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株式会社 日立システムズ

専門家コラム:お伽の国、日本からの旅立ち

第17回 屋台から病院へ

やっかいな海外駐在員

10年ほど前になりますが、企業の海外人事を担当している友人A氏が、私にこんな愚痴を言ったのを、よく覚えています。

A氏:「山本さんの会社では、海外駐在員が食中毒になったとか、そういう事例ってありますか?」
私 :「事例というよりも、私自身が経験しましたよ。メキシコ工場で働いていたときは、よく食中毒になってましたよ。場合によっては酷い下痢・腹痛・発熱の症状が出て、のたうち回ることが年1-2回はありましたね。現地の生活に慣れてくるに従って、どういう店で食事をするのが危険なのか分かってくるんですけどね。危ない店では食事しないようにしていました」
A氏:「そうですか、東南アジアにやっかいな駐在員がいましてね。困っているのです」
私 :「ほー。それは、どんな人なんですか?」
A氏:「一言で言えば、冒険好きなんです」

A氏は、冒険好きの駐在員について、詳しく語ってくれました。

危険な屋台

A氏によると、その冒険好きの駐在員は深刻な食中毒で2週間の入院を余儀なくされたというのです。
その駐在員は、会社の帰りに「屋台」で食事をするのが好きで、あちこちの屋台で食事していたのです。同僚の駐在員は、食中毒の危険があるから屋台での食事をやめるように、いつも注意をしていたそうです。
しかし、その駐在員は「だいじょーぶ!だいじょーぶ!屋台で現地の人と交流するのは、楽しいですわ!海外生活では、冒険しないと現地のことは分かりませんから!」と言って、取り合わなかったそうです。そして、どんどんエスカレートしていき、衛生状態の良くない地域の屋台でも、平気で食事するようになっていったそうです。

ある日のこと、彼は後輩の駐在員たちを夕食に誘いました。以前から目をつけていた屋台を提案したら、「あの辺の屋台は衛生管理が行き届いていないようですから、止めた方がいいですよ。お願いですから、もう屋台で食べるのは止めてください。折角ですが、私たちは行きません」と、後輩たちに断られたのです。
彼は、「だいじょーぶだよ。みんな平気な顔して食ってるし、俺は今まで食中毒になったことなんて、一回もないよ。君たちは気にし過ぎなんだよ」と言って、独りで問題の屋台に行ったそうです。

翌日、彼は食中毒を発症して病院に担ぎ込まれ、集中治療を受ける羽目になってしまいました。本人曰く「命の危険を感じた」と深く反省し、以降、決して屋台で食事しなくなったそうです。

なぜ、食べちゃうの?

途上国へ渡航する場合、「よく調理されていない料理、生水、生野菜は口に入れない。衛生管理の良くない屋台などでは食事しない」というのは常識であるにも関わらず、どうして食べてしまう人が多いのでしょうか?

私たちは「危ない」と言われても、「現地の人たちが平気な顔して食べている」のを見ると、「大丈夫だ」と判断してしまいがちです。
また、「以前、大丈夫だった」という経験から、根拠の希薄な「安全神話」を創り上げてしまうのです。

食中毒のリスクが高い途上国では、「現地の人たちが平気な顔しているから」ということが、「食中毒にはかからない」という絶対的な根拠にはなりません。
また、「今まで、どこで食べても大丈夫だった」という経験も個人の経験は限定的で、「今回も安全だ」という保証にはなりません。

WHOの発表

2015年、WHO(世界保健機構)は、次のような発表をしています。

  1. 世界で、年間約42万人が食中毒で死亡している。
  2. そのうち、約12万5千人が、5歳未満の子どもである。
  3. 特に、アフリカ地域・東南アジア地域が深刻な状況にある。

冒険好きの駐在員が「平気な顔して食べている」と勝手に思い込んでいた現地の人たちは、実は常に食中毒のリスクに晒されていて、日本より死亡する確率が高いのです。

本当の冒険家とは、現地の情勢を把握してトラブルに巻き込まれないように準備し、自分自身の「目的」を達成して「安全」に帰国する人のことを言うのです。漠然としたイメージで行動すると命を落とすことすらありますから、とても危険です。
「外務省海外安全ホームページ」や「たびレジ」では、渡航先のリスクを把握するための、非常に有益な情報を無料で提供しています。海外渡航前には、必ず一読することを強くお勧めいたします。

海外渡航する際には、「事実」に基づいた情報で判断し、適切な予防行動をとることが、「自分の身は、自分で守る」ことにつながると言えるでしょう。

注)「たびレジ」:
外務省が運営するホームページで提供されている、海外の緊急時情報提供を受けることができる海外旅行登録システムです。

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※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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