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第2回【準備篇】
「e-文書対応」最初に行うべき2つのこと

「e-文書対応」最初に行うべき2つのことイメージ

e-文書対応、成功のカギは事前準備にあり

e-文書対応を実際に進めていく際に、まず何からとりかかるべきなのでしょうか。以下に、e-文書対応ロードマップのイメージをご紹介します。

e-文書対応ロードマップイメージ

私の経験では、e-文書対応に成功する企業は、事前調査・準備フェーズに多くの時間をかける傾向があります。e-文書対応の成否は、この準備段階の出来不出来にかかっているといっても過言ではありません。今回のコラムでは、この事前調査・準備フェーズにおける注意点についてご紹介したいと思います。

まずは部門横断プロジェクトチームの発足から

事前調査・準備フェーズにおいて特に重要なのが、部門横断のプロジェクトチームの発足です。私のこれまでの経験からいって、e-文書対応を一部門だけで推進することはあまりお薦めできません。

e-文書法とは、法令により紙での保存が義務付けられていたさまざまな書類のを一括して認めた法律です。その対象範囲は、広範囲にわたるもので、当時251本の法律に対して横断的に適用されるのがe-文書法なのです。

たとえば、経費領収書のスキャナ保存の導入ケースを考えてみましょう。最終的に領収書のスキャンデータを取り扱うのは経理なので、経理部門にプロジェクトを任せようとする企業が多くあります。しかし、経費の領収書を最初に受け取るのは大半が営業部門です。

営業員が、いつ、どこで、領収書を受け取り、それを誰が、どうやってスキャンするのか、本社だけでなく支社の場合にはどうするのかなど、営業部門側の事情もしっかりと把握しなければ、現実的な業務運用を設計することができません。

国税関係書類のほとんどは複数の部門がかかわることになりますので、営業など現場の関係部門と、情報システム部門、経理部門の代表者が集まりプロジェクト化できることが理想的です。このプロジェクトメンバーで、電子帳簿保存法への理解を深めていくのです。

そのプロジェクトチームが経営者直轄の特命チームであると、プロジェクトはさらにスムーズに進行できるでしょう。e-文書対応によって業務プロセスが変わり、一部門の手間や工数が増えてしまう場合、該当部門の抵抗や反発が起こる可能性があります。業務プロセス変更を全体最適の観点から行い、それをしっかりと遂行していくためには、やはり経営者の鶴の一声が必要です。経営者の後ろ盾を得たプロジェクトチームを組成することが、e-文書対応を成功に導く一番の近道だといえます。

自社の国税関係書類が、
どのように電子化できるかを知ろう

次いで重要なのが、現状業務プロセスの棚卸作業です。電子帳簿保存法では、国税関係書類のスキャナ保存以外にも、電子保存が可能な書類をいくつか規定しています。まずは、現在業務プロセスで発生している帳票類が、電子帳簿保存法の中で規定されているどの書類分類にあたるのかを把握し、スキャナ保存以外の方法で効率化することはできないかなど、全体的な観点から対象業務、対象帳票を洗い出すことをお薦めいたします。

電子帳簿保存法では、電子保存が可能な書類を以下の4つに分類しています。

typeA typeB typeC typeD
保存対象 自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成した帳簿データ 自己が一貫して電子計算機を使用して作成した書類データ 相手方から受け取った取引書類または自己が作成した取引書類写しのスキャンデータ 取引情報の授受を電磁的方式により行った場合の当該取引情報に係るデータ
該当電子帳簿保存法条文 第4条第1項 第4条第2項 第4条第3項 第10条
所属税務署への申請書 必要 必要 必要 必要
具体的には 貸借対照表、損益計算書などの会計帳簿 Excelやパッケージソフトで作成した見積書・請求書 紙の領収書、請求書をスキャンしたPDFデータ、JPEGデータ EDIデータ。電子メールによる受発注の記録等も含む

typeA「自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成した帳簿データ」とは、貸借対照表、損益計算書など、一般的な会計帳簿のことを指します。会計帳簿はすでに多くの企業が会計システム等によって電子化を実現しているので、ここでは詳細な説明は割愛します。

typeB「自己が一貫して電子計算機を使用して作成した書類データ」とは、Excelやパッケージシステムなど、なんらかの電子計算機処理システムによって作成される国税関係書類のデータのことを指します。たとえば、Excelで作成した見積書、請求書、発注書等はこれに該当するため、電子帳簿保存法の要件を満たせば、作成したデータをそのまま電子的に保存することが認められています。

typeC「相手方から受け取った取引書類または自己が作成した取引書類写しのスキャンデータ」とは、国税関係書類のスキャナ保存にあたります。電子帳簿保存法の要件を満たせば、紙の領収書、紙の請求書をスキャニングして作成されたPDFデータや、JPEGデータを保存することが認められています。

typeD「取引情報の授受を電磁的方式により行った場合の当該取引情報に係るデータ」とは、いわゆる電子取引でやり取りされるデータ全般を指します。EDIシステムでやり取りされるEDIデータはもちろん、Eメールでやり取りされる受発注の記録などもこれに該当します。

自社の業務プロセスで発生するさまざまな帳票が、上記4つのどの分類に該当するか、あるいは、該当させられるかを整理しておくことはとても重要です。このような整理を経ないと、たとえばExcelで作成した請求書、つまりtypeBに該当する書類をわざわざ紙出力し、それをスキャナ保存するプロセスを設計してしまうケースもありえるからです。

typeBの書類は、スキャナ保存の要件よりも比較的軽い要件を満たすことで、電子データとしての保存が認められるので、スキャナ保存ではなくそちらの運用に乗せて効率化をはかることもできます。無駄のない、適材適所のe-文書対応を検討いただければと思います。

「スモールスタート」が成功のポイント

「e-文書対応」最初に行うべき2つのことイメージ

事前調査・準備フェーズにおいてもう一つ重要なことは、「スモールスタートを心がける」ということです。現状業務プロセスの棚卸作業を行い、e-文書対応を適用する書類を決定する際、最初は範囲を限定し、適用を段階的に進めていく方が運用の定着がスムーズです。

e-文書対応を実際にスタートさせるには、税務署への申請が必要となりますが、この申請では国税関係書類の種類を限定して行うことができるのです。ですから、第一次フェーズは経費領収書のスキャナ保存、第二次フェーズは、見積書・請求書・発注書のスキャナ保存、といったように、範囲を限定しながらスモールに進めていくことがe-文書対応を成功に導くポイントとなります。

【執筆者】

アマノビジネスソリューション株式会社
営業本部 タイムビジネス事業推進部 部長
森口亜紀

時間管理用機器のトップメーカー、アマノ株式会社に入社。2000年、アマノビジネスソリューション株式会社に出向し、時刻配信・認証を主とするタイムビジネス事業の初期立ち上げメンバーとして活躍。現在は企業・組織のe-文書対応をコンサルティングする傍ら、タイムスタンプサービスの普及に尽力している。一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)ドキュメントマネージメントシステム部会部会長。

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