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日立システムズ 総合経費管理システム Traveler'sWAN

2019年4月に働き方改革関連法が施行されて以来、時間外労働の上限規制、有給取得の義務化、正規・非正規雇用の格差是正など、「一億総活躍社会」実現に向けたさまざまな動きが本格化しています。
中でも時間外労働削減は緊急の課題とされ、多くの企業が積極的に残業や休日出勤を減らす取り組みを進めています。一方で、一部では「残業代が減って生活が苦しくなった」といった声も聞かれます。
そこで、新たに浮上してきたのが「空いた時間をどう活用するか?」という問題です。
趣味に没頭する、レジャーを楽しむ、家族サービスの時間を増やすなど使い方は人それぞれですが、空き時間はこれまで忙しくてできなかったことや、将来役立つと思われることにチャレンジする絶好の機会でもあります。本コラムでは時間の有効活用を進めるための各種アプローチをご紹介します。

注目を集める「攻めの経理」「戦略経理」とは

経理の仕事は、ひとことで表すと「お金やモノの動きを記録し、管理する」ことです。顧客を獲得して利益を上げることが経営の仕事だとすると、経理は経営の足元を支える立場にあり、どちらかというと「守り」のイメージがあると言えます。
ところが最近、「戦略経理」「攻めの経理」という言葉をよく耳にするようになりました。
「戦略は経営の仕事なのでは?」と思う人も多いでしょう。しかし、どれだけ経営層が会社の明るい未来を語っても、それを実現するためには根拠となる数字が必要です。数字を管理し、単に経営層に報告するだけでなく、経理の視点と知識を活かし、戦略の立案・策定にも積極的に踏み込んで行こう、というのが戦略経理の基本的な考え方です。
とは言え、現在の経理担当者の多くは経営と一線を画し、冷静に数字を示して経営層の判断を仰ぐというスタイルが身についているのが現状です。いきなり「積極的に!」と言われても、具体的にどんなスキルが必要なのか、どのようにアプローチすればいいか見当もつかないというのが本音ではないでしょうか。そこで、経理担当者自身が気づかない部分も含め、どうすれば戦略経理を実現できるのかを紹介します。

「経理の使命とは何か?」を改めて考えてみよう

戦略経理を実現するための第一歩は、「経理の仕事」について改めて考えてみることです。まず、経理部門に求められる最大の使命は「正確性」。間違った数字に基づいた戦略が、正しく進むことはあり得ません。このため、経理は日々の取引の記録、管理に専念し、それ以外の領域にはあまり関与しない傾向があります。

「冷静さ」という要素も、経理の業務では大きな意味を持っています。たとえば事業計画策定の場面で、経営部門は理想と期待を込めた「熱い」ビジョンを打ち出しがちですが、そこで経理部門が現状を踏まえた数字を示せば会社の状況が明らかになり、より現実的なプランを考えることができます。かくして「経営=情熱」「経理=冷静」という認識が広がり、経理は黙々と仕事をこなすイメージが定着したと思われます。もちろん、議論しながら複雑な計算などできませんから当然なのですが、経営層と経理部門、双方の心情のどこかに「経理と経営は別もの」という意識があることは否めません。

しかし、ビジネスの歴史を振り返ってみると、無謀な経営戦略が原因で破綻、倒産の憂き目を見る企業が後を絶たないのは事実です。不安を抱えつつも、黙って数字を示すだけの仕事を続けてきた経理担当者が「これではいけない」といち早く気づけることは、むしろ自然なことだと言えます。

「戦略経理」に必要なスキルとは

戦略経理を考える上で、経理担当者に求められる要素は「積極性」だけに限りません。日頃の業務を着実にこなしながら、さらにいくつかのスキルを身につけていく必要があります。
まず重要なスキルとして「数字を“見える化”する力」が挙げられます。たとえば今期の売上がいくら、利益率がいくらといった数字を経営層に示す場合、単にプリントした表を配布するだけでは従来と変わりません。比較対象となる過去の数字をはじめ、個々の項目ごとに詳細な値を提示し、必要に応じてグラフ、チャートにして、わかりやすい「見える化」したデータの形にすることで、より伝わりやすくなります。

また、戦略を立案する相手は経営者だけでなく、営業や物流をはじめ社内の幅広い層が対象になります。一方的に数字だけを伝えてしまうと、相手は「そうですか」と言うだけで次の段階に進みません。それぞれの部署の業務内容を理解し、立場を把握した上で個別に説明できるスキルが必要です。

さらに、経営層をはじめ、全社員と十分な意思疎通を図るためのコミュニケーション力も欠かせません。経理は日頃から他部門の社員とのやり取りが頻繁な部署ですが、「お願いします」「わかりました」的な、ごく簡単な会話が中心になっているケースも見受けられます。これをもう一歩進めて、経理の専門用語をわかりやすく解説するように努め、さらに相手の使う専門用語を理解することで会話の幅が広がり、円滑なコミュニケーションが可能になるのです。

他にもさまざまな要素がありますが、重要なのは経理という枠に縛られず、「組織の一員として経営に参加している」という自覚を持つことだと言えます。

信頼を得るための「道筋」を作ろう

戦略経理の重要性に対する理解は広がりつつありますが、同時に経理担当者が抱えている不安も増しています。それは、「ITの進化によって経理の仕事が奪われてしまうのではないか」というもの。コンピューターは計算、帳票作成という仕事をRPAで自動化・効率化したり、最近ではAIを用いた分析の仕組みが登場したりしています。将来的には経理に関するすべての仕事がAIに取って代わる時代が来るだろうというショッキングな予測も報じられました。

ただし、これはあくまで「現在の」経理担当者が行っている仕事についての予測であり、攻めの経理、戦略経理を実践する人にとっての脅威ではありません。正確なデータを作成し、中長期的な推移から見る目標設定や実績の要因分析など、具体的な根拠を示しながら戦略策定に参加する経理担当者は、企業経営に必須の人材なのです。

これは過去の事例から見ても明らかです。たとえば、いわゆる「名経営者」と呼ばれる人の傍に「名番頭」と呼ばれる有能な人材がいることはよく知られていますが、その番頭さんはただ帳簿をつけるだけでなく、場合によっては経営者を叱り飛ばすほどの迫力と、強いリーダーシップを発揮して事業を成功に導きました。企業の根幹となるお金の情報を把握している経理部門は、ある意味「企業存亡のカギを握る」存在とも言えます。言い換えれば、黙々と計算しているだけの経理担当者は「事務屋」でしかなく、いずれAIに職場を追われてしまう可能性があります。

「働き方改革」の目的は、働く人がより良い将来の展望を持てるようにすることにあります。業務時間の削減によって生まれた時間を、経理担当者としての自分の業務を再確認し、会社の成長に貢献するメンバーとして信頼される立場を確立するための道筋を考える時間に充ててみてはいかがでしょうか。

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