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「SaaS型サービスを使って企業の基幹情報の安全対策を考える」

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「SaaS・クラウドの実例紹介」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

基幹情報の安全対策

(実例3)
「SaaS型サービスを使って企業の基幹情報の安全対策を考える」
安全対策において「これで絶対大丈夫」ということはありません。
企業にとって「何があっても守るべき情報」とは何か?
従来の考えを根本から見直して、災害に対する安全対策も改善しましょう。
(2011/5/12)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

何があっても守るべき情報とは

(1)第一は企業のコアコンピタンス情報を守ること

企業にとって事業活動を継続していく上で「何があっても守るべき情報」とは何でしょう。
伝統ある「うなぎ屋さん」では「秘伝のたれ」を家宝として何があっても守るものとしているそうです。これは「うなぎ屋さん」のコアコンピタンスが「秘伝のたれ」であるということと解釈できます。「秘伝のたれ」のレシピが情報として存在するとすれば、このレシピ情報こそが「何があっても守るべき情報」となります。
しかし、システムではこのような長年の積み重ねで培われた伝承物だけでは情報として完璧に管理することは出来ません。企業としては、熟練した技能を技術として体系化し、ドキュメントとして情報化することによって独自技術を生かした均質な商品をお客さまに継続して提供できるのです。
製造業においてはISOの取り組みとして行われている「作業標準書」が「秘伝のたれ」と同様に企業の根幹を成す情報であり、「何があっても守るべき情報」です。
また、流通業においては店舗の品揃えのレシピがこれに当ります。熟練者の伝承に頼るのではなく、このように情報化することで、場所や人に依存することから脱却し情報の危機管理対策も可能な状態となります。

(2)第二にはSCM(サプライチェーンマネジメント)を守ること

危機が発生したときにいち早く確保すべきことは、原材料や商品の供給ルートを確保し、お客さまの需要に対していつからどのように商品を供給できるかの計画を立てることです。いち早くお得意様に連絡し、出荷計画の調整をはかり、自社への供給先に対して自社の需要計画を明らかにして安定供給体制をとることが重要です。これによって自社のSCMを守り、再立上げすることが可能になります。
このためには、得意先・仕入先へ連絡を取るための基本情報(取引先マスタ情報)と契約情報(単価、支払い条件等のマスタ情報)が「何があっても守るべき情報」となります。

(3)第三には人事情報です

コアコンピタンスとなる技術とSCMを再構築する情報が保全されると、あと必要なことは事業活動を支える人です。加工する設備も必要ですが、品質を支える熟練した人材の確保が事業を進めていく上で必須のアイテムとなります。危機が発した際にはいち早く社員の安否確認が出来、修復に向けた体制を取れるように、日頃から連絡体制を整備し、緊急時の行動マニュアルを社員に徹底しておくことが重要です。
このために、日頃から社員の基本情報はもとより習得技術や熟練度も加味した人事情報を整備し「何があっても守るべき情報」に加えておくことが大切です。

資金情報も企業を支える重要な事項ですが、これに関しては取引している金融機関で手持ち資金以外は管理できます。危機管理について事前に取引金融機関と対策を打ち合わせておくと良いでしょう。
従って、上記の3点が従来の安全対策とは別に、危機管理対策として安全対策を講じるべき項目になります。

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