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株式会社 日立システムズ

海外での実践的危機管理~海外進出企業編

【第6回】大変だ!みんな、集まれ!

丸腰の海外事業

知り合いのA氏と久しぶりにインターネットを利用したオンライン通話をしました。A氏は中小企業にお勤めですが、彼の会社は幅広く海外展開しているそうです。

A氏:「うちの社長がね、海外危機管理体制を導入すると言いだしたんだよ」
私 :「ってことはさ、今は丸腰で海外に出てるってことか?海外駐在員や帯同家族の皆さんが可愛そうじゃないか。みんなが行きたくて、海外に行ってるわけじゃないだろ?」
A氏:「そうなんだよ。今まで海外の安全なんて真剣に考えたことはなかったが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大で大変なことになってるからな。でも、うちのような小規模な会社に、そんな大そうな仕組みが必要あるのかな?」

海外危機管理体制って難しいの?

大企業は組織上、細かく機能が分かれていて職制の数が多く、業務の運営は「縦割り」になりがちです。そのため、大企業では海外事業の運営が中断・停滞するような危機事象、海外駐在員や帯同家族、出張者、現地従業員の身体・生命を脅かす事象への対応について、組織、判断基準、対処行動をあらかじめ規定しておかないと、迅速な動きがとれないのです。
今回の新型コロナウイルスのパンデミックに際して、大企業の対処行動がおおむね迅速に行われたのは、2009年の新型インフルエンザ発生を契機に、感染症パンデミック対応マニュアルが整備され、各社が適切に対応したことが要因の一つに挙げられます。

A氏:「うちみたいな小さな会社が、そんな専門的な仕組みを取り回すのは、難しいよ。毎日、みんな目の前の問題に振り回されているからな」
私 :「変なこと聞くが、学生の頃、試験勉強で教科書を丸ごと暗記してた?」
A氏:「いや、ヤマをはって、そこを重点的に暗記したよ」
私 :「俺たちが社会人になったころ、Eメールも携帯電話も無かったよな?あの頃は会社で問題が起こったら、どうしてた?」
A氏:「上司からすぐに人を集めろ!って言われて、関係者全員で上司のデスクを取り囲んで打ち合わせをしていた。やり方はアナログだったけど、あの頃のほうがお互いのことを分かっていたから一体感があったし、今よりも判断が早かったかもしれない」
私 :「海外危機管理体制の導入とは、みんなで走りながら考える、部門横断的な組織体制を立ち上げることなんだ」

大変だ!みんな、集まれ!

一般的に海外危機管理は、主に海外駐在員、帯同家族、出張者、現地従業員の身体・生命が危険に晒されたときの組織的対応をさしています。対象とする事象は、一般犯罪、誘拐、脅迫、テロ、暴動、クーデター、紛争、自然災害、交通事故、病気、怪我、感染症罹患、パンデミックなどとなっています。

進出先の国ごとに、発生頻度の高い事象や、頻度は低くても巻き込まれたときに甚大な損害を被る可能性がある事象などを想定し、あらかじめ「何が起こったら、だれが、何を、どうする」という組織的な動き方を決めておくことが重要です。それは、受験勉強のときに、「どこが出題されそうか?」を予想して、対策を練るのと似ています。

万が一、緊急事態が発生したら、「大変だ!みんな、集まれ!」と社長を本部長として各部門責任者で構成する「緊急対策本部」を召集し、その場で迅速に判断・対応を決定して、それぞれの部門が割り当てられた役目を果たすのです。それは、インターネットが無かった時代に、部下たちが上司のデスクを取り囲んで、報告・情報共有・判断・指示が、ほぼ同時に行われていたことと同様です。

緊急対策本部は、ほとんどの企業において社長(本部長)、副社長(副本部長、本部長の第一代行者)、事務局(総務部、海外危機管理担当)、人事部(従業員・家族対応)、営業部(顧客対応)、調達部(協力会社対応)、広報部(メディア・ステークホルダー対応)という具合に本来業務の機能に基づいた役割が与えられ、いわゆる「餅は餅屋」という合理的な機能編成で構成されます。

海外危機管理体制は、企業が保有している機能やマンパワーを効率的に結集して、海外で活動する仲間と会社を守り抜くための仕組みだと言えるでしょう。

信用の維持

私 :「今回のコロナ禍で、日本ではマスクしてない人には近寄りたくないっていう雰囲気があるだろう?」
A氏:「そうだね。値段が高くてもマスクを買ったし、無けりゃ、洗ったり手作りしたりして間に合わせたよな。飲食店ではマスクを着けない客は入店お断りとするところもあるようだし」
私 :「それと同じで近い将来、海外危機管理体制を導入していない丸腰の会社は、いつ何時、事件や事故に巻き込まれて操業停止するか分からないから、信用を損ねて取引先のサプライチェーンから排除される時代が来るかもしれない」
A氏:「なるほど、企業規模に関係なく、必要な仕組みなんだな」
私 :「従業員の安全に企業規模は関係ないよ。従業員の安全について、みんなで知恵を絞り力を合わせて守る努力をすることが、会社の信用維持につながるんだ。安全配慮にかかる時間と費用はコストじゃなくて、投資と考えるべき時代になったんだよ」

「海外危機管理」に関するクイズにチャレンジしてみませんか?

※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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