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「SaaS型サービスを使って企業の基幹情報の安全対策を考える」

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「SaaS・クラウドの実例紹介」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

基幹情報の安全対策

(実例3)
「SaaS型サービスを使って企業の基幹情報の安全対策を考える」
安全対策において「これで絶対大丈夫」ということはありません。
企業にとって「何があっても守るべき情報」とは何か?
従来の考えを根本から見直して、災害に対する安全対策も改善しましょう。
(2011/5/12)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

どのように危機から守れば良いか

(1)すぐにでも出来る危機管理

災害の危機からこれらの情報を守るためには、リスク分散として情報の管理場所とは別の場所に複製としてのバックアップ情報を保管しておくことです。これは従来から変わらぬ手法ですが今でも有効な手段です。
事業所が各地に複数存在する場合は、自事業所の情報を他の事業所を情報の保管先とすることでリスク分散することが出来ます。保管先の事業所は、企業にとって基本となる重要情報の管理を行うのですから、それなりのセキュリティ管理レベルとしておくことが必要です。
しかし中小企業にとっては、本社以外の出先事業所で重要情報を管理していくセキュリティレベルを維持することは難しい場合もあると思います。この場合には、安心できる別の保管場所(貸金庫等)に情報をCDやDVD等の媒体に書き込み保管しておく方法も考えられます。
大切なことは、「何があっても守るべき情報」は一箇所で保管せず、別の地方・地域を選んで複数個所で保管するということです。当たり前のことをしっかりと行うことが肝要です。

(2)クラウドセンターを保管先として活用する

これまでのコラムの中でクラウドについて説明してきました。クラウドセンターでは仮想のサーバー機とストレージ(記憶領域)を必要な量を使用することが出来ます。しかも各ユーザーに安定して信頼できるサービスを提供するために、クラウドセンターの地域分散や、預かった情報のバックアップを二重化するなどの安全対策を図り、センターのセキュリティ対策もトップクラスの信頼性を各社で競っています。データの安全性としては申し分ありません。
唯一問題があるとすればデータ回線が開通していないと、安全に保管されたデータにアクセスできないという点です。この対策として、これとは別に、すぐに使う情報は回線が回復しなくとも1台のパソコンがあれば参照できる外部媒体で保管しておくことで即応性を向上させることが出来ます。クラウドセンターの利用は従来の定期バックアップの災害時の危機回避策としては有効で、検討する価値は高いといえます。
各社の環境条件に合わせ、上記の方法を組み合わせることで即応性が高く安全性の高い情報の保全を検討してください。

クラウドセンターイメージ

“備えあれば憂いなし”

「備えあれば憂いなし」といわれていますが、想像をはるかに超える事態に対してはこの言葉も無力に聞こえてきます。安全対策はこれで絶対大丈夫ということはありません。大切なことはリスクがあると気付いたらそれに対する対策を考え出来ることから速やかに実行に移すことです。バックアップを定期的に取っているから安心という観念から一歩進めて、災害に対する安全対策も検討していきましょう。

(次回につづく)

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