ページの本文へ

Hitachi
お問い合わせお問い合わせ
導入事例

SAP S/4HANAマイグレーションサービス

シンフォニアテクノロジー株式会社様

シンフォニアテクノロジー株式会社様集合写真

SAPのアップデートおよびクラウド移行によって業務効率が大幅に向上。
クライアントコピー時間が約1/5にまで短縮されました。

東京都に本社を置き、愛知県豊橋市と三重県伊勢市、鳥羽市にそれぞれ製造拠点を構えています。

電気制御技術をコアに半導体搬送装置から宇宙ロケット用の電装品、試験装置、振動搬送機器、小型モータや電磁クラッチ/ブレーキなど、産業界や社会インフラを支える製品の製造・販売を行うシンフォニアテクノロジー様は、企業全体で利用する基幹システムであるSAP ECC 6.0を最新バージョンのSAP S/4HANAへアップデートし、同時にクラウド基盤への移行も行うという大規模プロジェクトを実施。2023年7月の計画開始から約1年という短期間での移行において、日立システムズは豊富な経験と高いスキルを持つSAP技術者によるサポートを提供することでプロジェクトの円滑な進行に大きく貢献。シンフォニアテクノロジー様の生産効率の向上と経営体制の改革を支援しました。

シンフォニアテクノロジー株式会社様
SAP S/4HANA 移行プロジェクト概要

サポート終了に伴いS/4HANAへの移行を実施
クラウド基盤の構築で未来のビジネスを創造

シンフォニアテクノロジー様は、2024年に旧基幹システム「SAP ECC 6.0」の減価償却が完了するタイミングを見据えて、SAP S/4HANAへの移行プロジェクトを発足。基幹システムという大きなシステムの移行に踏み切った背景には、2027年に予定されているSAP ECC 6.0のサポート終了への対応が求められていたことに加え、旧システムが抱える処理能力やデータ容量の不足といった課題を解決するといった狙いも。

また、本プロジェクトの目的は、単なるシステム更新だけでなく、高い拡張性と柔軟性に富んだクラウドへの移行によって新たなDX基盤の構築するという点にもあります。将来的にはデータレイクや情報分析の活用を通じて、あらたな事業展開や経営分析、業務効率化への貢献が期待されています。

そうした社内DXの第1ステップとして位置付けられて実施されたのが、2023年7月〜2024年8月に行われたSAP S/4HANAへの移行とクラウド基盤の導入です。このプロジェクトは、計画、設計開発、テスト移行といった3つの大きなフェーズに分かれており、最初の計画フェーズ(2023年7月〜10月)では、サンドボックス環境の構築や影響範囲の調査を実施。次の設計開発フェーズ(2023年11月〜2024年3月)では、S/4HANA環境での検証やプログラム修正が進められると同時に、シンフォニアテクノロジー様による周辺システムの移行準備も並行して実施。最後のテスト移行フェーズ(2024年4月〜8月)では、総合テストや最終確認が念入りに行われ、夏季休暇中に切り替えが無事完了。システムの入れ替えはもちろん、それに伴って発生し得る業務への支障を最小限に抑えるというミッションを成功に導くことができました。

周到な事前計画と工夫が生んだスムーズな移行
事業への影響を最小化し、運用の安定性を確保

短期間で旧システムからS/4HANAへの移行が実現できた背景に、シンフォニアテクノロジー様の工夫と周到な事前準備、そしてSAPの導入や移行に関する豊富な知見と実績を持つ日立システムズの開発・サポート体制が挙げられます。

旧システム構築時に業務が混乱してしまった苦い経験を持つシンフォニアテクノロジー様は、本プロジェクトにおいて「大きく変わらない」、「業務に支障を出さない」ことを最重視して、SAP ECC6.0からS/4HANAへのストレートコンバージョンを選択。

さらに、業務への影響を最小限に抑えるため、夏季休業中に移行作業を実施するといった対策、そして周辺システムの移行など、一部の作業を事前に済ませておくといった工夫も織り込まれました。また、どんな些細なことでも利用部署と情報を共有し、社内で周知を徹底した結果、システムの移行はもちろん運用面についてもスムーズな移行を実現しました。

本プロジェクトの完遂によって、従来は3時間ほど要していた夜間処理が1時間程度に短縮され、さらに1日半も要していた検証機と本番機の入れ替え作業も5〜6時間に短縮されるなど大きな成果を発揮。データベースの読み込み方式をS/4HANAに最適化するといった日立システムズの対応も相まってシステムの処理能力やデータ容量に起因する課題の克服に寄与しました。

今後は、データレイクや分析基盤の構築を進めることで、経営状況の可視化や課題発見、業務効率化をさらに推進することが期待されています。本プロジェクトは、DX推進に向けた重要な第一歩であり、将来に向けた基盤づくりとして大きな意義を持つ取り組みとなりました

シンフォニアテクノロジー株式会社様
「SAP S/4HANA移行」プロジェクト進行イメージ

シンフォニアテクノロジー様におけるSAP移行と今後の展望

2027年に迫ったSAP ECC6.0サポート終了への対応、そして企業全体のDX化を推進するため、Step1からStep3のフェーズを設定。2023年から2024年にかけてStep1として設定した既存のSAP ERPをECC6.0からS/4HANAへのコンバージョンを実施。拡張性・柔軟性のある基盤へ早期に移行し、Step2以降の検討・実現を早期に実行できるようストレートコンバージョンとAWSを活用したクラウド基盤への移行も実施。工場DXの推進とDX基盤とデータ連携を強化し、データ分析基盤による経営戦略の立案支援や業務課題の早期発見、業務効率化が実現できます。

S/4HANA検証環境、本番環境の移行の流れ

SIC:Simplification Item Check の略。 コンバージョンに必須な対応事項をチェックする処理。
ATC:ABAP Test Cockpit の略。 アドオンの構文チェックを行う処理。
SUM:Software Update Manager の略。新バージョン(S/4のリポジトリを生成する処理やデータを変換する処理)

  • ※SAP、SAP S4/HANAは、ドイツおよびその他の国におけるSAP SEの登録商標または商標です。

お客さまインタビュー

劇的な変化ではなく、これまでの業務をもっと効率的かつ快適に
縁の下から業務を支えるDX基盤の移行がその原動力となる

── S/4HANAアップデートに至った経緯

データ量の増大に伴い、SAP ECC6.0を採用した旧システムの処理能力やデータ容量の不足によって夜間バッチ処理の遅延や日中のシステムレスポンスの低下といった問題を抱えていました。また、旧システムのハード面における減価償却が完了したことやサポート終了が近づいていたため、より高性能なSAP S/4HANAへの移行と、同時にクラウド環境への移行も決断しました。
本プロジェクトは、DX推進に向けたIT基盤の強化を目的としており、その最初のステップとして高性能で継続性のあるS/4HANAへの移行により周辺システムとのデータ連携を強化し、SAPデータをリアルタイムに活用することで、業務効率化を促進することをめざしています。

── アップデートに伴う効果

旧システムでは、夜間バッチ処理に約3時間かかり、日中の業務でもデータ遅延が課題とされていましたが、S/4HANAへの移行により夜間処理時間が約1/3に短縮され、約1時間にまで短縮。日中のデータ処理もスムーズになり、業務効率の大幅な向上を実感しています。また、開発環境のクライアントコピー時間も、従来の約1日半から5〜6時間に短縮され、開発効率も向上しました。ハード面はもちろん、高性能なS/4HANAへの移行という要因もありましたが、レスポンスの遅いトランザクションの読み込み方法をS/4HANA用に最適化してもらえたこともデータ遅延の発生という課題の克服につながったと考えています。

── 本プロジェクトで工夫した点、苦労された点

前回のホストコンピュータからSAPへの移行時には業務に大きな支障が生じたため、今回のS/4HANAへのコンバージョンでは「基本的な部分が大きく変わらない」ことを目標にし、業務の継続性を最優先に考えました。そのため、夏季休業期間中に一括移行を実施し、移行に伴うシステム変更点は、どんな些細なことでも部門ごとにまとめた資料を事前に配布して従業員の理解を深めることに努めました。また、データベースの調整など周辺システムとの連携作業も並行して行いましたが、その作業量が大きかったため、事前に一部作業を進めることで移行期間中の負荷を軽減し、スケジュール通りのシステム移行につなげられました。

── 短期間でプロジェクトを成功に導けた要因

本プロジェクトは、日立システムズとSAPのコンバージョンに関する豊富な知見と実績を持つコンサル社と共同で進めました。「ストレートコンバージョン」を採用したことによって、業務への影響を最小限に抑えながら、短期間での移行を成功させることができたと考えています。また、移行プロセス中に生じた疑問や課題への対応についても、日立システムズの迅速なレスポンスが頼もしく安心してお任せできました。基本的にはリモートやメールでの対応が中心でしたが、大きな課題や問題が発生した際には、直接訪問いただき対面で話し合いながら課題に挑めたことで、非常に大きな安心感が得られました。

── 今後の展望

S/4HANAへの更新は、将来のデータ基盤整備と活用を見据えた社内DX化の第1ステップとして位置付けています。しかし、SAP自体は各社で導入されているため、差別化の鍵はその活用方法にあると考えています。そこで、第2ステップでは、あらゆる企業データを統合し、BIツールや生成AIと連携して、誰もが簡単にリアルタイムでデータを活用できる仕組みの整備をめざしています。その一環として、データレイクと分析基盤を構築し、経営状況の迅速な可視化や分析を実現、経営戦略の支援や業務課題の早期発見、業務効率化の推進に向けた取り組みを進めています。

お客さまプロフィール

シンフォニアテクノロジー株式会社ロゴ

シンフォニアテクノロジー株式会社

設立1949年8月(昭和24年)
資本金101億5,696万円(2024年3月末現在)
従業員数1,965人(2024年3月末現在)
代表者平野 新一
事業内容半導体ウェーハ搬送装置、宇宙用電装品や宇宙ロケット用アクチュエータ、航空機用電装品、車載用モータや試験装置、各種産業用モータや制御装置、搬送機など、多岐にわたる製品の開発・製造・販売を行う。
URLhttps://www.sinfo-t.jp/

担当より一言

このたびは、SAP ECC6.0からS/4HANAへのストレートコンバージョンに際し、日立システムズをお選びいただき、誠にありがとうございました。

本プロジェクトでは、シンフォニアテクノロジー様の「業務の継続性を最優先に」というご要望に応えるため、基幹システムの変更による影響を最小限に抑える「ストレートコンバージョン」を採用しました。また、事前のデータ移行準備を万全に行っていただいたことで、計画通りのスケジュールでスムーズに進行でき、業務を止めることなく移行を成功させることができました。日立システムズの豊富な経験とノウハウを最大限に活かし、高品質なシステム移行に貢献できたことを大変嬉しく思います。

今後もシンフォニアテクノロジー様のDX推進を支える信頼できるパートナーとして、引き続きサポートを行ってまいります。

今回の取材にご協力いただいたお客さま

ご協力ありがとうございました。
*本内容は2025年1月時点の情報です。

本事例に記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

  • ※本カタログに記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の登録商標、または商標です。

ご質問・ご相談に関しては
こちらからお問い合わせください。

0120-346-401※9:00~17:00(土・日・祝は除く)

フォームでのお問い合わせ

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。