失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「ITで挑むコスト削減」編
2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。
(コスト削減6)
「在庫を最適化してコストを削減するには」
コスト削減に欠かせないのが在庫対策。
しかし自社の努力だけではもう限界だ。
サプライチェーンネの構造を知って、在庫最適化に挑もう。
(2009/8/11)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫
まず現状のサプライチェーンが、どのような構造で成り立っているかを見てみましょう。
商品が最終消費者の手元に届くまでには、図1.に示すようなサプライチェーンがあります。
上流の素材メーカから各種部品メーカ、ターゲット商品を製造する製造メーカ、需給のバランスをとり商品を揃えて小売業に供給する卸売業者、ニーズに合った商品を消費者に供給する小売業者、で構成されます。 完全受注生産(注文を受けてから業者に発注し一から商品を製造する方式)を除いては、一般的にサプライチェーンの各拠点業者で在庫を抱えており、下流業者からの注文に応じて出荷していく流れをとっています。
そもそもなぜ各拠点業者が在庫を抱える必要があるのでしょうか。 各拠点業者間の抱える在庫について、納入リードタイムと在庫の関係を見てみましょう。
図2.に示すように小売業者からの発注に対して、商品在庫がある場合と無い場合で大きく納入リードタイムが変わってくることがわかります。 商品の流通には物流が発生し、これには配送するためのリードタイムと物流コストが必要になってきます。
卸売業者に商品の在庫があれば、倉庫から出荷して卸-小売間のリードタイムと物流コストで済みます。 しかし、卸業者に在庫の無い場合は製造メーカに発注して購入後、小売業者に納入することになり、造-卸間のリードタイムと物流コストが必要になります。 更に製造業者に製品の在庫が無い場合は製造後の出荷になりますので、製造リードタイム分の日数が必要になります。 製造メーカは納入リードタイムを短縮するために、常に流れている商品に対しては自社の販売計画により計画生産(見込)を行い製品在庫が切れないような運用を行って納期の短縮に対応しています。
このように、サプライチェーンの各拠点業者が在庫を抱えるのは、各々リードタイムを短縮する対策を講じた結果なのです。 そしてこれら各拠点業者での在庫コストは、最終的に商品のコストの一部となって価格に反映されています。 実はここにコスト削減の余地があります。
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