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(開発・導入)「システム導入プロジェクトメンバーの決め方」

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座「システム計画~運用」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

プロジェクトメンバーの決め方

(開発・導入1)
「システム導入プロジェクトメンバーの決め方」
A社は担当のシステム会社が決まり、設計の打ち合わせに入ったが遅々としてすすまない。遅延が明らかになったとき社長が立ち上がった!
(2009/11/17)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

あちらを立てればこちらが立たず

調査すると、ハード面での物流センターの準備は着々と進んでいました。 それに対してサポートするシステム開発が一向に進んでいないことを知った社長は、ネックとなっている問題を洗い出し対策を報告するようにプロジェクトリーダーに指示しました。

プロジェクトリーダーの報告は下記の通りでした。

抱えている問題点

  • (1) 配送便の種類と割当て優先順位のルールが決まらない。
    1点目の問題は、配送便の種類と割当て優先順位のルールが決まらないというものです。従来の方法として、A社は各地域の倉庫別に配送便を立てて納品していましたが、物流センターに一本化することになるときめ細かい対応ができなくなり、サービスレベルが落ちると営業からクレームが起きました。今回は大手スーパー主体に配送便の割当て優先順位を設定したいのですが、地域ごとの営業の要望も満足させようとしているため結論が出ません。
    A社はこれまで、長年の地域密着型営業によって確立した各地域商店会との太いパイプを強みとしてきました。しかし小売商店と大手スーパー両方に今までと同等レベルのサービスを維持提供するには、設備、人的資源、システムすべてにおいてコストが倍増します。そのため配送割当ての仕様の決定ができない状況に陥っていました。
  • (2) 商品の補充発注のロジックが決まらない。
    2点目には、日々の受注量に応じた商品の補充発注についての問題です。従来は営業担当が地域ごとに売れ筋を判断して商品を調達し、売れ残ると停滞在庫として各倉庫内に残っていました。これを全社としてみると無視できない在庫金額になるものの、バーゲンなどでさばこうとしても各地の倉庫に散らばった在庫を集約するだけでコストが発生するので、思うように処分できない状態でした。倉庫の統合と物流センター化には、この問題を解決し全社規模で在庫を最適化する狙いがありました。
    しかし一方で、物流センター一本化には、個別のニーズに応えるだけの在庫保持が出来るかという問題があります。また、物流センター構想を進めることは今までより保管スペースも少なくなるわけで、商品の回転率を上げないと今までの売上に対応するだけの在庫を保管できないというリスクもあります。さらに、大手スーパーへの納品を考えると特売品の企画、定番品の安定供給、新商品のデビュー戦略など、多くの要素を考慮した在庫補充計画が必要になることが、設計過程の中で浮き彫りになりました。
    このような種々の課題に対し、どこまでを自動化し、どこからを人の判断とするかはプロジェクトでは決定が難しく、設計が遅延する結果となっていたのです。

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