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(調達)「正しいITベンダーの選定・評価法」

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座「システム計画~運用」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

ベンダーの選定

(調達2)
「正しいITベンダーの選定・評価法」
『ITベンダー選定を間違った』― どのベンダー(システム会社)に任せるかは、システム構築の成功を占うカギ。 【付録】ベンダー選定・評価シート
(2009/10/15)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

構築段階に入って大問題が発生!

ベンダーとの契約も終わりシステムの構築段階に入りましたが、ベンダーから派遣されてきたのは提案を行ったベテランSEではなく、どちらかというとパッケージを説明するインストラクターレベルのSEでした。この担当SEにパッケージの機能を細かく説明を受けていくうちに、難しい問題が多々発生してきました。

例えば、現行のEXCELを使った生産手配の運用では、内示の計画を立て、確定状況に合わせて担当ごとにEXCELで調整する運用がありました。その中では、内示段階で生産に着手しなければならないケースも頻繁にありましたが、パッケージにはこれに対応できる機能がありません。運用の細部でこのような問題が頻発しましたが、担当SEは「パッケージの機能に従って運用してください」と言うばかりでした。現場の担当者の不安は図らずも当たる結果となり、新システムに切替えることが難しい部分はEXCELを併用する方向に傾いていきました。

結果、業務を見直し統合化によって改善するという当初の趣旨が、いつの間にか「パッケージありきという前提で業務を動かす、出来ない業務はEXCELで補完する」という方針に変わり、当初の目的を全く達成できないどころかパッケージとEXCELの二重管理を背負い込む結果となってしまいました。

構築段階での大問題

なぜこのようなことが起こったのか

段階を踏んで新システムを検討してきたはずなのに、このようなことがどうして起こってしまったのでしょうか。
それは、ベンダーの選定段階で大きな間違いを犯していたのです。
ベンダー選定の理由をもう一度振り返ってみましょう。

  • (1) 価格が3社中最も安い。
  • (2) 機能面では要求する機能を満たしている。
    (ただし、パッケージに合わせて自社の業務処理方法を変える必要がある。)
  • (3) 提案の印象が良かった。

価格が安いことは大切なことですが、目的が実現できることが前提です。しかし(2)で自社の業務を実現する場合の条件として、パッケージに業務を合わせる条件となっている、即ちベンダーは業務をパッケージに合わせて使ってくださいと言っているのであって、RFPの目的を実現するのはユーザーの責任であると言っていたのです。ベテランSEが流暢に説明した内容もパッケージ通りの運用が前提でした。
担当SEがベテランSEのレベルであれば、運用面の応用動作の提案などで若干状況は好転したかもしれませんが、ベンダーは前記の通り「パッケージに合わせる」というスタンスであったため、パッケージの説明・指導を主体にサポートを行う方針となったのです。

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