失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座「システム計画~運用」編
2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。
(調達1)
「失敗しないRFP(提案依頼書)の書き方」
ベンダー(システム会社)とのトラブルを避けるためのRFP。システムベンダーに合理的で有効な提案・見積を行ってもらうために、失敗しないRFPの書き方をおさえておこう。
(2009/9/15)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫
提案依頼事項はRFPの主文になります。ベンダーはここに書かれている項目を1項目ずつ分析理解して提案・見積に盛り込んでいきます。不明瞭な表現は読み手によって解釈が異なってきますので極力具体的に記述します。「速やかに処理」とか「ビジュアル化する」といった形容詞的な表現は避け、具体的な項目や数値目標をあげ内容を具体的に定義することが重要です。ともすると説明を省略して「現行の業務範囲は提案に盛り込むこと」などの表現をしがちですが、現行の業務範囲が具体的に何を指しているのかという資料を添付しなければ、全く意味のない表現になりますので注意が必要です。
提案依頼事項として記述すべき項目は、提案範囲(ハード機器、ソフトウエア等)、システムの機能範囲、納期およびスケジュール、運用条件、性能要件、開発体制の提示(SEの業務経験含む)などを記述します。ここで最終的にチェックすべきことは、下記の事項です。
上記のチェック項目をベンダーに提示する前に社内の導入検討メンバーと経営トップとレビューを行い社内のコンセンサスを得ておくことが大切です。この際にベンダーに提示するかは別として経営トップから本計画の概算予算枠の承認も得ておくようにすべきです。今後、決定までのステップで費用対効果を検討し計画の枠組みを調整していく局面が必ず出てきます。その時になって慌てない様に予算枠も早めに押さえていくべきです。
提案依頼の後、ベンダーは実現不可能な事項や疑問点があれば、質問をしてきます。質問に対する回答は提案依頼した全てのベンダーに公開するようにして同一の条件で提案が行われるような配慮が必要です。
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