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新年度を迎え、新卒入社の方々の研修が終わるころでしょうか。
間もなく新卒入社の方々も、初めての経費精算を迎えるかもしれません。
この全3回の連載は、経理担当者が新社会人の方に経費にまつわる教育をする際に、改めて必要な知識をインプットするために活用いただけます。
連載の1回目では、新社会人にとって必要な経費の基本を、2回目では新社会人にとって経費にまつわるよくある質問をまとめました。連載の最後では、実際の経費精算業務の流れをまとめます。

経費精算業務の流れ

一般的な経費精算業務の流れを説明します。もちろん、会社のルールや使用しているシステムによって違いがあることに注意してください。

1. 領収書等の証憑(しょうひょう)を準備する

初めに手元にある領収書をまとめます。紙でもらった領収書はもちろん、電子データで受領(じゅりょう)したものも含みます。飛行機やホテルをインターネット経由で購入した場合など、紙の証憑が残っていない場合は提出を忘れやすいので注意しましょう。また領収書のない電車賃については、利用した日付と経路が分かる記録を集めます。SuicaなどのICカードを利用している場合は、利用履歴をダウンロードすることもできます。

2. 証憑をまとめて上司に提出する

集めた証憑を会社ごとのフォーマットに合わせた申請書にまとめるのが次のステップです。
自身の会社のルールや仕組みをしっかり理解してまとめましょう。近年では経費精算システムを活用する企業が多数を占めるようになりましたが、どのシステムを利用していても、科目や金額を入力して、証憑を添付して提出するという方法が一般的です。

経費精算システムには、証憑を撮影してOCR技術(画像から文字を読み込んで変換する技術)により自動で読み込んだり、科目を自動で設定したり、ICカードから自動で経路情報を読み込んだりと、経費精算業務を効率化する仕組みが整っています。

証憑を申請書にまとめたら、承認を得るために上司や担当者に提出します。内容の不備に指摘が入らないように、内容を自身できちんと精査して提出するようにしましょう。なお、経費精算システムを利用している場合は、申請書を印刷する必要はなく、システム上で提出することができます。

3. 上司からの承認を得て経理部門へ提出

上司の承認を得た後に、経理部門へ提出します。この際も、経費精算システムを利用している場合はシステム上ですべて完結することがほとんどです。経理担当者が受理すれば、各会社のスケジュールに合わせて支払いが行われます。

経費の仮払いと立て替え

経費の一般的な流れを説明しましたが、上記で説明したのは、従業員が経費を「立て替えた」場合の流れです。実は経費の支払いは、一般的に「立て替え」と「仮払い」の2種類が存在します。

立て替えは、本来会社が支払うべきものを従業員が先に払い、後に会社から戻してもらう方法です。一方仮払いは、会社が事前に必要な金額を従業員に支払い、過不足を後に精算する方法です。

少ない金額なら立て替えでも問題ありませんが、長期の出張など金額の負担が大きくなる場合には、事前に申請をして必要経費を仮払いしてもらった方がいいでしょう。このときも会社ごとのルールを確認して、正しい方法で余裕を持って実施しましょう。

経費精算時のよくあるミス

経費精算業務時によく発生するミスについても理解しておきましょう。
慣れないうちは経理からたびたび内容について指摘されることがあると思います。「何もそんな細かいところまで」と思うこともあるかもしれませんが、連載の1回目でも述べたとおり、経費の精算は会社の業績に直結する重要な業務です。なおかつ、月末の短期間のうちに、全従業員の経費をまとめなければならないプレッシャーもあります。お互いがストレスなく効率的に業務を進められるようにする努力が必要です。

1. 記載金額が間違っている

領収書を申請書に書き写す際に金額を書き間違えたりして、実際の申請書と領収書の内容が違っていることがよくあります。たった1円でも間違って提出することはできません。金額の間違いがないように、提出前にしっかりと確認しましょう。

2. 必要な項目が埋まっていない

連載の2回目で紹介したとおり、領収書は必要な要件を満たしていなければなりません。宛名がない、但し書きがないなどはよく見られるミスです。領収書をもらうときから確認する習慣を身につけるといいでしょう。

3. 領収書が貼られていない

領収書の原本を提出する必要があるにもかかわらず、領収書が貼られていないケースもよく見られます。あるいは、申請書の内容がどの領収書と関連しているか分からないケースもあります。申請書の順番に合わせて貼る、番号を振るなどして、これらのミスを減らすことができます。

4. 交通費の申請区間に定期区間が含まれている

交通費を申請する際に、申請した区間に定期区間が含まれているケースも多々見られます。この場合二重の支払いになってしまいますので、定期区間は除いて計算することを徹底しましょう。

5. 科目の間違い

連載の1回目で紹介した科目が間違っている場合も、経理からの差し戻しが発生します。たとえば接待費と会議費です。もちろん会社ごとのルールに準じますが、一般的には、飲食店などの支払いが1人あたり5千円以下の場合は「会議費」、それ以上の金額は「接待費」に含まれます。飲食店の領収書に人数を書くように言われることが多いのはこのためです。

経費精算を効率化するために

ここまで読んでいただいた方は、経費精算を正しく行うべき理由をはっきりと理解いただいていると思います。それでもなお、経費精算は面倒と感じる方はたくさんいます。経費の申請側、経理側にとって、より業務を効率化するにはどうしたらいいでしょうか。

ハード面の改善は当然検討すべきです。多くの業務に業務システムが組み込まれているように、経費精算業務にも専用のシステムが続々登場しています。さまざまな業種、企業規模に対応したものがあるので、必ず自社のニーズや運用に適したツールがあるはずです。

一般的な経費精算システムなら、申請書の作成、領収書の取り込み、ICカードの取り込み、承認フローなどをすべてシステム上で行えるようになり、印刷するなど余計な業務を削減できます。また差し戻し対応などもシステム上で簡単に行えます。また、交通機関・ホテルの予約など、出張手配機能が充実しているものや、アウトソース先と連携できるもの、電子帳簿保存法に対応したものなど、便利な特徴を持ったシステムを、日立システムズでは提供しています。

効率化の鍵はハードとソフト両面の改善が必要

経費精算システムなどITの活用は業務効率化に寄与しますが、忘れてはならないのはソフト面、つまり利用者の姿勢です。繰り返しになりますが、経理業務が会社の業績に直結する、すなわち自身にとっても重要であることが理解できれば、経理側に負担をかけないよう慎重に作業できるようになるでしょう。ミスなく期日通りに申請することを心がければ、差し戻しも少なくなり、申請者と経理担当者、双方の業務効率が高まります。

さて、ここまで全3回に分けて、新社会人向けの経費の基本をまとめてきました。新社会人の方が最初につまずかないように、正しい知識を伝えるために活用いただければ幸いです。

※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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