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株式会社 日立システムズ

専門家コラム:お伽の国、日本からの旅立ち

第15回 「距離」、「時間」、そして「行動」

海外旅行、やーめた! 

私の友人のAさんから、ある日、電話がかかってきました。

Aさん:「実は俺の息子が、東南アジアの国々を一人旅したいから旅費を援助してくれと言い出してね。学生時代最後の旅だし、了解したんだよ。でも、心配だから海外の安全に関する情報をよく調べてから行くようにと言ったんだ」
私:「それは、正しい助言だよ」
Aさん:「ところがさ、突然、やっぱりやーめた!と言い出したんだよ」
私:「えっ!どうして?」
Aさん:「安全情報を調べているうちに、犯罪・暴動・感染症とか、いろいろあり過ぎてね。親が言うのもなんだけど、真面目な息子だから、書いてあることすべてに注意しなきゃいけないんだったら、観光しても面白くなさそうだし、というんだよ」
私:「なるほどー。でも、それはね、ある意味において正しい選択だな」
Aさん:「えっ!そうなの?引っ込み思案な息子が珍しく冒険したいと言い出したのだから、いろいろ経験した方が良いんじゃないのか?俺は、息子には社会に出る前に根性をつけさせたいんだ!相談してるんだから、真面目に答えてくれよ!」
私:「まあ、今から言うことを落ち着いて聞いてよ」

という成り行きで、友人の息子さんの旅行について、次のような助言をしたのです。

危険情報の読み方

まず当たり前のことですが、「海外安全に関する情報」に記述されているすべての事柄が、同じ場所で、同時に発生する可能性は、ほぼ「ゼロ」に近いということを理解すべきです。
犯罪・テロ・誘拐・事故・暴動・紛争・自然災害・感染症などは、発生しやすい「場所」と「時間帯(時期)」があります。渡航先の危険情報と旅程とを見比べて、「場所」と「時間」を意識しながら「危なそうな事柄」を読み解いていけば、頭の中を整理しやすいと思います。

予防対策の原則

「危なそうな事柄」が具体的に分かったら、次にそこから「遠ざかること」、そして「どうやって遠ざかるか?」を考えることが予防対策の面からも重要です。

単に、「危なそうな事柄」から「距離」を置くか、「より安全な時間(時期)」を選べばいいのです。これは、すべての脅威に対して有効に機能する考え方で、被害に遭う確率を劇的に低減することができます。
外務省や海外危機管理専門家などの「対策助言」は、ほぼ例外なく、この原則に沿っています。予防対策を読むときには、「距離」・「時間(時期)」を意識すると非常に理解しやすいのです。
しかし、どうしても「距離」を置いたり「時間」を選んだりできない場合には、どうすればいいでしょうか?

距離を置く

  • 犯罪発生率の高い地域には、接近しない。
  • 紛争発生地域には、接近しない。
  • 宗教的建造物、政府・治安関連施設、人が大勢集まる場所などには、接近しない。
  • 不審な荷物には、接近しない。
  • デモ、政治集会には、接近しない。
  • 野犬や野生動物には、接近しない(狂犬病など)。

時間(時期)を選ぶ

  • 夜間の外出は控える。
  • 選挙期間中、渡航を控える。
  • 政治情勢、外交情勢が不安定なので、当面の間、渡航を控える。
  • テロ発生直後、イスラム教宗教行事期間中、外務省のテロ危険情報発出時には、不要・不急の渡航を控える。

「行動」によって遠ざかる

業務都合などで、やむを得ず「危なそうな場所」に、「時間(時期)」を選ぶことができないまま接近しなければならないことは、多々あるものです。また、空港、宿泊施設、レストランなどは避けることができませんし、旅行では観光地に行かないと意味がありません。そういう場合には「行動」によって、可能な限り危険から遠ざかる工夫が必要です。
行動とは、「振る舞い」と言い換えると理解しやすいかもしれません。渡航先の治安情勢、政治情勢、現地の社会風土・文化、気候、衛生状態などに応じて適切な「振る舞い」をすることによって、被害に遭う確率を大きく低減させることが可能です。
専門的には、奥深い理論があるようですが、予防行動は「目立たない」「行動を予知されない」「用心を怠らない」という、たった3つの原則に基づいています。そのような観点で対策情報を読めば、非常に理解しやすいのです。

目立たない

  • 華美な服装、貴金属品を身につけない。
  • 支払いをするときなどに、周囲に大金を見られないようにする。
  • 宗教的、政治的な話題や議論は避ける。
  • 容易に、宿泊先・住所・勤務先・役職などを知らせない。

行動を予知されない

  • 通勤など、パターン化した行動をしない。
  • 行動スケジュールを開示しない。

用心を怠らない

  • 外出時は、単独行動をしない。
  • 荷物を体から離さない。
  • 空港、政府/軍関連施設、宗教的建造物、人が大勢集まる場所にやむを得ず接近する場合には、テロを警戒し、滞在時間を可能な限り短くする。
  • 見知らぬ人物を、容易に信用しない。
  • ホテルでは、必ず非常口を確認しドアロック・チェーンをかける。
  • 生水は飲まない、生野菜やよく調理されていない物は食べない。
  • レストランなどでは、退避しやすい席を選ぶ。

「予防」は三段構え

Aさん:「なんだ、簡単な理屈じゃないか」
私:「そうだよ。予防の基本は、
(1)危険情報を入手
(2)「距離」を置く、「時間(時期)」を選ぶ
(3)「行動」を工夫する
という単純な三段構えで、被害に遭う確率を低減することなんだよ。
一度、説明して理解してもらえたら、あとは自分で調べてできることが多いからね。それに、なるべく簡単に理解して記憶しとかないと、現地で対応マニュアルを読んでいる暇なんてないからな」
Aさん:「よく分かった!ありがとう!すまないが、もう一度、同じことを息子に説明してやってくれないかな?」
私:「ひょっとしたら、君は海外には行かないほうがいいかも知れないな」

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※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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