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専門家コラム:お伽の国、日本からの旅立ち

第3回 海外では、健康第一

海外では食べ物に気を付けよう

私は前職で、工場立ち上げのためメキシコへ派遣された経験があります。メキシコといってもアメリカとの国境沿いの工業団地で、あまり治安が良くないため住まいは国境を越えたアメリカ側でした。

当時、私は32歳で海外での仕事の経験は無く、ほかの3人の同僚も海外未経験者でした。

着任して間もないある日の朝、製造部長のNさんが出社していないことに気が付きました。家族を帯同する前だったので、Nさんは自宅で独りきりのはずでした。

心配になった私は、Nさんに電話しました。
N:「メキシコ側の食べ物にあたったらしい。下痢と発熱で2~3日仕事は無理だ」

私たち駐在員は、赴任前に「きちんと調理されていない料理や、生野菜・氷の入った飲み物(水の出所が怪しい)は、絶対に避けるように」と会社から注意を受けていました。しかし、上記のような食べ物が多いメキシコ側で食事をすることが多かったので、常に食あたりのリスクに晒されていました。

歩けないほどの重症

 私:「今から行きますからね。何か必要な物はありますか?」
N:「桃缶が食べたい。僕の家の近所にガソリンスタンドがあるだろ?そこのコンビニに売っているから買ってきてくれないか」
私:「分かりました。すぐに行きますね」

これは重症だなと直感しました。なぜなら、そのガソリンスタンドはNさんの自宅から歩いて5分もかからない場所なのに、自力では行けない状態だったからです。

私は混雑した国境を急いでアメリカ側に戻り、目的の桃缶を3つ買ってNさんの自宅に行きました。

どこの病院に行けばいいの?

ドアを開けて私を招きいれたNさんは、ふらふらとリビングの床に座り込み、桃缶を一気に平らげると、ぽつりと言いました。

「子どものとき熱をだすとね、よく母が桃缶を買ってきて食べさせてくれたんだよ」

気力も体力も相当弱っていると察した私は、Nさんに病院に行くことを強く勧めましたが、「どこの病院に行って良いか分からないし、英語で説明するのが面倒だ。もう峠は越えたから心配するな」と言って、ふらふらと寝室に戻ってしまいました。

そのとき私は、現地の医療機関の仕組みや、どこにどういう病院があるのか全く知らずにいたことに気が付き愕然としました。
私たち駐在員は、病気になっても自分で病院に行けない状態だったのです。

渡航先の医療事情を把握しておこう

世界の国々で、日本ほど簡単に病院に行くことができて親切に診てもらえる国はありません。健康管理の面でも、私たちは「お伽の国」の住人なのです。
海外では「健康には自信があるから大丈夫」と過信してはいけません。「必ず病気になる」ことを前提に、現地特有の感染症・病気の情報を入手し、適切な予防対策と病気になってしまったときの準備をしておくことが重要です。

当然のことですが、海外の病院のほとんどは「日本語」が通じません。国によっては、「英語」すら通じない場合もあります。病状説明の単語などが列記された冊子などを携行しておくと、病院に行ったときに指さしで医師と対話できるので便利です。

医療水準の低い国々では、救急車を呼んでもすぐに来なかったり、衛生環境の劣悪な病院に搬送され十分な治療を受けることができなかったりと、リスクがあります。
また、海外には「治療費支払いを保証する証拠」を提示できない患者を受け付けない病院があり、その場合は現金・クレジットカード・海外旅行保険の証書などで支払い能力があるという証明が必要です。

渡航前に現地の医療機関の対応状況を調べて対策を準備していないと、命にかかわる事態になりかねないのです。

心身ともに健康でいることが大事!

多くの日本企業の海外事業所では、業務の現地化に苦労していて、駐在員がすべてを取り仕切っている場合が多いのが現実です。また、出張者が重要な技術支援・現場指導・商談などを一手に引き受けていることもあります。

そのため、駐在員や出張者が病気で業務から離脱すると、業務の混乱や大きな機会損失につながりかねません。

企業にとって駐在員や出張者の健康管理は、安全配慮義務の遂行だけでなく、海外事業継続のために必要不可欠です。まさに「健康管理は、経営管理」ですから、海外の健康管理にかかる費用は、必要経費と捉えるべきといえます。

海外ではなんといっても、心身ともに健康な状態を維持することが最優先事項です。

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※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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