前回のコラムでは、実行予算を作成しコストを管理することの重要性について紹介しました。今回は実行予算などの工事データの作成・管理をシステムで行うメリットについて説明します。
実行予算が果たす機能は大きく2つあります。1つ目は、計画機能です。見積もりよりも詳細に工事を数値化することで、目標がより具体的になります。目標がより具体的になれば、その目標を達成するための行動計画もより明確になります。2つ目が、統制機能です。実績と実行予算をそのつど比較することで、支出状況が把握でき、不要な支出を事前に防ぐことができます。また資料として工事のデータを残しておくことで、今後の工事の管理方法の修正なども可能になります。実行予算を作成することは、今回の工事だけでなく、今後の工事の低コスト化にも役立つのです。
事実、国土交通省が調査し作成した「専門工事業者の経営力向上研修会テキスト」では、実行予算を活用した効果として以下の点が挙げられています。
しかし、データの作成・管理には多くの時間がかかります。データをすべて残すと膨大な量の資料になり、目当ての資料を探すだけでも一苦労です。また、各地に拠点を持つ企業であれば、本社で集計を行うという企業も多いかと思います。その際に書類でデータを管理していたり、異なるフォーマットで資料を作成したりしていると、集計だけでも相当な時間がかかってしまいます。決算の締処理に約3週間もかかっている企業もありました。
このように工事データの作成・管理には時間と労力を要します。そこでシステムによる管理を推奨します。全社で共通したシステムを利用すれば、リアルタイムで情報が共有できます。また、同一のフォーマットを使用でき、データの管理、集計にも時間がかかりません。しかし、前回のコラムでも触れたとおり、システムを導入すればすぐに成果が表れるわけではありません。初めはExcelや市販のソフトなどから導入し、社内でデータ管理の基準やルールを固めることが重要です。より効率的な工事データの作成・管理をお求めでしたら、一度WorksproのHPを覗いてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
専門工事業者の経営力向上研修会テキスト
国土交通省総合政策局建設市場整備課
[佐藤 絢哉 記]
※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。
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