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株式会社 日立システムズ

Part3 「日立システムズが強化すべきCSR活動」とは

取り組み(1) ワークライフバランス、ダイバーシティの推進

従業員がいきいきと、やりがいを感じられるような職場づくりを強化していく。

小河  ここからは話題を「日立システムズが強化すべきCSR活動」に移していきたいと思います。改めて「ここをもっと強化すべき」という観点からお話しいただけますでしょうか。

藤井  従業員起点の経営モデルを実現していくためには、配置や仕事のアサインといったところは非常に重要だと思っていますが、その前提として、いきいきと、やりがいを感じて仕事に打ち込んでもらうための環境整備も重要です。この点でIT企業としてより大きな課題は、やはりワークライフバランスの問題、長時間労働の問題があると認識しています。
主として労働時間に対応するような制度整備の観点で、各人別のきめ細かい労働時間管理システム、健診による健康状態の把握、年休の取得促進、フレックスタイム制度の導入、休暇や休職制度の拡充など、基本的には標準のレベル以上のものは整備していますが、より本質的なアプローチが必要だと思っています。

(株)日本総合研究所 理事 ESGリサーチセンター長 足達 英一郎様

足達  当社にもSEが数多くおり、キャリアをどうしていくかという問題があります。先ほどネガティブな話題でもマテリアルなものは積極的に取り上げていくべきと申しましたが、その意味でも、同じIT業界の一員として強化すべきテーマといえますね。

小河  話が少し変わりますが、サービス業では顧客満足度(CS)という指標を掲げている企業が多いのですが、いかがでしょうか。

小塚  マテリアリティの議論の中で、従業員が一番重要だといっているのが「CSの向上」でした。社内には「CS委員会」があり、いろいろな施策を実施しています。例えばお客さまに今日呼ばれてお褒めの言葉を頂戴したといった話題でも、大きい成果、小さなトピックスといろいろありますが、そういう情報共有についても、具体的にはメールで「嬉しい話」とタイトルをつけて、メールなどで従業員に展開する仕組みがあります。CSとES(従業員満足)は密接に関係していますから、双方ともに重要だと考えています。

小河  ありがとうございました。ではESという観点での話に戻させていただきます。
ワークライフバランスと並び、近年は各社ともにダイバーシティ―人材の多様性を競争力強化に生かそうという機運が高まっています。日立システムズさんではどうでしょうか。

藤井  ダイバーシティは非常に重要だと考えており、これまでも力を入れて取り組んできています。管理職が70人、主任相当職を含めると280人を超える女性を登用しています。ただ役員にはまだ女性がおらず、現在本部長と部長クラスで二桁というところでしょうか。また外国籍の従業員も50人ほどおり、グローバル化の進展に合わせて今後も採用を増やしていく予定です。

  女性の社会進出というのは、雇用の問題だけでなく、経済のパイを増やしていくという点で、日本のこれからの成長戦略として非常に重要だと思います。日立システムズさんには率先してそのあたりを強化していっていただきたいですね。

(株)日立システムズ 取締役 常務執行役員 (人事総務本部、人財教育本部副本部長) 藤井 宏豊

藤井  ダイバーシティという点では、障がい者雇用についても重要課題の一つとして取り組んでいますが、どういう仕事をやっていただくかという観点でまだまだ工夫が必要だと認識しています。いずれにしても、いきいき働くための環境整備の中で、CSR的な観点からの施策あるいは制度を、どう整備していくかは重要なポイントですので、人事・勤労セクションとしては、常にそういうことを考えながら対応を図っていきたいと考えています。

小河  人や職場といった話題が挙がっていますが、ワークライフバランスやダイバーシティは「人権」と関わっており、非常にすそ野が広いテーマだと思います。そこでIT企業における人権を、どのように考えていけばよいのか、ご意見をいただければと思います。

  先ほど私はISO26000にあまり捉われ過ぎない方がいいのではないかと申し上げましたが、「人権」に関しては、日本企業にあまりなじみのない言葉が多々出てきますし、多くの企業は自社の人権リスクがどこにあるか正確に把握していないのではないかと思います。一般に、日本企業は国際比較をすると「環境」については国際水準より進んでいる場合が多いのですが、人権、労働やガバナンスというところは少し劣っています。
そこで、こと人権に限っていえば、一度、ベースを確認するという意味で、ISO26000に則りチェックリストを作って人権リスクを洗い出す・・・いわゆるデューデリジェンスを強化した方がいいと思っています。特に日立システムズさんの場合、これからグローバル展開を強化していくとのことですので、現地におけるさまざまな人権の問題をクリアできるよう、一層の配慮をもって取り組んでいく必要があると思います。

デューデリジェンス(due diligence):一般には、不動産や企業の購入・買収の意思決定を行う際に、対象企業の事業活動に関する問題点の有無などの実態を把握するために行う調査のこと。CSRにおいては、対象会社が人権に配慮した労働環境を整備しているか、環境にどのような負荷を与えているか、など、さまざまな観点から活動をチェックして対策を確立する際に用いられる。

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。