
日本企業を取り巻く環境が、非常に厳しいと言われ始めて、かなりの年月が経過しました。大手企業だけでなく、中小零細企業も含めた多くの日本企業が、活路を見出すべく、海外進出に余念がありません。それに伴って、海外で邦人が犯罪、感染症、事故、テロ、誘拐など、の危険に遭遇する事案が増えています。
本コラムでは、私が経験した事例などを踏まえ、皆さまに平易な解説で、分かり易く海外危機管理の考え方や実践的な対応を説明させていただきます。
本コラムが、読者の皆さまの海外危機対応の一助になれば幸いです。
テーマ

海外危機管理で、重要なことは「現地の人達と仲良くすること」です。地域の人々、職場の現地従業員などと、摩擦なく仲良くすることの意味を説明し、コラムの最終回といたします。


途上国へ渡航前に、「水・食べ物に注意」と教えられていても、食中毒で病院に入院・搬送される日本人が後を絶ちません。
実際の事例を紹介し、どうして「危ない物を食べてしまうのか?」を考察し、注意点を説明します。


海外で生活していると、日本での生活習慣が抜けきらず、トラブルに発展することがあります。事前に分かっていても、ついうっかりやってしまった、という事例を紹介しながら、注意すべきポイントを説明します。


海外危機管理の基本は、リスクから遠ざかることだと言われています。しかし、具体的に「何から」、「どのように」遠ざかれば良いのかをしっていなければ、リスク回避はできません。リスク回避のポイントを「時間」「距離」「行動」に分けて、分かり易く説明します。


見ず知らずの他人を、うっかり信用してしまいがちな日本人は、海外で詐欺被害に遭うことが、よくあります。
実際の事例を紹介しながら、海外の詐欺の手口を紹介、どうして引っかかってしまうのかを考察し、注意すべきポイントを説明します。


「恐さ」を知るためには、事前に渡航先の「リスク」のありかを知っておくことが重要です。しかし、いくら「恐さ」を知っていても、それを忘れてしまう瞬間があります。事例を紹介しながら、なぜ「恐さ」を忘れてしまうのかを考察し、分かりやすく説明します。


外務省の各在外公館が公開している「安全のしおり」や企業の「海外危機管理マニュアル」には、必ず「自分の身は、自分で守る」という文言が入っています。その本当の意味は、「悪と戦う」ということではなく、予防、被害の低減、そしてリスクの転嫁です。そのことを、事例を交えながら分かり易く解説します。


海外出張で体調を良好に維持するためには、良質な「食事」が基本です。でも、アレルギー、成人病治療などの食事制限、偏食などのさまざまな理由で現地での食事に適応できない人がいます。また、日本人には当たり前の料理でも、現地の人にとっては「気味悪い姿」に見える場合もあります。「食事」に関するいくつかのトラブル事例をもとに注意点を解説します。


海外駐在員には、必ず年老いた親を置いて海外に出て行く50代以上の人達がいます。彼らの中には、親の死に目に逢えず、現地でふさぎ込んでしまい、中には心の病に陥り現地の仕事で機能できなくなってしまうことがあります。企業が従業員を海外へ派遣する際には、お身内との別れも想定した、制度上の配慮が必要であることを解説します。


世界各国のビザ審査官や入国係官は、自国に不利益になる人物の入国を回避するという点で共通しています。旅行で渡航する場合は概ね「ウェルカム」な対応ですが、ビジネス渡航となると係官の雰囲気ががらりと変わります。日本人が遭遇しやすいトラブル事例を解説します。


日本で社員の夫人はあくまで社外の人で、企業が存在を意識することは、ほとんどありません。しかし、海外は別で、夫人の協力が会社にとって不可欠だということに気付かされます。もし夫人への配慮を怠ると、思わぬ事態に遭遇することがあるため、その重要性について解説します。


途上国で働く駐在員の多くが、「嘘つき従業員」に遭遇した経験があります。言い訳程度なら我慢すればいいのですが、放置すると横領・リベート・技術情報の窃取といった犯罪行為に発展する場合もあります。
事業運営上の損失を低減するために、どういう心構えで仕事をするのが適切かを考察します。


近年、日本企業もグローバル化が進み、海外の企業を企業買収・合併・業務提携などにより国際競争力を高めようと努力しています。しかし、海外の企業とのお付き合いでは、日本国内の商売の常識を覆すような事態に遭遇することがあります。「なぜ、私たちはだまされてしまうのか?」「妥当なリスク回避の考え方とは何か?」を考察します。


多くの企業の危機管理担当者が、テロを話題にします。しかし、「テロの定義」を明確に述べることができる担当者は、非常に少ないのが現実です。 直近の「テロ」の事例を交えて、テロの本質と、対策の考え方・あり方を説明します。


企業の海外事業所運営で、最も神経質な事案は、従業員による「ストライキ」「暴力的な抗議行動」です。場合によっては、人的・経済的に大きな損失が出ることもあります。幾つかの事例を交えて、海外での労務管理の難しさと、その対策の在り様について、解説いたします。


海外での邦人死亡原因の約70%は、「病死」です。企業が社員を海外に送り込む際や、海外旅行に行く際には、「健康管理」が非常に重要。しかし、一方で、仕事が忙しく、健康管理を疎かにする駐在員・出張者が多く存在し、持病を抱えながら渡航する旅行者も散見されます。私自身の経験した事例を交えて、健康管理の重要性を説きます。


海外出張、海外旅行などで、海外渡航する場合に、日本と治安情勢の異なる場所では、日本人はターゲットになり易いと言われています。なぜ、ターゲットになり易いのか、そして、どうすればより安全に滞在できるかを、事例を交えて分かり易く解説します。


海外危機管理がなぜ必要なのかを、最近の事例を交えて解説します。企業の安全配慮義務の遂行の重要性を説くことを、要旨とします。

筆者のご紹介
海外生活株式会社
山本 優
海外危機管理コンサルタント
関西の自動車部品メーカーで、メキシコおよびカナダ駐在を通じて、海外工場立上・運営と海外支店経営を経験。帰任後は海外人事で人事制度改善に従事した後、海外危機管理担当者として、海外危機管理の仕組み構築や特命事項に携わった。
現在は、海外危機管理コンサルタントとして活動すると同時に、中小企業の海外人事の相談に対応している。経理、生産計画、海外工場運営、海外営業、海外販売支店経営、人事・海外人事、海外危機管理という企業のさまざまな経営管理の経験に基づき、独自の視点でコンサルティングを行っている。
* コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。