失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「SaaS・クラウドの実例紹介」編
(実例2)
「SaaS型サービスを使って自社の基幹システムを早期に復旧する」
「TENSUITE Sシリーズ個別受注生産型モデル」のSaaS型サービスを使って自社の基幹システム機能を早期に復旧する方法をご紹介します。
(2011/4/14)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫
経理業務でお金の管理が出来たら、次には得意先や仕入先との取引の管理を立ち上げていく必要があります。一般に販売管理、購買管理、在庫管理と言われている業務です。
「TENSUITE Sシリーズ 個別受注生産型モデル」は個別受注生産に適した生産管理の機能が組み込まれていますが、基幹業務として必要な販売、購買、在庫の機能も備えています。従って、得意先、仕入先との取引の管理は業種を問わず利用可能です。
「TENSUITE Sシリーズ 個別受注生産型モデル」の販売・購買・在庫の機能概要は下記になります。
上記の説明は「TENSUITE Sシリーズ 個別受注生産型モデル」のオプション機能も含めた説明になっています。
実際に利用するときには必要な機能を選択して使用することになります。生産管理を動かさなくとも、販売・購買・在庫それぞれ単独に運用することが可能となっています。
尚、生産管理については基本機能に含まれていますが、前回のコラムで説明しておりますので、そちらを参照して下さい。
多くのシステムは運用を開始する前に入力に必要なマスタコードを整理して、システムに登録することが必須になっています。「TENSUITE Sシリーズ 個別受注生産型モデル」は初期データベースの中に入力に必要なマスタコードを設定してあります。このコードを利用するとシステムのセットアップが完了するとすぐに伝票の入力が可能となります。
この方法では、コード番号を意識せずに、得意先名や仕入先名、品名を手打ちすることで取引の内容を区分けし、全て共通の諸口コードで処理する方式です。従って、受注、売上、入金の全てが1つの諸口コードに集約されます。しかし明細にはそれぞれの名称が表示されますので販売、購買の明細や合計の管理は可能になります。得意先別、仕入先別や品目別の集計はEXCELなどの集計ソフトを利用し、名称をキーとして集計することになります。
この方法はすぐに稼動できる点でメリットがありますが、全くコード登録せず諸口コードで業務を行うのは管理上無理があります。本来の諸口コードの利用方法はスポットの取引先や品目が発生し、個別管理が必要ではないにもかかわらずシステムにコード設定しなければ運用できない不便さを解消するものです。また、システムの立ち上げ時には最低限の個別管理するコードのみを登録することで運用をスタートできることも狙っています。今回の目的である「業務開始時に最低限の機能を早期に立ち上げる」時には有効な手段といえます。
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