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昨今、テレビやWebなどのメディアで毎日のように報じられている言葉があります。IT関連のトレンドの中でも、代表的なのが「RPA」「チャットボット」「AI」。どれもよく見聞きするものではありますが、これらが仕事の効率化に役立つと言われても、いま一つ「ピンとこない」という方も多いのではないでしょうか? しかし、いずれもこれからのビジネスになくてはならないテクノロジーであり、上手く活用することで大きな価値を生み出すものなのです。そこで、本コラムでは、この3つのテクノロジーの概要を分かりやすく解説します。

AI活用で急成長中!
「おしゃべりロボット」が熱い

チャットボット(Chat bot)とは「おしゃべり」を意味するチャットと、「ロボット」を組み合わせた造語。文字どおり、人とコミュニケーションができるこのロボットは、ここ数年で大きな盛り上がりを見せているテクノロジーです。チャットボットは現在、多くの企業Webサイトに導入されています。どちらかのWebサイトで、サイト画面にある「問い合わせ」ボタンを押すと自動的にチャット画面が立ち上がり、問い合わせができるシステムを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。チャットボットは直接担当者と会話する感覚でのやり取りが可能で、気軽に利用できる点が大きな特徴です。

実は、チャットボットの仕組み自体は新しいものではありません。元祖と言われるプログラム「ELIZA(イライザ)」は1960年代に開発され、あらかじめ想定された質問に答える形での会話は当時から可能でした。それから半世紀を経て一大ブームになった理由はズバリ「賢くなったから」です。人間と同じで、チャットボットも賢くなるためには一生懸命勉強しなければなりません。チャットボットに猛特訓を施したのが、先達の事例から得られた数々の会話シナリオのサンプルと、ディープラーニングや自然言語処理などのAI技術でした。最近ではAIにより文章全体の意味を捉えて回答するチャットボットも開発され、その能力は飛躍的に向上しました。

これまでに利用されたことのある方はご存じと思いますが、従来型のチャットボットでは、問い合わせに対して的外れな回答をしたり、「わかりません」を連発するなど、不自然な応対になってしまう場合があります。これは、チャットボットが持っているシナリオ(ルール)や知識(データ)の量、質によるもので、人間と同等の会話能力を身につけるまでには相当の学習が必要です。そこで、簡単な問い合わせにはチャットボットが対応し、複雑で難しい質問には直接オペレーターが代わって答えるといった形で、相互に連携しながら運用するスタイルが広く普及しています。

「自然な会話」がもたらすメリットとは

多くの企業Webサイトでは、「問い合わせ」のコーナーを設けています。よくある質問(FAQ)の一覧表示や、専用フォームを使ったメール送信で顧客とのコミュニケーションを図っていますが、その機能をチャットボットに担当させるのがトレンドになっています。なぜ顧客サポートにチャットボットが適しているのか、具体的に紹介しましょう。

まず挙げられるのが「双方向性」です。従来のWebサイトは企業から顧客に向けた一方的な情報発信が中心で、コミュニケーションの手段は電話、もしくはメールに限られていました。チャットボットは原則として24時間・年中無休で稼働するので、顧客はいつでも問い合わせが可能です。これに注目したのが、自社でサポートセンターを運営する企業でした。人手不足が深刻化する中、対応するオペレーターを確保するのは大変です。「お客様に不快な思いをさせないレベルの会話ができるのなら」と、技術進歩で実用レベルに達したと評価する企業を中心に、導入が進みました。

一方、商品・サービスを利用する顧客の側からも、チャットボット導入を求める声が上がっていました。その背景には、「LINE」や「Facebook Messenger」といったチャットサービスの利用が普及していたことがあります。コールセンターの電話が混み合ってつながらずにイライラしたりすることもなく、メールのように改まった文章にする必要もなく、口語で気軽に質問ができ、すばやく質問に答えてくれる便利なチャットボットは、企業、顧客の双方から歓迎されたのです。言うまでもなく、顧客満足度向上は重要なテーマ。各企業はチャットボット導入後も改良を重ね、「自然な会話」「的確な回答」の提供に努めています。

チャットボット導入事例

顧客サポートを担当するチャットボットとして広く知られているのが、通販サイト「LOHACO(ロハコ)」で働く「マナミさん」です。同サイトの顧客サポートは主にメールを使っていましたが、働く女性をメインターゲットにしていることから夜間、休日など営業時間外の問い合わせが多く、対応の遅れが課題になっていました。そこで、2014年にチャットボットを導入。ロボットながら「人間らしさ」を前面に出したキャラクターが人気を集めています。

また、顧客サービス以外の業務でチャットボットを活用する取り組みも進んでいます。空調機器メーカーのダイキン工業では、社内ヘルプデスクにチャットボットを導入し、パソコン・ネットワークの設定方法や不具合など、社員から寄せられるさまざまな問い合わせに対応しています。同社の主な導入目的は「業務効率化」でしたが、過去の質問内容分析による対応品質向上も実現されているということです。

実は、Traveler’sWAN SaaS型にも
チャットボット機能があるんです

チャットボットには、企業内で使われるシステムに組み込んで利用するタイプのものもあります。「Traveler’sWAN SaaS型」のオプション機能として2018年6月にリリースされた「旅費申請チャットボット」もその一つ。従来のシステムでは旅費の各項目(日付・行先・金額など)を手入力する必要がありましたが、本機能ではチャットボットから届く質問に「はい」「いいえ」などと答えていくだけで、効率的に申請を行うことができます。この仕組みは入力の手間を省くだけでなく、ミスの防止やコンプライアンス向上にも役立つソリューションとして期待されています。

チャットボット機能について詳しくはこちら >

数年後にはビジネスに不可欠のツールに

このように活用範囲が急拡大するチャットボットですが、導入にはあらかじめ質問と回答のシナリオを大量に用意する必要があり、その手間とコストがネックになっていました。しかし、最近はフローチャートで簡単にシナリオを作成できるツールや、低コストでチャットボット システムを運用できるソリューションが続々登場しています。

また、チャットボットは稼働開始後の改良(シナリオの追加・修正、AI型では機械学習)が欠かせません。的外れな回答も「まれに」なら笑いが取れますが、回を重ねればユーザーは確実に離れてしまいます。便利なサービスとして定着させるためにも、粘り強く育てることが大切です。

なお、チャットボットと聞いてスマートフォンの音声アシスタントを思い浮かべる方も多いでしょう。「Siri」「Cortana」「Alexa」といったこれらの仕組みも一種のチャットボットです。音声によるコンピューターとの会話も着々と進化を続けています。数年後には質問内容が「明日の天気を教えて!」のレベルから「来年度の事業計画についてアドバイスして!」という具合に成長し、ビジネスに不可欠のツールになっているかもしれません。底知れぬ可能性を秘めたチャットボットの将来性に期待しましょう。

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