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専門家コラム:お伽の国、日本からの旅立ち

第5回 テロとは、何か?

テロは日常生活の中で起こる

現在、世界のさまざまな国で「テロ」事件が発生しています。多くの人々がテロの犠牲になっていることをメディアがセンセーショナルに取り上げ、皆さんも、強い不安を感じているのではないでしょうか。

報道は、テロの恐怖、理不尽な主張、被害者遺族の悲しみといった情景を映し出していますが、テロリスクが低いと言われている日本にいる私たちは、テロを身近なものと感じていません。
日本は平和だと思っているかもしれませんが、過去には凄惨なテロ事件がいくつか発生しています。しかし、私たちの多くは時間の経過と共にテロの恐怖を忘れ、「お伽の国の住人」に戻ってしまいました。

海外に渡航する際、今も世界のどこかでテロが計画、実行され、平穏な日常生活を送る無実の人々が犠牲になっているという重い現実があることを、必ず心に留めておかなくてはなりません。

テロの実像

テロリストとは、どういう人たちなのでしょうか?

私たちは、特定の宗教やイデオロギーに心酔した残忍な人間だという、なんとなくのイメージを持っています。
しかし、彼らの多くは決して無知蒙昧な狂信者ではなく、高度な軍事訓練(銃、爆発物の取り扱い方、戦闘訓練)を受け、実戦の知識、技術、経験を持った戦闘員であるということを知っておかなければなりません。

テロ組織は国家の正規軍と全面衝突するには、勢力範囲が限定的で規模も小さいため、歯が立ちません。そのため、テロという「最小限の犠牲で最大の効果」を得ることができる「小規模な軍事行動」を戦術として採用しているのです。
テロは、大勢の無実の人々を巻き添えに恐怖を拡散し、敵対勢力(敵対国)に心理的打撃と企業活動の停滞などの経済的打撃を与えることによって、闘争を有利に導き、組織の主張を認めさせたり、理想の社会を実現したりする目的で実行されると言われています。

テロとの闘いは情報戦

テロリストは敵対国に潜入すると、ターゲットを慎重に調査すると言われています。

主要各国の治安機関は、テロリストの潜入、テロ準備活動、ターゲット調査活動などを捕捉する努力をしています。
国家にとっての「テロとの闘い」の実態は、テロ計画の存在を早期に捕捉できるか、すり抜けられてしまうかの激しい情報戦だと言えるでしょう。
各国の治安機関は、テロリストの摘発に一定の効果を上げていると言われていますが、すべての計画を阻止できたわけではありません。

また、近年、テロ組織指導者のインターネットや機関誌などを通じた呼びかけに扇動された、ローンウルフ(組織に属さない心情的支持者・狂信者)が、単独で実行するテロも増加傾向にあります。
このタイプのテロは、戦闘員を潜入させる必要がないため捕捉され難く、普段は普通の市民として生活している個人が犯行におよぶため、事実上、阻止することが困難だと言われています。

このように、テロ組織は敵対国の警戒が高度化していくに従い、巧みに戦術を変えて人々に「新たな恐怖」を与えようとしているのです。
それは、「テロリストは外部から侵入するだけでなく、社会の内部に既に存在していて、すべてを捕捉、摘発することは困難である」という恐怖だと言えます。

民間人の「テロとの闘い」とは?

訓練された戦闘員、死を覚悟した自爆要員、武装したローンウルフなどが、自らの命を犠牲にすることを前提に飛び込んできたら、ちゅうちょなく銃撃や爆破を行うため、民間人の私たちには「力」で抵抗し阻止することなど、できません。

私たちにできるのは、「テロの現場を回避」することだけです。そのためには、「回避すべきリスクとは何か」を知っておく必要があります。

テロリストのターゲット選定、実行のタイミングには、次のような傾向があると言われています。

  1. 「どこを(何を・誰を)、いつ狙うか」が、敵対勢力(敵対国)に強いメッセージを与える効果を左右するため、政府機関、象徴的な建造物、宗教的イベント、国家的イベント、政治的集会などの、世界中の注目を集める場所、時期を選びます。
  2. より多くの死傷者が出るほど、より強い恐怖感を人々に与える効果があるため、人が大勢集まる場所、時期、時間を選びます。
  3. 作戦の成功率を上げるために、より警戒が緩やかなソフトターゲットを選びます。

    報道や大使館の注意喚起などの情報へ敏感に反応し、上記の傾向を念頭に置いた回避行動を心がけ、テロ被害に遭う可能性を限りなく「ゼロ」に近づける日々の努力が、私たち民間人の「テロとの闘い」なのです。

    しかし、どんなに注意していても、テロに巻き込まれる可能性は完全には排除できません。
    万が一、海外でテロに遭遇したときのために、外務省海外安全ホームページで有益な「海外安全パンフレット」が紹介されていますので、渡航前に一読することを強くお勧めします。

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    ※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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