声を聞いたことがある人はほとんどいません。そのため、日本人にとって「銃声」は、日常生活で経験したことのない「未知の音」ということになります。「未知の音」に瞬時に反応して退避行動をとることは、非常に困難です。聞こえた音が「銃声」だと分からず、逃げ遅れることも想定されますから、銃声がどのような音なのかを知ることは、極めて重要です。
    私たちは、アクション映画などで「バキューン!」「ズギューン!」といった音のイメージを持っていますが、それらは映画・ドラマ用の合成音で、実際の銃声とはかなり違っています。また、銃声は銃の種類や距離で聞え方が全く異なります。
    筆者が実際に聞いたことのある銃声は、「ターン」という乾いた破裂音でしたが、セキュリティーの専門家によると、近くで聞くと全く違った音に聞こえるそうです。日本で実際の銃声を聞くことは難しいので、簡易的に銃声のイメージを養うために、インターネットの動画サイトなどで紹介されている射撃訓練などの動画の音声を参考にすると良いでしょう。

第7回

あなたは、家族と共にアメリカに駐在中です。ある休日、小学生の息子が所属する少年野球チームの試合があり、応援に行きました。不思議なことに試合中、警察のパトカー2台がグランドの周りを巡回しています。

さて、あなたは、どのように行動するのが適切でしょうか?

a) 警察がいるから、安心して応援に集中する。

b) 状況変化に注意し、試合後は息子に付き添って用心を怠らない。

c) 特に気にしなくて良い。

  • 【答え】 b) 状況変化に注意し、試合後は息子に付き添って用心を怠らない。

    【解説】
    アメリカでは、児童誘拐が子どもを持つ家庭にとっての大きな脅威となっています。スーパーなどでは、「Missing Children」という行方不明になった子どもたちの写真入りの張り紙を良く見かけます。それほど、多くの子どもたちが誘拐されているという現実があります。
    本問いの場合、野球のグラウンドを警察のパトカーが巡回している状況は、以前この地域で児童誘拐などの事件が発生したか、警察に不審者情報が入っている可能性を示唆しています。また、主催者側が子どもたちの安全配慮のために地元警察に巡回を要請した可能性もあり、親たちが児童誘拐などの脅威を感じている地域社会であることを意味しています。野球の試合が終わったら子どもに付き添い、帰宅するまで用心するのが無難だと言えるでしょう。
    海外では「警察官がいるから安全」ではなく、「危険だから警察官がいる」という感覚を持っておくことが重要なのです。

第6回

あなたは、ある途上国に出張を命じられました。仕事の書類、IT機器、機内で服用する分量の薬以外は空港のチェックイン・カウンターで預けるスーツケースに入れて、準備万端整いました。

ところで、あなたはスーツケースに入れないほうが良い物を入れてしまいました。
それは、何でしょうか?

a) お泊りセット(着替え&洗面用品など)

b) 現地駐在員への手土産

c) 服用中の薬

  • 【答え】 c) 服用中の薬

    【解説】
    海外渡航する際の航空便のトラブルとして、最も注意しなければならないのは、航空会社に預け入れた荷物の紛失です。渡航先の空港に到着し、バゲージクレーム(荷物受取場)でスーツケースが出てこないというトラブルは、よくあることです。渡航先で国内線への乗り継ぎがある場合は、特に注意が必要です。
    誤ってスーツケースが積み込まれてしまった便の行き先が遠隔地だった場合には、迅速な転送は困難な場合があります。また、途上国の医療水準によっては、必要な医薬品の入手が困難な場合があり、生命に関わるリスクが生じます。
    そのため、服用中の薬は機内持ち込みとし、確実に現地でも服用できるようにしておくことが無難と言えるでしょう。

    注意:
    医薬品の機内持ち込みについては量的制限などの規定がありますので、航空会社に確認のうえ対応してください。

第5回

あなたは、フィリピンに出張中です。あなたの部下だった若い駐在員が今回の出張のアテンドをしてくれて、夕食後にバーに連れていってくれました。お店でビールを飲んでいると、酔っ払った男がやってきて「日本人だろ?俺にビールをおごれよ」と言ってきました。「俺の上司に対して、失礼な奴だな!」と憤慨した駐在員は、酔いも手伝って一触即発の状況になってしまいました。

さて、あなたは、どういう対応をするのが妥当でしょうか?

a) 駐在員を制止し、男を無視する。

b) 腹が立つから加勢し、男を撃退する。

c) とりあえず一杯おごって、速やかに店から立ち去る。

  • 【答え】 c) とりあえず一杯おごって、速やかに店から立ち去る。

    【解説】
    途上国に限らず、何処の国でも、酒場でこのようなトラブルは起きるものです。日本では、酒場で殴り合いになっても殺人事件に発展することは殆どありませんが、フィリピンには大量の銃器が出回っていることを、常に意識しておかなければなりません。
    フィリピンで外国人が被害に巻き込まれた事例で、ビールを購入するためにバーに入った外国人が、酔っ払い客に「一杯おごれ」と執拗に絡まれ、無碍に拒否したところ喧嘩になり、射殺されたということがありました。
    一旦、相手の要求を飲む方が、トラブル発生の確率を低減できます。一方で、一杯おごったことで「カモ」とみなされ、付きまとわれるリスクがありますので、トラブルになる前に速やかに店から立ち去るのが無難です。
    そもそも、性質の悪い酔っ払いがいるバーに「裕福な外国人」とみなされている日本人が入っていくこと自体が、トラブルの原因です。出張の際には、ホテルのバーなどでゆっくりお酒をいただくのが、安全と言えるでしょう。

第4回

あなたは、インドで日本企業の駐在員として仕事をしています。現地の交通事情は悪いため、移動には運転手を雇っています。
社有車で移動中、2人乗りバイクの若者が、停車するように合図を送ってきました。停車すると、その若者は「タイヤがパンクしている。タイヤ交換を手伝ってあげるので、安全な場所に誘導します。」と、親切に声をかけてくれました。
ところが、あなたの運転手は「手伝いは必要ない」と、若者たちの申し出を断ってしまいました。

なぜ、運転手は断ったのでしょうか?

a) タイヤ交換ぐらい自分でできるので、余計なお世話だから。

b) 手伝って貰うのが心苦しいから。

c) タイヤ交換中に、金品が盗まれる可能性があるから。

  • 【答え】 c) タイヤ交換中に、金品が盗まれる可能性があるから。

    【解説】
    インドでは、「パンク盗」という、巧みな犯罪手口があります。
    「パンク盗」は、バイクなどに乗った複数の犯人があらかじめ何らかの方法でターゲット車両をパンクさせ、接近し、「パンクしている」と親切に指摘くれた上に、タイヤ交換の支援を申し出てきます。しかし、運転手及び同乗者が車外に出て修理をしている間、車内に置いた貴重品などを窃取します。
    本問いの場合、運転手は「パンク盗」が横行していることを、良く知っていて、危機管理上の予防行動をとったものと考えられます。見知らぬ人物にパンクを指摘されても、その場で停止せず、安全な場所まで移動し、周囲の状況に注意を払いながら対応することが重要です。タイヤ交換作業では、ドアロックをかけ、車のキー、貴重品は自分で所持し、体から離さないことが基本です。
    インドでは、さまざまな犯罪手口があり、多くの日本人が被害に遭遇しています。他人の「親切」を容易に信用してしまう日本人の特性を、逆手に取るプロの犯罪者が存在することを、決して忘れてはいけません。

第3回

あなたは、タイでの旅行を終えて帰国するところです。
滞在中に知り合った人が、親切にも空港まで車で送ってくれました。

ところが、その人は
「実は恋人が日本にいます。偶然にも、あなたが住んでいる東京に留学中です。これは恋人へのプレゼントなのですが、日本まで預かっていただけませんか?
本人が後日、あなたの携帯番号に連絡して直接取りに行くようにします」と、
リボンのついた小包をあなたに預けようとしました。

さて、あなたはどういう対応をすべきでしょうか?

a) お世話になったので、当然、預かってあげる。

b) ひとまず預かったものの、怖くなって捨てた。

c) 絶対に断る。

  • 【答え】 c) 絶対に断る。

    【解説】
    麻薬密輸組織は、旅行者に麻薬の入った小包やバッグを言葉巧みに預け、「運び屋」として利用する手口を使います。そのため、安易に他人の荷物を預かることは非常に危険です。特に「恋人へのプレゼント」など綺麗に包装されている小包は、途中で開けられないためのカモフラージュの可能性があります。
    タイの麻薬を取り締まる法律は死刑を含み厳格な処罰が規定されており、外国人にも適用されます。
    万が一セキュリティーチェックなどで荷物から麻薬が発見された場合、「預かった」などどんな説明も聞いてもらえず、問答無用で逮捕・拘束されます。
    「旅先で知り合った親切な人」が、必ずしも善意の一般市民とは限りません。例え困っていると頼まれても、「他人の荷物」を安易に預かるべきではありません。

第2回

あなたは、アメリカの販売支店に支店長として勤務しています。
長年、誠実に勤務してくれた現地採用の日本人スタッフが、老後は日本で過ごしたいという意向で退職することになりました。駐在員全員、慣れない土地で公私共にお世話になったので、特別に一同で送別会をすることにしました。

さて、この送別会の開催は適切と言えるでしょうか?

a) お世話になったのだから、送別会は当然だ。

b) 労務問題に接触する可能性がある。

c) 日本人同士で仲良くするのは良いことなので問題ない。

  • 【答え】 b) 労務問題に接触する可能性がある。 

    【解説】
    多くの日本企業が、現地採用の日本人を雇用しています。彼らは現地事情に詳しく、日本語のコミュニケーションが可能で現地語にも精通しているため、大きな戦力となっています。一方で、現地に不慣れな日本人駐在員が公私にわたっても彼らにお世話になっていて、ほかの現地従業員とは違った特別な位置づけになっている場合があります。このことは、特にアメリカなどの人権意識が深く浸透している国では、労務管理上の潜在的なリスクを含んでいます。

    本問いでは、日本人を特別に取り扱うことで、他の現地従業員が「平等な取り扱いではない」と感じ、強い不満を持つ可能性があります。そのため、従業員全員に適用可能な方法を検討し、不平等にならないよう配慮することが無難です。
    日本においても、企業が「人種・性別・年齢・性的指向」などによって従業員を差別的に取り扱ってはいけませんが、訴訟による解決が頻繁に行なわれるアメリカでは、企業は常に労務管理上の訴訟リスクを抱えているのが現実です。

    しかしながら今後は、世界中で人権意識が高まることが予想され、企業は「訴訟リスクがある」という動機からだけではなく、基本的人権を尊重するという倫理的な観点からも、全世界的に「従業員の平等な取り扱い」を常に意識したマネージメントを行なうことが求められていると言えるでしょう。

第1回

A氏はフィリピン・マニラ赴任を命じられ、人事部から「海外危機管理研修」の受講通知を受け取りました。

しかしA氏は、「そんなの意味ない。現地で実際に経験して慣れるしかないよ。業務引き継ぎで忙しいから欠席しよう」と言って、受講しませんでした。

このような「海外危機管理研修」は、A氏が言うように意味のない研修なのでしょうか?正しい心構えを、次の3つから選んでください。

a) 業務引き継ぎの方が重要なので受講の必要はない。

b) 現地で慣れるから受講しなくても良い。

c) 必ず受講すべき。

  • 【答え】 c) 必ず受講すべき。

    【解説】
    フィリピンは、日本と比べて非常に治安が悪いとされています。国連薬物犯罪事務所(UNODC)犯罪統計によると、人口10万人あたりの年間殺人事件発生件数は日本0.31件に対し、フィリピン9.84件と計上されています。

    このことは、ほかの犯罪の発生率も日本に比べて非常に高いことを示唆しており、強盗・ひったくり・置き引きなどの邦人被害が多数確認されています。

    「生活に慣れる」と「現地情勢を知っている」とは、意味が異なります。海外危機管理上で重要なのは、「どこに、どういう脅威」が存在し「どの程度の頻度」で発生していて「どのように予防・対処すべきか」を、具体的情報に基づき「理解」しておくことなのです。「生活に慣れる」だけでは、安全に生活することはできません。

    企業が新規海外赴任者に提供する海外危機管理研修は、重要情報や安全行動のノウハウを知ることができる貴重な機会だと言えるでしょう。決して侮らず、研修を受講することを強くお勧めします。

 

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