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コロナ禍で変わった消費者の行動と心理を
データから読み解く!

コロナ禍において目まぐるしく移り変わる消費者行動。
データから消費者心理を読み解き、明日へのヒントを探る。

2020年初頭から瞬く間に全世界に蔓延していった新型コロナウイルス感染症。この新しい脅威は消費者の生活様式や購買行動、心の在り方を大きく変えました。

その変化の影響を大きく受けている業種の1つが小売業・流通業です。小売業・流通業におけるいくつかのデータを基に、コロナ禍で変化した消費者の行動と心理を読み解いてみたいと思います。

コロナ禍により大きく変化した消費者の購買行動と心理

新型コロナウイルス感染症の拡大により、小売業・流通業の現場においては消費者の購買行動に以下3つの変化が見られるようになりました。順番にご紹介していきましょう。

【変化1:生活必需品へのニーズの高まり】
 2020年4月に発令された緊急事態宣言を受け、外出機会の減少やリモートワークの普及が進み、自宅で過ごす時間が増加しました。これにより人々の購買意欲は自分自身の生活空間を快適に保つ、あるいは、自分自身の心身を健康に保つ方向へと向かいました。

たとえば化粧品などは、外出自粛やマスク着用機会が多くなったことで口紅やベースメイクなどメイクアップ化粧品の需要は減少しましたが、一方で洗顔料や化粧水などのスキンケア化粧品の需要はそれほど変わっていません。また、自宅時間が増えたことで、食品や生活雑貨の売れ行きも伸びています。コロナ禍を経て、生活における必要性の高い商品=生活必需品へとニーズがシフトする動きが目立っています。

【変化2:適切価格での購入】
 新型コロナウイルス感染症の影響による解雇や雇い止めが増加しており、雇用情勢が急速に悪化しています。経済や所得の先行きに不安が生まれたことから、生活に必要のない支出や物の購入を絞るだけでなく、生活必需品の購入についてはできるだけ適切な価格で購入したいというニーズが鮮明になっています。

【変化3:ECサイトの利用増加】
 緊急事態宣言の発令や外出の自粛にともない、ECサイトを利用した自宅にいながらのショッピングが増加しました。家具、家電、食料、衣類など、これまで店頭で購入される機会の多かった品目が便利なECサイトを通じて購入される機会が増えています。感染リスクをできるだけ抑えたいという消費者心理に対して、家まで届けてくれるECサイトの利便性が高く支持されているようです。

消費者の変化にフィットした業態はコロナ禍でも売り上げを伸ばしている

「生活必需品へのニーズの高まり」「適切価格での購入」「ECサイトの利用増加」という消費者の変化は、小売業の販売動向からも見て取れます。

経済産業省が2020年10月に発表した「2020年上期の小売業販売」の調査結果においては、業態別では「百貨店」「コンビニエンスストア」の販売額が減少し、一方、「総合スーパー」「家電大型専門店」「ドラッグストア」「ホームセンター」の販売額は増加しました。

「百貨店」「コンビニエンスストア」は、生活必需品の品揃えが薄いことに加えて、定価販売の商品が多く、また、EC化が遅れている業態でもあります。一方で、「総合スーパー」「家電大型専門店」「ドラッグストア」「ホームセンター」など好調な業態は生活必需品の品揃えが豊富であり、柔軟な特価販売が可能、さらにEC化の動きも百貨店やコンビニエンスストアと比較すると進んでいる状況です。こういった要因が、それぞれの業態における売り上げの明暗に影響していると思われます。

ここまで見てきたように、「生活に必要な物」を「お得な価格」で、「できればECサイトで買いたい」というのがコロナ禍における消費者の行動・心理の1つの傾向と言えるようです。

コロナ禍における消費者行動・心理の変化をビッグデータから読み解く

それでは、コロナ禍における消費者の行動・心理の移り変わりを、もう少しミクロな視点で追いかけてみることにしましょう。

日立システムズは「ID-POSデータ分析サービス」というデータサービスを提供しています。このサービスでは、全国のスーパーマーケット、ドラッグストアにおける膨大な購買履歴データを基に、全国やエリアごとのメーカー別、ブランド別、商品別の購買動向を把握することができます(おすすめソリューションはこちらからご覧ください)。

最初の緊急事態宣言が発令された2020年4月から6月までの、食品スーパーマーケットおよびドラッグストアにおける消費動向データをサンプルとして取り上げながら、コロナ禍において目まぐるしく移り変わっていく消費者の行動と心理の変化を見ていきましょう。

2020年4月の消費動向「おうち時間を楽しむ消費が拡大」

2020年4月には、食品スーパーマーケットにおける1レシートあたりの購買金額が17.7%増加しました。自宅での食事機会が増えたことや、外出自粛の影響により1店舗で必要な物をまとめて購入しようとする行動変化が背景にある要因と考えられます。

そして、食品スーパーマーケットでは、「デザートの素」「ホイップクリーム」といったお菓子作り関連商品の売り上げが前年同月比3倍以上に伸長しました。外出自粛の影響で、「おうち時間」を楽しむ消費が拡大している様子がわかります。

2020年5月の消費動向「自宅で手軽に食事を済ませたいニーズが増加」

2020年5月は、品薄だったマスクの供給が回復したことで、食品スーパーマーケット、ドラッグストアともにマスクの売り上げが伸長しました。食品スーパーのマスク売り上げは前年に対して約24倍という数字を記録しています。

ドラッグストアでは、おろしニンニク、おろしショウガ、ラー油などの「香辛料(からし、わさび以外)」や、手軽に調理できる「インスタント袋麺」が売り上げを伸ばしています。自宅で簡単に、手軽に食事を済ませたい消費者のニーズがうかがえます。

2020年6月の消費動向「家飲み&在宅勤務を楽しむための消費が増加」

2020年6月は「マスク」「ハンドソープ」「ウェットティッシュ」など感染予防目的商品が引き続き好調な売れ行きを見せました。

なお、ドラッグストアでは「炭酸水」の売り上げが前年同月比3割増と大きく伸長しました。「Zoom飲み会」という言葉が流行したように、家飲みが増えていること、また、在宅勤務によるドリンク需要増加の影響が考えられます。

中小企業でもビッグデータに基づくマーケティングが可能に!コロナ禍を乗り切るヒントにID-POSデータをご活用ください

ここまで見てきた3カ月間のデータから、新型コロナウイルス感染症拡大にともなう社会の動きに対して、個人の消費動向がダイナミックに反応している様子がおわかりいただけたと思います。

ご紹介したデータは、食品スーパーマーケットおよびドラッグストアにおける商品カテゴリ別の売り上げ伸び率ランキングが中心でしたが、日立システムズの「ID-POSデータ分析サービス」では、性別・年齢など顧客属性ごとの商品動向や、顧客一人ひとりの「リピート状況」「併買状況」、「スイッチング状況」等まで把握することが可能です。

その理由は、「ID-POSデータ分析サービス」が従来のPOSデータではなく、ID-POSという顧客のID(個人識別番号)が紐づいたPOSデータをデータソースとしている点にあります。

小売業では、買い物をするとポイントが貯まるポイントカードが数多く普及しています。「ID-POSデータ分析サービス」は、全国ドラッグストア、食品スーパーマーケットにおける全国約6,000万人規模の膨大な購買履歴データを基に統計化した市場データ(小売業や個人を特定する情報は含まれていない)を利用することにより、「誰が・何を・いつ・どこで・いくつ・いくらで買ったか」というように、市場における顧客属性ごとの商品動向をデータとして分析・可視化するサービスです。また、小売業における自社ポイントカード会員の購買データを小売業社内や取引先で分析・活用することができる小売業向けのサービスもあります。

ひと昔前まで、ID-POSデータを利用するには多額のシステム投資が必要でした。そのため、一部の大手流通業・小売業だけがID-POSをビジネスに活用することができました。しかし近年では、ID-POSデータの提供から分析までを導入しやすい費用体系のサービスとして提供されるケースが増えており、中堅・中小企業でもビッグデータを利用した高度なマーケティング活動が実践できるようになっています。

未曾有のパンデミック下においては、消費者行動や心理はもちろん、メーカー側の商品生産体制や物流供給網も平時とは大きくことなります。これまでと同じ方法で意思決定や店舗運営で変化にうまく対応ができないときには、本記事でご紹介した「ID-POSデータ分析サービス」をはじめとするビッグデータを利用したサービスや、先進のテクノロジー活用を通じて、ぜひこの難局を乗り切っていただきたいと思います。

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