Excelでの経理処理を続けると、処理量が追いつかなくなったり、チェック漏れや処理不備が発生したりするリスクが増えてきます。可能であればできるだけ早い時期に経理システムの導入を検討したいところ。経理システムにはオンプレミス型とクラウド型があり、システムを選択する前にそれぞれの特長をしておく必要があ ります。また、第三の選択として経理処理のアウトソーシングも検討対象になりますので、その特長も併せて確認しておきましょう。
オンプレミス型とは、自社内に設置したサーバーにシステムをインストールするタイプのシステム形態です。
ソフトウエアライセンスを購入して自社サーバーにインストールするので、比較的自由にカスタマイズすることができます。もちろんカスタマイズ作業を専門業者に委託する場合はカスタマイズ費用がかかります。
社内イントラ環境に設置するので、経理情報などを外部へ持ち出す必要がなく、ネットワーク環境も閉じられた社内環境なのでセキュリティには優れています。
社内に設置するため、同環境や近い環境に社内システムが存在し、外部環境にある場合に比べてシステム連携が楽に行えます。
サーバーやインフラなどの環境整備やインストール、動作テストなどが必要なため、利用開始までには一定の時間が必要になります。またカスタマイズを行う場合はさらに準備期間が必要になります。
ライセンス購入やサーバー設置費用などが必要になり、一般的にはイニシャルコストが高くなります。
バージョンアップ時には通常新たなバージョンのライセンスの購入が必要になります。またバージョンアップ版のインストール工数またはインストール作業を外注する場合はその分のコストがかかります。
自社内設置のサーバーで運用するため、そのサーバーを管理する工数やコストが発生します。
クラウド型とは、インターネット上のサーバーにあるソフトウエアを、インターネットを通じて利用する形態です。サーバーはそのソフトウエアやサービスを提供する企業が用意し、ユーザーはそれを利用する形です。
サーバー設置やライセンス購入の必要がないのでイニシャルコストが低価格です。一般的には月額の使用料が課金されます。
環境整備やインストールの必要がありませんので、比較的短期での導入が可能です。もちろんカスタマイズを行う場合はその難易度によってカスタマイズ期間が必要になります。
インターネット上のサーバーにあるサービスを利用するので、インターネット環境さえあればどこでも利用することができます。ただし企業によってはセキュリティ上の理由から、利用できる場所を制限する場合もあります。
ソフトウエアやサーバーなどの環境の管理はサービス提供者側が行いますので、バージョンアップ対応やサーバー管理などを利用者が行う必要がありません。
基本的なサービスは全利用ユーザー共通で提供されますので、カスタマイズできる範囲が限定されています。
データベースがサービス提供者の用意するサーバー上にあるため、情報を外部に持ち出すことになり、社内のセキュリティポリシーに反する場合があります。
システム環境がインターネット上のサーバーにあるため、社内環境にある他システムとの連携には制限があります。
アウトソーシングは、経理処理自体をまるごと専門企業に外注して任せてしまう方法です。企業のビジネスプロセス変革(BPR)の一環としてそのような選択をする企業も増えてきています。
優れた人材はできるだけコア業務に集中して投入したいものです。経理処理をアウトソースすることで少なくとも経理業務に張り付かなければならない社員は不要になります。
専門企業が処理をするので、処理品質にばらつきが出たりミスが発生したりする頻度が少なくなります。
第三者の目で客観的にチェックされるので不正が発見しやすくなります。さらにそれが不正処理の抑止力として働きます。
通常は処理発生ベースでのアウトソース料金となり、一般的には自社社員の福利厚生も含めた人件費よりも安くなります。さらにコストが変動費化されるのでコスト管理上も有利になります。
契約に基づいての外注になりますので、契約外などの臨機応変な対応は難しくなります。
原票の回収やデータ授受などの要因により、処理されるまでの時間に一定の時差が生じます。
経理処理がブラックボックス化するので、自社内に経理のノウハウが蓄積されません。
経理処理システムといえば以前はオンプレミス型がほとんどでしたが、最近はクラウド型を選択する企業も増えてきています。初期投資の負担が少なく日常のシステム管理も不要なところが企業にとっては導入・運用しやすいものと思われます。日立システムズが提供し、国産パッケージとして長年の実績がある総合経 費管理システム「Traveler's WAN」は、利用者の状況に合わせて、「オンプレミス型」「クラウド型」いずれの形態でもシステム・サービスの提供が可能です。それぞれの特長を生かし、経理処理を効率化させることができます。 さらに、BPOサービスと組み合わせたアウトソーシングにも対応しているので、大規模なビジネスプロセス変革にも貢献することができます。
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