導入前の課題
社内向けWebサービスおよび業務サービスは、社内センターに集約したWeb・DBサーバーおよびネットワーク機器、ストレージなどを使用して提供している。IT設備を集約化することで、運用の簡素化を図ったのだが、設備管理の体制について問題があり、改善案を求められていた。
- IT設備の購入は各サービスの担当から各拠点の管理者を経由して購入・設置している。サービス担当および各拠点の管理者には、サービスの改善をフレキシブルに行えるよう、低価格なIT設備の準備に関しては権限が与えられており、比較的自由に購入が可能。センターへの設置もエリアを守りさえすれば、自由に装置を置いて良いことになっている。
- 提供サービスの内容およびサービスを利用するユーザー (社員)の人数は常に変化している。陳腐化するサービス、新しく要求されるサービスがあるため、それにともなう設備の変更も多い。IT装置は各サービスの担当の判断によって増設や廃棄を行うことが多い。
- 各拠点の管理者経由でセンターにIT設備を設置するため、設置場所の把握のための台帳が分散している。
- センターの運用管理者は、日々の稼働管理を任されており、障害が発生すると一次切り分けを実施して各サービス担当者に対策を任せている。最近は障害装置の特定をネットワーク管理図を使ってIPアドレスまで簡単に把握できるのだが、誰が導入した装置なのか、どこに置いてある装置なのか確認するまでに時間がかかってしまう。これは台帳が分散しているためであり、電話連絡で内容を確認しているために無駄な時間が発生している。
- 台帳(Excel®シート)をコピーしてセンターに集める方法を試したことがあるのだが、構成変更が激しく、古いデータを参照しながら運用することが多くなり、かえって時間がかかってしまい、コピーによる運用はやめてしまった。
- 購入ルートの見直しも検討したが、サービス改善にかかるスピードが低下することが見えており、実行するまでには至らなかった。
- 各サービス用のサーバーに導入しているソフトウェアの購入ルートも同様に、各管理者の管理レベルに依存して正確に把握できるケースとできないケースがある。