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2019年4月に働き方改革関連法が施行されて以来、時間外労働の上限規制、有給取得の義務化、正規・非正規雇用の格差是正など、「一億総活躍社会」実現に向けたさまざまな動きが本格化しています。
中でも時間外労働削減は緊急の課題とされ、多くの企業が積極的に残業や休日出勤を減らす取り組みを進めています。一方で、一部では「残業代が減って生活が苦しくなった」といった声も聞かれます。
そこで、新たに浮上してきたのが「空いた時間をどう活用するか?」という問題です。
趣味に没頭する、レジャーを楽しむ、家族サービスの時間を増やすなど使い方は人それぞれですが、空き時間はこれまで忙しくてできなかったことや、将来役立つと思われることにチャレンジする絶好の機会でもあります。本コラムでは時間の有効活用を進めるための各種アプローチをご紹介します。

経理担当者におすすめの資格

働き方改革は長時間労働に対して厳しい姿勢で臨んでいますが、残業が少なくなった結果、家でくつろぐ時間は増えたものの、「さて何をしようか?」と考えてしまう人も多いでしょう。もちろん、ゆっくり休息するのは基本なのですが、空いた時間を自分のキャリアアップにも役立てられれば、さらに有効なオフタイムを過ごせるはずです。

キャリアアップというと、今行っている仕事の能力向上に目が行きがちですが、それだけに限りません。本業のスキルを高めるだけでなく、将来自分が挑戦してみたい領域も学ぶよい機会でもあります。そこでまず思い浮かぶのが「資格取得」。今回は、経理担当者におすすめの資格として、定番から少々マニアックなものまで、いくつかご紹介しましょう。

1.経理担当をはじめ、すべてのビジネスパーソンに役立つ「超定番」資格

「日商簿記」

日本商工会議所および各地の商工会議所が実施している日商簿記検定は、その名の通りお金や品物の出入を記録する「簿記」の理解を目的とした資格です。採用時に取得を必須条件にしている会社も多いので、一般にもなじみ深い資格だと言えるでしょう。
企業の経理担当者の多くが「2級」を取得しています。すでに取得済みの人は、経営管理や経営分析などの領域にも踏み込んだ最難関「1級」へのチャレンジを検討してみてはいかがでしょうか。

  • 日商簿記検定で「できること」
  • 初級:業種・職種を問わず、広く社会人全般を対象に基本的な会計知識を学ぶことができる。ネット試験なので負担も小さく初心者に最適。受験資格の制限なし。
  • 3級:すべてのビジネスパーソンが身につけておくべき必須の基本知識として、多くの企業から評価される資格。経理関連書類の適切な処理を行うための知識を習得する。
  • 2級:高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を理解し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、適切な処理や分析を行うための知識を習得する。中小企業の一般的な経理業務全般をカバーする。
  • 1級:極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を理解し、経営管理や経営分析を行うための知識を習得する。

※日商簿記検定(日本商工会議所)
https://www.kentei.ne.jp/bookkeeping

2.職場に不可欠な仕事のエキスパートをめざそう

「給与計算実務能力検定試験®」

給与計算実務能力検定試験®は内閣府認可の一般財団法人職業技能振興会が認定する資格で、企業・組織に欠かせない給与計算業務の知識と遂行能力を判定する試験です。
給与計算は資格がなくてもできる仕事ですが、労働基準法をはじめ各種の法律や税などに関する幅広い知識が必要です。また、明細書に書かれた金額の意味や算出方法を理解できるため、経理以外の職種の人にも役立つ資格と言えます。

  • 給与計算実務能力検定®で「できること」
  • 2級:実務上の基礎となる労務コンプライアンスについて正しく理解し、基本的な給与計算を行い、明細を作成できる。
  • 1級:労働法令や税務についても正しく理解し、複雑な制度やイレギュラーな給与体系にも対応可能、また年末調整も含め、年間を通じて給与計算に関するすべての業務に精通する。社会保険や税務等付随する手続きを行うことができ、給与計算業務のリーダーとして管理ができる。

※給与計算実務能力検定®(実務能力開発支援協会)
https://jitsumu-up.jp/

3.財務諸表の「理解」と「分析」に特化した

「ビジネス会計検定®」

ビジネス会計検定®は、大阪商工会議所が主催する会計系の資格です。先に挙げた「日商簿記」と似ている印象がありますが、日商簿記が財務諸表の作成能力を問うのに対し、ビジネス会計検定®は作成した財務諸表の読解力、分析力を評価する資格となっています。
経理担当者は日々多くの財務諸表を作成していますが、その内容を分析するといった仕事には、「経営層がやること」と分けて捉えているせいか、消極的なこともあります。この検定でお金の動きを理解、分析する力を高めれば会計知識が広がり、企業経営に携わる戦略経理 として着実なスキルアップが可能です。受験資格の制限はないので、気軽にチャレンジできるのも魅力です。

  • ビジネス会計検定®で「できること」
  • 3級:会計の用語、財務諸表の構造・読み方・分析等、財務諸表を理解するための基礎的な力を身につける。
  • 2級:企業の経営戦略や事業戦略を理解するため、財務諸表を分析する力を身につける。
  • 1級:企業の成長性や課題、経営方針・戦略などを理解・判断するため、財務諸表を含む会計情報を総合的かつ詳細に分析し企業評価できる力を身につける。

※ビジネス会計検定®(大阪商工会議所)
https://www.b-accounting.jp/

4.「くらしとお金」をアドバイスする専門家

「ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)」

ファイナンシャル・プランナー(FP)は資産設計や資金計画といったお金に関する悩みをサポートし、解決策をアドバイスする職業です。ファイナンシャル・プランニング技能検定は、貯蓄、投資、保険、年金、税金、不動産、相続などについてアドバイスを行い、その実行を援助するための知識を問うものです。
資格取得をめざす人の目的は独立開業、就職・転職、自身のスキルアップとさまざまですが、お金について幅広い知識を持てることから、日常生活で「使える」資格の一つと言えます。経理のスキルを活かして将来のライフプランを立ててみたい人にもおすすめです。

  • FP技能検定でできること
  • 3級:ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産相続・事業承継などについて学び、FPとしての基礎的な知識を身につける。
  • 2級:FPとして必要な知識を持ち、適切なアドバイスを提案できる力を身につける。職場でのキャリアアップや、将来的な独立を考える人には不可欠の検定。合格者はAFP(アフィリエイテッドFP)の資格が取得できる。
  • 1級:FPとして豊富な実績を積み、高度な専門知識を持ったエキスパートとしての技能を身につける。国際的なCFP(サーティファイドFP)への道も開かれる。

※FP技能検定(日本FP協会)
https://www.jafp.or.jp/exam/

5.実務能力を確認してステップアップにつなげる

「経理・財務スキル検定(FASS)」

FASS(ファイナンシャル・アカウンティング・スキル・スタンダード)検定は経済産業省の委託を受け、一般社団法人 日本CFO協会が実施している検定試験で、経理・財務部門の人材育成を目的としています。試験では多くの経理担当者が取得し、広く普及している「日商簿記」とは異なった実務的な内容が出題され、日常業務で求められるスキルレベルを確認することができます。
本検定はこれまで紹介した資格のような級別ではなく、得点に応じたA~Eのスコアで評価されます。試験日は期間中に予約すれば自由に指定できるので、毎日仕事で忙しい人にもおすすめです。

  • FASS検定でできること
  • ・自分のスキルレベルをスコアで客観的に評価・確認できる。
  • ・「資産・決算・税務・資金」の分野別に正答率が示されるため、得意、不得意を明確に知ることができる。
  • ・社内での評価アップや、転職時の自己PRにも活用できる。

※FASS検定(日本CFO協会)
http://www.cfo.jp/fass/fass_exam/index.html

「働き方改革」の残業減は勉強のチャンス

ここで紹介した以外にも数多くの資格があり、自分の目的に合うものを選ぶことができます。「これまで忙しくて勉強できなかった」「本当は取っておきたかった」という資格がある人は、この機会に取得をめざしてみてはいかがでしょうか。

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