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【1】受発注の事務作業を効率化できる「AI-OCR」とは何か?

人々の「食」と「健康」を支える食品業界。人が生きていくためには欠かせない商品を取り扱っていることから、電気やガス、水道などの公共インフラや製造業などと同じく、国の基幹産業ともいえます。全体の業界の中でも市場規模が大きく、多くの労働者が関わっている業界です。

ただ、少子高齢化が進んで国内市場は縮小傾向にあり、世界的な気候変動による原材料の高騰、食品の安全管理への対応など、簡単には解決できない問題を抱えています。多くの企業が、海外進出や新たなニーズの開拓など生き残りや事業成長を目指し、様々な方向性を模索しています。

また、中堅・中小規模の原材料メーカーや食品加工メーカーでは、物流最適化のためのコスト削減、労働時間超過による業務改善といった課題に直面しています。品質・サービスに関わる業務時間の短縮は難しいですが、無駄なコストが発生しやすいのが「現場の事務作業」です。

例えば、原材料メーカー、加工品メーカーにおける現場業務での困りごとの一つに「煩雑な受発注業務の負荷」があります。日々の受発注が多い加工食品メーカーでは、原材料メーカーや小売り・卸し業者などと毎日一定量の取引があります。しかし、原材料メーカーへの発注はいまだにFAXが大半を占めており、注文書をFAXで送り、納品書や請求書などは紙の書類で受け取る場合も多いのが現状です。

電子化が進んでいる取引先もある中、大量にある書類を仕分けて紙媒体と電子データが混在する受発注データを業務システムへ手入力する必要があります。また正確性をより期すため、入力されたデータを目視による照合・確認や、2人の担当者のダブルチェックという煩雑な業務が現場の負担となっています。それらの作業に伴う「人的なミス」も避けることができない問題です。

そうした業務の改善策として、従来から「OCR(光学式文字読み取り装置)」が活用されていました。OCRとは、印刷物などの文字に対して光を当てることで、その情報を読み取ってテキストデータに変換するツールです。最近では、スキャナで読み取った文字をテキストデータに変換するソフトウェアが使われています。ただ、OCRにも運用上で幾つかの課題がありました。

OCRの機能を評価する際、重要視されるのが「文字の認識率」です。活字や手書き文字をどれだけ正確に認識できるかを指すという性能評価です。ただ、実用を考慮するとOCRの精度は、文字認識率だけでは決まりません。その書類の中の「どの部分を読み取ればいいのか」を正しく特定する「場所特定率」も読み取り精度を大きく左右する要素です。

従来のOCRの問題点は、大きく3つに分類されます。まず、「文字の読み取り精度」という問題です。従来のOCRでは決まった書体の文字認識が中心で、手書きはもちろんPCで入力されたテキストであっても、書体が違うと文字が認識されないこともありました。そのため、実運用に耐えうる精度があるとはいえないものもありました。

次に「場所特定率の精度が低い」という問題です。従来のOCRでは、帳票の種類ごとに読み込む文字が配置されている座標を定義する必要がありました。また、帳票から読み取る場所を探す「場所特定」機能を備えていますが、会社ごとにレイアウトパターンが異なる書類の場合は場所の特定が難しく、その結果、読み取り精度が著しく低下するということも起きていました。

最後に「期待通りの費用対効果が出ない」という問題です。上記2つの問題から、OCRを導入しても効率化できる作業が限られてしまい、結果的に手作業に頼る部分も多く残るため、期待通りの投資対効果が得られないケースも少なくありませんでした。

こうした中、近年、OCRに人工知能(AI)技術を組み合わせた「AI-OCR」が注目を集めています。AI-OCRが従来のOCRとの違いは、「文字認識率」と「場所特定率」の両面において、AI技術を適用して精度を向上させている点にあります。

AI-OCRでは、機械学習(マシンラーニング)や深層学習(ディープラーニング)を活用することで、文字認識の精度を向上させることができます。情報の読み取りを繰り返して学習させることで、AIが自動的に非定型の文字情報も内容を判断して、読み取り精度を自律的に高めることが可能になっています。

特に、手書き文字の認識処理にAIを応用することで、その認識率は向上しています。また、場所特定では、様々なレイアウトの帳票に対して「どの場所にどんな文字データが配置されているか」をAIを使って自動的に判別します。多くの書類を教師データとして与えて学習することで、事前に帳票定義をする必要がなくなり、様々なレイアウトパターンの非定型な帳票から文字列を抽出できるようになります。

AI-OCRの導入によって、受注伝票の読み取りと区分作業、請求書の情報入力作業などの作業の効率化を図った事例も多く出ています。また、「RPA(Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション)」と組み合わせて活用することも増えています。RPAとは、従来手作業で行われていたデスクワークをソフトウェア型ロボットが実施することを指します。AI-OCRとRPAを連携させることで、より大幅な業務効率の改善につなげることも可能です。

日立システムズでは、AI insideのAI-OCRクラウドサービスである「DX Suite」を提供しています。DX Suiteは、AI-OCR市場のシェアNo.1(※)を誇る代表的な製品です。

DX Suiteでは、特別な事前学習なしに、従来型OCRでは困難だった文字と文字のつなぎ目や切れ目を判別することも可能です。手書き文字を高精度でデジタル化でき、データ化業務に求められる書類仕分けなどにも対応します。また、請求書や領収書、レシート、住民票、給与支払報告書といったフォーマットの違う帳票を一括で読み取ることも可能です。さらに、RPAとシームレスに連携できます。

また、日立システムズは「業務自動化支援サービス」のラインナップにDX Suiteを追加しました。従来のOCRでは帳票の手書き文字読み取りが難しいという課題をDX Suiteが解決し、導入企業の業務改善や効率化の推進を支援します。

現場での困りごとである“煩雑な受発注業務”の作業負荷を軽減できるAI-OCR。業務の効率化や改善が必要な場合は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

(※)出典:富士キメラ総研 2019年3月発刊「2019 人工知能ビジネス総調査」

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