今回は第1回で紹介した財務会計・管理会計について、どのように会計システムで管理するかを紹介します。
財務会計とは外部に発信するためのデータですので、企業全体での数字を表します。
企業全体の数字を表す帳票として、貸借対照表や損益計算書などが挙げられます。
これらの帳票は原価や売り上げを計上した際の仕訳により作成されます。
原価管理や売り上げの登録などを行う基幹システムと会計システムを連携することで、容易に帳票の作成を行うことが可能です。
一方、管理会計とは企業が内部で見るための会計情報です。
内部でどのような情報が求められるかにより、データの管理方法は異なります。
管理会計のデータも財務会計と同様、仕訳により作成されますが、仕訳のみでは企業全体の数字しか管理できません。
内部で分析する情報を得るためには、仕訳に補助情報を持たせる必要があります。
そして企業がどういった単位で情報を管理したいかにより、必要な補助情報も変わってきます。
例えば建設業でいえば、次のようなデータの管理方法があります。
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
補助情報 | 勘定科目 | 金額(円) | 勘定科目 | 金額(円) |
未成工事支出金(材料費) | 100,000 | 工事未払金 | 100,000 | |
取引先 | ○△工務店 | ○△工務店 | ||
工事情報 | A工事 | A工事 | ||
原価要素 | 材料費 | 材料費 |
※A工事に必要な材料を○△工務店から10万円で購入したケース
各企業の業務内容や目的に合わせて会計管理を行うことで、企業活動の適切な対策や戦略を立てるのに有効活用できます。
膨大な会計情報の管理や情報収集、内部統制などを含む会計情報の整合性確認には、会計システムを利用するのが管理方法としては良いと言えます。
[佐藤 絢哉 記]
※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
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