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Specialists ~驚きと感動のサービスを支える人財~

データドリブン経営の実現を支援するデータ分析のスペシャリスト 阿部直大

AI=機械学習やデータビジュアライゼーションを通じて、企業におけるデータドリブン経営*の推進に大きく貢献する阿部直大。データ活用・データ分析をすべての企業、すべての人にとって当たり前のものにするための彼の活動を紹介します。

  • * データドリブン経営:データに基づいて意思決定や経営戦略の立案を行う経営手法のこと
  • * データビジュアライゼーション:図表やグラフなどのチャートを使い、データを視覚的にわかりやすく表現すること

プロフィール

阿部直大

産業・流通事業グループ 産業・流通情報サービス事業部 第四システム本部 第二システム部 第三グループ

2006年入社。研究開発本部にて流通業向けEDI(電子データ交換)サービスの開発に従事した後、経営企画本部にてデータ分析サービスの新事業の立ち上げに携わる。この時に今まで培ってきたデータ分析の経験・スキルを生かし、経営分析や売上・受注分析など、BIツールを活用したデータビジュアライゼーションのプロジェクトに複数携わり、大きな成果を上げる。2019年からは「DataRobot データ分析自動化サービス」の新事業の立ち上げに尽力し、AI=機械学習によるデータ活用・データ分析のスペシャリストとして活動を開始。2021年、日本では数少ないDataRobot社公認のCFDS(Customer Facing Data Scientist)認定を取得。データサイエンティスト/BIコンサルタントとして、企業のデータドリブン経営の推進に取り組んでいる。

「すべての企業・すべての人がデータ分析を当たり前に行う未来を実現したい」

そう話す阿部は、企業がデータドリブン経営を実現するためのさまざまな支援に取り組む、データ活用・データ分析のスペシャリストだ。

データドリブン経営とは、データに基づいて意思決定や経営戦略の立案を行う経営手法のこと。しかし、その実現に向けては、データサイエンティストなど専門家の確保や、システム基盤の整備など、さまざまなハードルが横たわっている。阿部はそんな現状を打破し、データドリブンな意思決定を当たり前のものにするための活動に取り組んでいる。

活動の柱は大きく2つある。1つは、社内外に存在するデータを視覚化して、ビジネスの意思決定やアクションを支援する「データビジュアライゼーション」。もう1つは、データサイエンティストの知見やノウハウが集約されたツールを使い、機械学習による分析・予測を自社単独で推進できるようにする「AI開発の内製化」だ。阿部のそれぞれの取り組みについて詳しく紹介しよう。

データビジュアライゼーションは、データの見える化、可視化、と言い換えることができる。数字データを図表やグラフなどのチャートを使い、視覚的にわかりやすく表現することで、データに潜むトレンドや異常値、規則性などを理解しやすくするものだ。

これを効率よく行うためツールがBIツールである。阿部は入社3年目にデータ分析の新事業の立ち上げに携わったことをきっかけに、独学でBIツール「QlikView」の活用方法を習得した。そのスキルは経営企画部門の目にとまり、やがて日立システムズ社内向けの経営分析ツールの開発を任されるようになった。阿部のスキルや評判はやがて社外にもおよび、いつしか阿部はBIコンサルタントとして、社外のお客さまに向けてデータビジュアライゼーションによる業務効率化を支援するようになっていた。

ある機械メーカーから依頼を受けたデータビジュアライゼーションの取り組みでは、社内の基幹システム内に眠っていたデータを活用し、機械の保守部品の売り上げを大きく向上させた。具体的には、機械を顧客に納入した後に発生する保守・メンテナンス部品の販売データをBIツールで可視化することにより、エリアごとの部品の販売実績や、まもなく部品交換が必要となる顧客を明確にしたのである。これにより、営業部門は受注可能性の高い顧客から順番に効率的な営業活動を展開できるようになった。

データビジュアライゼーションのメリットについて、阿部はこう話す。

「元のデータは一緒なのに、BIツールで見せ方を少し変えるだけで、お客さまから興味を持っていただけるようになります。『こんな見せ方はできないか?』『このデータとこのデータを関連づけられないか?』など、視覚化をきっかけに議論が深まり、より良い業務改善アイデアが導き出されるのです。これこそデータビジュアライゼーションの真骨頂だと感じます」。

活動のもう一つの柱であるAI開発の内製化は、阿部が2019年から取り組んでいるテーマだ。BIツールを活用したデータビジュアライゼーションにおいて、データを基に意思決定を行うのはあくまで人だった。しかし現在は、より速く、より精度の高い意思決定を行うため、AI=機械学習が人に代わって分析や予測をするケースが増えている。機械学習の活用には数学や統計に関する高度なスキルが必要なため、多くの企業は外部企業に機械学習モデルの開発を依頼しているが、これを自社で行えるようにするのがAI開発の内製化である。

AI開発の内製化を支援するツールとして、阿部が現在拡販に携わっているのが米国のDataRobot社が開発した「DataRobot」だ。「DataRobot」は、世界トップクラスのデータサイエンティストの知見やノウハウを集約した機械学習自動化ツールであり、高度なスキルがなくてもユーザー部門が自らの力で機械学習のビジネス活用を推進できる。阿部と社内の有志たちは、AI関連の新規事業立ち上げを行うため、世界中のAI開発プラットフォームの情報収集を行い、その中から「DataRobot」に白羽の矢を立てた。「DataRobot」は、現場社員のボトムアップにより日立システムズの正式な取り扱いサービスとなったのである。

ここで、阿部がデータサイエンティストとして参画した、日立建機日本株式会社様(以下、日立建機日本様)の「DataRobot」導入プロジェクトの事例を紹介しよう。日立建機日本様は、中古の建設機械を買い取り、整備をして、再び販売する中古車事業を展開している。この事業では、対象の建設機械がいくらで販売できるか価格を予測したうえで、中古建設機械の買い取りを行う。しかし、機械毎に異なるコンディションと、市況の変化を見極めた販売価格の予測は、業務歴10年以上のベテラン担当者であってもかなりの時間がかかる難しい作業だった。

本プロジェクトでは、この販売価格予測に「DataRobot」で開発した機械学習モデルを利用することで、ベテラン担当者と同等の精度を保ちながら、より短時間で予測を行うことに成功した。機械学習モデルの業務組み込みが完了すれば、担当者の作業工数を年間で1,400時間程度削減できる見込みとなっている。

本プロジェクトにおいて、阿部は3カ月間にわたり、機械学習モデルの作成と改善のサイクルを日立建機日本様とともに進め、「DataRobot」を活用したAI開発のスキルを日立建機日本様のプロジェクトチームに共有した。この伴走支援が功を奏し、現在、日立建機日本様は自分たちの力で機械学習のビジネス活用を推進している。まさに、阿部のめざすAI開発の内製化が結実したプロジェクトと言えるだろう。
そして現在、阿部は「DataRobot」とBIツールを組み合わせることで、顧客企業のデータ活用・データ分析をさらに加速させることに取り組んでいる。AI=機械学習とBIの組み合わせにより、企業はどのようなメリットが得られるのか。阿部に聞いてみた。

「機械学習の予測結果だけでは、ビジネスに与える影響の大きさがわからず、意思決定がしにくい場合があります。そのような時、補助的にBIツールを使うことで、機械学習の予測結果をビジネスに取り入れやすくなります」。

例えば、金融機関の融資業務において、融資先の属性データから貸し倒れの発生確率を機械学習で予測したとしよう。しかし、融資を行う/行わないの境界となる貸し倒れ発生確率を何%に設定するかは人間の判断である。この時、融資可否の境界を1%ずつ上下させることで、金融機関全体の利益あるいは損失をBIツールでシミュレーションできれば、判断はぐっとしやすくなる。このように、AI=機械学習とBIを組み合わせることで、企業におけるデータドリブンな意思決定はさらに加速していくと阿部は考えている。

阿部がめざす未来は、データ分析に基づいた意思決定が、一部の限られた人だけが行うのではなく、すべての人が日常的に、当たり前のように行う未来である。その未来を実現するには、「わかりやすく、心地よいデータ分析を、仕組みとして提供することが必要」と阿部は話す。BIツールによるデータビジュアライゼーション、そして、「DataRobot」によるAI開発の内製化は、まさに阿部が理想とする未来の実現に必要不可欠なピースと言える。

「複雑で難しいデータ分析を、すべての人にとって当たり前のものにする」。めざす未来の実現に向けて、阿部はこれからもデータ活用・データ分析の普及に取り組んでいく。

~阿部のミッション~

「DataRobot データ分析自動化サービス」の普及・拡販活動

機械学習に興味はあるが、専門性を持った人財やスキルの不足により、取り組みを推進できずにいる企業は多い。阿部は「DataRobot データ分析自動化サービス」の普及を通じて、専門知識やスキルがなくても機械学習のビジネス活用が推進できる体制を企業に提供し、お客さまのデータ活用に貢献していく。

業務のデジタル化、データ基盤整備など、データ活用に向けたコンサルティング

企業がデータ活用を行うには、そもそもデータが活用可能な形で取得できることが必要だ。そのためには、業務プロセスのデジタル化をはじめ、データの収集・蓄積・加工など一連のデータ基盤整備も必要になる。阿部は、基幹システムの導入を行う部門とも連携しながら、企業がデータ活用を行うため体制整備・基盤整備のコンサルティングも同時に提供していく。

データ活用・データ分析プロフェッショナルの育成

阿部は10年以上にわたり、BIツールを駆使したデータビジュアライゼーションをお客さまに提供してきた。また、2019年からはデータサイエンティストとしての活動も開始した。彼が培ってきた独自のスキル、経験は日立システムズの貴重な知的資産と言える。今後は、このナレッジを積極的に後進に還元し、日立システムズ社内にデータ活用・データ分析のスペシャリストを一人でも多く育てあげ、お客さまのデータドリブン経営の推進に貢献していく。

  • * 本内容は2023年3月時点の情報です。本コンテンツに記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

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