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【3】食品加工メーカーが受発注業務の作業コストを削減できた理由

ある食品加工品メーカーA社では、日々大量に発生する受発注の処理業務に課題を抱えていました。A社では、原材料メーカーや小売り・卸し業者などと毎日一定量の取引を行っています。しかし、原材料メーカーへの発注はいまだにFAXが大半を占めており、注文書をFAXで送り、納品書や請求書などは紙の書類で受け取る場合も多いのが現状でした。

電子化が進み受発注業務などの企業間取引データを自動でやり取りできるEDIシステムからデータを送ってくる取引先も一部ある中、大量にある書類を仕分ける必要がありました。また、紙媒体とEDIデータが混在する受発注データを手分けして、業務システムへ手入力する作業が現場の負荷となっていました。

A社では、従来から「OCR(光学式文字読み取り装置)」を導入していました。OCRとは、印刷物などの文字に対して光を当てることで、その情報を読み取ってテキストデータに変換するツールです。ただ、OCRにも運用上で幾つかの課題がありました。

現状、専用の定型帳票のみがOCRの取り込み対象となっていたため、適用範囲が限られていました。非定型やフリーの帳票については、適用対象外となり、送られてきたデータを2人の担当者が二重入力して、正確性をより期すために入力されたデータを目視による照合・確認を行っていました。こうした煩雑な業務が現場の担当者の負担となっていました。それらの作業に伴う「人的なミス」も避けることができない問題です。

OCRの機能を評価する際、重要視されるのが「文字の認識率」です。また、その書類の中の「どの部分を読み取ればいいのか」を正しく特定する「場所特定率」も読み取り精度を大きく左右する要素です。

A社が導入している現行のOCRの問題点は、大きく3つに分類されます。まず、「文字の読み取り精度が低い」という問題です。従来のOCRでは決まった書体の文字認識が中心で、手書きはもちろんPCで入力されたテキストであっても、書体が違うと文字が認識されないこともありました。そのため、実運用に耐えうる精度があるとはいえないものもありました。

次に、従来のOCRでは帳票の種類ごとに読み込む文字が配置されている座標を定義する必要がありました。また、帳票から読み取る場所を探す「場所特定」機能を備えていますが、会社ごとにレイアウトパターンが異なる書類の場合は場所の特定が難しく、その結果、読み取り精度が著しく低下するということも起きていました。

最後に「定型フォーマットにしか対応できない」という問題がありました。OCRを導入しても効率化できる作業が限られてしまい、結果的に手作業に頼る部分も多く残るため、期待通りの投資対効果が得られないケースも少なくありませんでした。

そうした課題を解決するため、同社では、OCRに人工知能(AI)技術を組み合わせた「AI-OCR」の導入を検討することにしました。AI-OCRが従来のOCRとの違いは、「文字認識率」と「場所特定率」の両面において、AI技術を適用して精度を向上させている点にあります。

AI-OCRでは、機械学習(マシンラーニング)や深層学習(ディープラーニング)を活用することで、文字認識の精度を向上できます。情報の読み取りを繰り返して学習させることで、AIが自動的に非定型の文字情報も内容を判断し、読み取り精度を自律的に高めることが可能です。

特に、手書き文字の認識処理にAIを応用することで、その認識率は向上しています。また、場所特定では、さまざまなレイアウトの帳票に対して「どの場所にどんな文字データが配置されているか」をAIを使って自動的に判別。多くの書類を教師データとして与えて学習することで、事前に帳票定義をする必要がなくなり、さまざまなレイアウトパターンの非定型な帳票から文字列を抽出できるようになります。

AI-OCRの導入によって、A社では、受注伝票の読み取りと区分作業、請求書の情報入力作業などの作業の効率化を図っています。また、「RPA(Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション)」と組み合わせて活用しています。RPAとは、従来手作業で行われていたデスクワークをソフトウェア型ロボットが実施することを指します。AI-OCRとRPAを連携させることで、より大幅な業務効率の改善につなげることも可能です。

A社では、OCRの確認修正以降のエントリー業務を「AI-OCR」と「RPA」を組み合わせて自動化をはかりました。非定型帳票もOCRの取り込み対象として、現場の担当者の手入力の件数を削減しています。フリーの帳票に関する作業を簡素化でき、二重入力や照合の作業の工程が不要となりました。

その結果、受注入力作業の省力化が図られ、その作業に割り当てる人員数を減らすことができ、年間の運用コスト削減に成功しました。余剰となった人材を新しい業務に割り当てるなど、人材不足の問題も解消しつつあります。

日立システムズでは、こうした食品業界の現場の課題を解決するソリューションとして、AI insideのAI-OCRクラウドサービスである「DX Suite」を提供しています。DX Suiteは、AI-OCR市場のシェアNo.1(※)を誇る代表的な製品です。

また、日立システムズは「業務自動化支援サービス」のラインナップにDX Suiteを追加しました。従来のOCRでは帳票の手書き文字読み取りが難しいという課題をDX Suiteが解決し、導入企業の業務改善や効率化の推進を支援します。同社ではEDIサービス「REDISuite」を提供し、特に流通・小売業、卸売業などで多くの実績を有しており、受発注業務に関する知見を持ち、お客さまの課題解決に当たっています。

さらに日立システムズでは、食品・化学業界向け統合基幹業務システム「Ross ERP」を提供しています。生産管理や在庫管理、原価管理などの豊富な機能を標準搭載している「オールインワン構成」のERPパッケージで、国内・海外を問わず多数の導入実績と高い評価を得ています。食品メーカーをトータルでサポートするソリューション、体制を備えているのが日立システムズの強みです。

多くの現場での困りごとである“煩雑な受発注業務”の作業負荷を軽減したい、業務の効率化や改善が必要だという場合は、ぜひ同社にご相談してみてはいかがだろうか。

(※)出典:富士キメラ総研 2019年3月発刊「2019 人工知能ビジネス総調査」

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