失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「システム企画」編
2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。
(企画4)
「自社の管理レベルのステップアップを目指すシステム企画」
システムを改善する背景には必ず業務プロセスの改善が伴います。より正しく、よりスピーディに業務を処理するためにはシステムも必須ですが、根幹にあるのは業務品質に対する目標の具体化です。この章では業務レベルの品質を上げるためにどのような方法があるか、解説していきます。
(2010/6/17)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫
前項の現状を踏まえ、A社の具体的改善のポイントを上述の管理レベルに照らして考えると以下のようになります。
このような改善を進めることで、受注・出荷業務の管理レベルを1年後に3.5とし、中期的には4レベルとするように目標設定をしました。
この例のように、各業務現場では、現在の業務方法が最良とまで言えなくとも、現在の環境条件で最善の方法で行っているという自負を誰しもが持っています。従って相当の上昇志向や大きな問題が無い限り、改善を図ろうとする意欲は生まれにくい環境にあります。
今回説明した管理レベルの概念を使ってレベルを評価することで、客観的な視点から業務を冷静に見直し・評価することができます。また、次のレベルに向かって、より具体的に目標設定することも可能となります。
システムを改善する計画の背景には必ず業務プロセスの改善が伴います。より正しく、よりスピーディに業務を処理するためには、システム的なツールは必須ですが、それよりも根幹にある、「業務品質をどのようなレベルに持っていくという目標が具体化されていること」が最も重要です。
システムの企画を行う際に是非「管理レベルを評価しステップアップする」という側面からも検討し、より良いシステム企画を立て、改善を進めていただきたいと考えています。
(次回につづく)
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