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(開発・導入)「マスタ設定・マスタ整備体制の重要性」

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座「システム計画~運用」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

マスタ設定・整備の重要性

(開発・導入2)
「マスタ設定・マスタ整備体制の重要性」
基幹システムを生かすも殺すも、実はマスタ次第。やっと作り上げたシステムも、データを入れて安定稼働するまでは、まだまだ油断できない。
(2009/12/9)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

B社社長の対策方針は成功したか?

緊急対策会議は休日返上で開催されました。
その結果、以下のような具体策が決定され実行されていきました。この会議以降は基幹システム導入・立上げの意識がプロジェクト内だけでなく、製造現場も巻き込み全社一丸となって進める意識が生まれました。その効果もあって、以降発生した運用上の問題点も速やかに解決して進めてられ、無事本稼動を迎えることができました。
実施した具体的対策とその結果は以下の通りです。

  • (1) 自社の品番コード体系の整理(顧客の品番コード+顧客イニシャル)
    自社コードは顧客の品番コードの上に顧客のイニシャルを2桁付加して作成することに決定しました。こうすることで現場担当者も従来の品番を簡単に見分けることができ、品番の切替による混乱を防止できるようになりました。また、顧客のイニシャルが付くことで、同じ品番であるために違う顧客の製品と勘違いするミスも防止できました。更に現行のEXCEL情報もうまく引き継げることとなり、作業もはかどりました。
    ただし、2桁の範囲で顧客イニシャルを付けるので顧客数の限界があります。これを回避するために主要顧客以外は自社品番を別途つけて運用することとしました。
  • (2) 「事務作業」と「判断・コントロール作業」の仕分け
    A氏の作業調整は、本人の意識も基幹システム立上げ優先にシフトし、関連部署の協力も受け、前向きに進むようになりました。周辺のリーダーは各自の毎日の仕事を「事務作業」と「判断・コントロール作業」に仕分けし、「事務作業」部分を臨時職員の増強で補う方法で時間を空け、A氏の現業業務を吸収することが可能となりました。ただし、A氏でなければ対応できない業務は残りますので、これについてはA氏の判断をあおいで、別リーダーが実作業を行うこととしました。

これらの対策の結果、3ヶ月遅れとなったものの、B社は無事基幹システムの本稼動を迎えることができました。

“この事例から学ぶこと”

新基幹システムを立ち上げるときには現業体制の中から、業務に詳しいキーマンを準備体制に加えることが必須の条件になります。しかし、一方で現業もキーマンを欠いては進まない状況を抱えているのが現実です。導入計画作成段階からこの点を十分に考慮し、基幹システム導入の山を乗り越える計画と対策の実施が成功への条件の一つであると言えます。
また、上記の例で対策実施以降に見られた「全社の協力体制」は、計画がスタートする段階から醸成していくような工夫をして、発生した問題を全社の知恵と工夫で乗り切る体制を立ち上げておくことも重要です。

(次回につづく)

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