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SAPソリューション 海外導入支援サービス

オプテックス株式会社様

株式会社 三技協様集合写真

5年間におよぶSAP S/4HANA グローバル導入プロジェクトを無事完遂
8か国16事業所でシングルインスタンスを実現し、さらなる事業成長をめざす

オプテックス様の世界12か国の拠点のうち、8か国16事業所※でSAP S/4HANAが稼働しています。
※2023年11月時点

センサーメーカーとして、グローバルニッチNo.1の製品やサービスを数多く提供するオプテックス株式会社様(以下、オプテックス様)は、グローバル統一の基幹業務システムとして、SAP S/4HANAを導入しました。グループ全体の経営基盤・業務基盤をSAPにより共通化することで、経営管理および業務プロセスをグローバルで統一し、経営の見える化や業務プロセス改革の実現をめざしていきます。
日立システムズはこれまで培ってきた豊富なSAPの海外導入経験を生かし、5年間におよぶ長期間かつ大規模なSAP導入プロジェクトの完遂に大きく貢献しました。

オプテックス様
「SAP S/4HANA グローバル導入プロジェクト」 概要

5年間におよぶ綿密な導入計画を立案
安全・確実なSAPのグローバル導入をめざす

オプテックス様は国内3社、海外14社の子会社を展開するグローバル企業です(2023年11月時点)。創業以来44年間の黒字経営を続けるなど順調に成長してきましたが、各社が独自の基幹システムを利用していたため業務プロセスはバラバラ。海外出荷業務やグローバル連結の経営指標作成などで多くの非効率が発生していました。

リーマンショックを機に業務改革の必要性を感じたオプテックス様は、2010年から海外子会社にSAP Business Oneを導入し、業務効率化の取り組みを始めます。しかし、表計算ソフトや手作業によるオペレーションは一部残り、改革は道半ばの状態でした。2017年、オプテックスグループのホールディングス化をきっかけに業務改革をさらに推し進めることにしたオプテックス様は、自社傘下にあるグループ会社統一の基幹業務システムとして、SAPS/4HANAの導入を決定しました。

導入プロジェクトは、10か国13事業所(プロジェクト開始当初の導入計画)にSAP S/4HANAを導入するという大規模なものでした。日立システムズはオプテックス様の「安全・確実に導入を進めたい」というニーズに応え、5年間におよぶ綿密な導入計画を立案。計画が長期におよぶため、最初のステップで日本本社にFI (財務会計)・CO(管理会計)モジュールを導入し、グループ連結の経営情報可視化を行うなど、システム導入のメリットが早期に実現する工夫を行いました。

海外子会社への導入では、日立システムズのSAP技術者が現地に渡り作業を行いました。プロジェクトの途中、新型コロナウイルスの流行により海外渡航ができない事態が発生したため、その間にSAPにあわせて業務プロセスを見直すFit to Standardの取り組みをグローバル全体で進めるなど、柔軟な計画変更を行いました。導入プロジェクトはその後順調に進捗し、2023年11月時点で8か国16事業所でSAP S/4HANAが稼働しています。

グローバル統一の経営基盤・業務基盤が完成
経営から現場までさまざまな導入効果が実現

オプテックス様が解決をめざした4つの課題 ── ①経営指標の可視化、②グローバル標準化・共通化、③間接業務の合理化・効率化、④変化に柔軟な共通基盤 ── は、SAP S/4HANAの導入により着実に解決へと向かっています。

代表取締役社長は、 SAP S/4HANA導入前後でグループ連結売上高が約16%増加(2017年末:203億円→2022年末:235億円)しているにもかかわらず、間接業務部門の人員増加を抑制できている点を高く評価しています。また、業務効率化により社員の皆さまに新たな時間が生まれたことで、サプライチェーン改革やECサイト開設などの業務改善が進展していることにも満足されています。

海外出荷業務や在庫管理を担当する事業推進本部 SCM課の課長は、SAP S/4HANA導入により、倉庫にある実在庫だけでなく、移送中の積送在庫に対しても受注を割り当てられるようになった点を評価しています。さらに、想定外の効果としては、海外の間接業務部門とのコミュニケーション活性化を挙げています。これまで事業所間の交流はフロント営業が中心でしたが、SAPという共通言語が生まれたことで、間接業務部門間での課題共有や業務分担などの交流が活発になりました。「間接業務担当者のオーナーシップを高められたことは非常によかったです」とSAPの導入効果を話します。

オプテックス様は今後、さらなる業務のデジタル化・標準化・効率化を推進するのと同時に、SAP Analytics Cloudを用いた経営指標のモニタリング、特に、グループ企業各社のKPI達成状況の可視化をめざしていく計画です。グローバル全体における経営の見える化や業務プロセス改革に引き続き取り組むことで、力強い事業成長を実現していきます。

オプテックス様 「SAP S/4HANA グローバル導入プロジェクト」 ここがPOINT!

5年間・5ステップにおよぶプロジェクト計画を立案し、SAPのグローバル導入を実現

プロジェクトのSTEP1・2でオプテックス本社へのFI (財務会計)・CO(管理会計)・SD(販売管理)・MM(購買管理)モジュールの導入を行い、SAPの稼働をスタートしました。並行してグローバルテンプレートの開発を行い、2020年からは海外子会社へのSAP導入を順次進めました。新型コロナウイルスの流行により若干の計画変更が発生しましたが、当初の予定どおり2023年度後半からグループ全体でSAPを利用するシングルインスタンスが実現しました。

SAP S/4HANAの導入により、経営から現場まで4つの課題を解決

課題1 経営指標の可視化

SAP Analytics Cloud により経営指標のリアルタイム把握が可能に

これまでグローバル全体の売上推移(注残情報を含む)を把握するには、月1回のレポートを待つ必要がありました。現在はSAP Analytics Cloudにより売上推移をリアルタイムで把握できるようになり、迅速な経営意思決定が可能になりました。

グローバル全体の売上推移レポート更新頻度

課題2 グローバル標準化・共通化

勘定科目、マスタ、コード体系の統一によりより高度なグローバル連結経営管理が実現

SAP導入にともない、グループ全体の会計業務・ルールや、マスタ情報、製品コードなどのコード体系を統一しました。これにより、さらに高度なグローバル連結の経営管理が実現しています。

SAP S/4HANA for central financeにより、グローバル連結の経営管理が強化されています

課題3 間接業務の合理化・効率化

海外出荷業務で年間1,250時間の工数を削減
間接業務部門1人当たり売上高は25%増加

グローバルでのロジスティクス連携により、海外出荷業務における手作業や二重入力がなくなり、年間1,250時間の工数削減が実現しました。間接業務担当者の増員を抑えることで、担当者1人当たりの生産性が向上しています。

グループ連結売上高と業務担当者の人数推移

※数値はオプテックス様調べ

課題4 変化に柔軟な共通基盤

シングルインスタンスの実現でM&Aや新会社設立時のサービスインがスムーズに

グループの経営基盤・業務基盤をSAPに統一することで、事業所の新設や統合がスピーディーに。シェアードサービス(子会社の業務支援・代行)の提供も可能になっています。

グループ統一の標準業務プロセスが確立し、事業所間の業務支援が可能になりました

お客さまインタビュー

5年におよぶ長いプロジェクトを完遂できたのは、「Fit to Standard」を合言葉に私たちの挑戦を支えてくれた日立システムズの熱心なサポートのおかげです。

── 導入パートナーに日立システムズを選んだ理由を教えてください。

国内および海外子会社へのSAP導入計画を詳細に示していただけたことが選定の決め手です。5年間というプロジェクト期間は当社からのリクエストです。短期間で一気に導入を進める方が効率的かもしれませんが、当社には複数事業所に並行してSAP導入を進めるリソースの余裕がありませんでした。そのあたりの事情を汲み取り、当社に寄り添った無理のない導入計画を立案してくれたことを高く評価しています。また、今回はSAPと周辺システムの連携を数多く行っていますが、連携方法の提案が他社に比べて具体的であったことも評価しました。

── 日立システムズの対応で印象に残っていることを教えてください。

当初描いた導入計画は新型コロナウイルスの流行で見直しを余儀なくされました。海外渡航ができず、海外子会社へのSAP導入が進められないという時、日立システムズは柔軟に計画変更をして、「この期間を利用してグローバルテンプレートの作り込みを進めましょう」と提案してくれました。早速、リモートで海外子会社の要件を取りまとめ、テンプレートに落とし込んでいった結果、いざ海外渡航が可能になった時に導入をスムーズに進めることができました。その他にも、イギリスの欧州連合離脱など想定外の出来事がありましたが、その度にしっかりとサポートしていただいたおかげで、当初とそれほど変わらぬスケジュールでプロジェクトを完遂できました。日立システムズの経験豊富なSAP技術者の方がサポートしてくださったので、その方からいろいろと学ぶことができたのも良かったです。

── 今回のプロジェクトが成功した要因を教えてください。

さまざまな要因がありますが、一つには海外子会社へのSAP導入に先駆けて、日本本社にFI( 財務会計)モジュールとCO(管理会計)モジュールを導入したことが挙げられます。ここでグローバルの会計ルール標準化を行ったことで、その後の作業がスムーズになりました。また、グループ連結の経営管理強化という導入効果を早期に実現したことで、プロジェクトに対する社内の士気を維持することができたと思います。

プロジェクト成功の最大の要因は、プロジェクトに関わる全員が、目的に対してブレない姿勢を持ち続けられたことだと思います。社員たちはこれまでのやり方に固執せず、意欲的に業務標準化を進めてくれましたし、日立システムズも「Fit to Standard」を合言葉に、私たちの挑戦を支えてくれました。私たちの業務改革はまだ始まったばかりです。これからも変わらぬサポートをお願いしたいと思います。

お客さまプロフィール

オプテックス株式会社ロゴ

オプテックス株式会社

設立2017年(※2017年より持株会社へ移行)
資本金3億5,000万円
従業員数約600名(2023年11月時点)
代表者代表取締役社長 上村 透
事業内容防犯、自動ドアなど特定用途向けセンサー、ソリューションの開発・製造・販売
URLhttps://www.optex.co.jp/


滋賀県のセンサーメーカー。グローバルニッチトップ企業100選に2回連続で選出されました。


世界シェア3割を有する自動ドアセンサー。IoTを活用した取り組みを拡大しています。


屋外用防犯センサーも世界シェア4割と世界トップクラスを誇ります。


新たな製品や事業の開発を加速させるべく、2022年に働き方改革にも着手しています。

担当より一言

オプテックス様の多大なご協力により、5年におよぶ大規模プロジェクトを完遂できました。

約5年にわたるSAP S/4HANA グローバル導入プロジェクトを完遂できたのは、お客さまの多大なご協力があったからこそだと考えております。あらためて、このプロジェクトに参画させていただいたことに厚く御礼申し上げます。オプテックス様のさらなる事業成長に貢献するため、これまで以上に積極的な提案・サポートをさせていただきます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

導入事例動画

オプテックス株式会社 事例動画

今回の取材にご協力いただいたお客さま

ご協力ありがとうございました。
*本内容は2023年12月時点の情報です。

本事例に記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

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