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専門家コラム:海外での実践的危機管理

【第15回】車ぶつけちゃったの(アメリカ ほか)

車がないと生活できない

20年以上前の話ですが、私は海外駐在員としてメキシコ工場に勤務しておりました。工場はメキシコ側にありましたが、安全上の問題でアメリカ側に居住するという、米国-メキシコ国境を挟む駐在形態でした。
私は家族と共にアメリカ側の閑静な住宅地に住んでおりましたが、そこは典型的なアメリカの街でしたので、比較的恵まれた生活環境だったと思います。

しかし赴任当初、帯同した妻にとって大きな試練が待ち受けていました。それは、「車を使わなければ生活できない」ということでした。

妻は日本でも車を運転しておりましたが、アメリカでは左ハンドルで、しかも右側通行という慣れない道路環境のため、赴任当初は相当な苦労があったようです。
妻にとっての不安は、事故に遭っても英語が十分に話せないので対応が難しいことと、現地の警察や救急医療の仕組みが良く分からないことでした。
つまり、子供たちを乗せて車を運転しているときに事故に遭った場合、自力で対処することが非常に困難な状況だったのです。そのことが、妻にとって現地での生活の大きなストレスだったと思います。

えっ?車ぶつけちゃったの?

その後、私たち家族はカナダへ赴任しました。妻は安全運転で、米国での生活からカナダに至るまで、一度も事故を起こしませんでした。しかし、これが単にラッキーなだけだったということを知る事件を、私は目の当たりにしたのです。

ある日、私はお客さまのオフィスでミーティングをしておりました。
商談が佳境に入ってきたとき、唐突に先方の駐在員Aさんの携帯電話がけたたましく鳴り始めました。

Aさん:「どうしたんだ?、こら、落ち着いて話せ。何言ってるか分からないぞ…まあまあ、落ち着いて!どうしたっていうんだ?」

電話の向こうでは、ただならぬ事態が起こっている様子でした。

Aさん:「はあ?車ぶつけちゃったの?お前、今どこにいるんだ?もっとゆっくり話せ!
落ち着けー!今どこにいるんだーー!えっ?ハイウェイだって?どこのハイウェイ?お前、怪我はないのか?子供は大丈夫か?とにかく今から行くから、安心しろ!すぐに助けにいくからな!」

Aさんは、慌ててオフィスを出て現場に駆けつけて行きました。

後日聞いたところによると、夫人は子供をのせてハイウェイを車で走行中、渋滞でスピードを落としたところで、後続車両に追突されたそうです。夫人は、どうして良いか分からず、救援要請の電話をAさんにかけてきたということでした。

Aさんが現場に着いたとき、夫人は子供を抱きしめたまま青ざめた顔で、ぶるぶると体を震わせていたそうです。
「どうしていいか分からなくて、あなたに電話すれば必ず直ぐに来てくれると思ったの。物凄い音でびっくりしちゃって。子供は、ショックで声も出さなくなってるし。相手の人も、警察の人も、早口でしゃべるから何を言われているのか分からないし。仕事中なのに、ごめんね」

車の後部はかなり破損しましたが、幸いにも夫人とお子さん、そして相手方にも怪我や後遺症は無く、英語の堪能なAさんが現場でサポートしたため、警察とのやり取りや相手方との示談交渉も円滑に済んだそうです。

事故は必ず起こる!

海外で車を運転する場合、「安全運転」を心がけることは当然ですが、「気をつけていても、いつか必ず事故は起こる」という心構えが必要です。
特に不慣れな方の場合は、交通事故の現場ではパニックになってしまうことがあるので、対処については支援が必要な場合があります。車の事故を起こしてしまったときのために、緊急の連絡先を普段から確認しておくことが重要です。

また、国によって違いがありますが、警察・消防への通報の方法、警察官や救急隊員に状況を説明するための現地語、負傷者や相手方への対応などについて予め知っておく必要があります。渡航前に外務省海外安全ホームページや日本国大使館・領事館が発行している「安全の手引き」などに、交通事故への対処方法が記述されていますから、渡航前に熟読しておくと良いでしょう。
海外で車を運転するときには、私たち日本人は事故の対処能力が非常にぜい弱であるという前提に立って、常に最悪の場合を想定し用心深く準備をしておくことが、本当の意味での「安全運転」だと言えるでしょう。

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※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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