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海外での実践的危機管理~海外進出企業編

【第4回】「見知らぬ人」の神話

知らない「おじさん」

海外では多くの子どもたちが誘拐されている現実があります。米国では、スーパーマーケットなどで行方不明になった子どもたちの写真が張り出されているのを、よく見かけます。このことは、児童誘拐が市民生活の大きな脅威であることを示しています。
児童誘拐が頻発している国では、身代金誘拐だけではなく、被害者が性的暴行を受けたり、最悪のケースでは事件発生後の短時間で殺害される場合もあると言われています。

私たちは子どものころ、両親や教師から「知らないおじさんには、付いて行っちゃいけないよ!」と教えられてきました。大人たちは私たちに「知らないおじさん」を、「いかにも怪しい風体のおじさん」という印象とともに語り聞かせたのです。
そして大人になった私たちは、今でも自分たちが受けた教育のとおりに「知らないおじさん」を怪しいイメージの人物として子どもたちに語り、「見知らぬ人」=「怪しい人」という神話を創り上げていきました。

結果として、私たちに教えられてきた子どもたちも「見知らぬ人(怪しい風体の人)」だけを警戒するようになってしまったのかもしれません。

「見知らぬ人」だけが誘拐犯なのか?

児童誘拐犯には乱暴に拉致する犯人がいる一方で、「見知らぬ人」の神話を巧みに利用してターゲットの警戒を解いてから連れ去る犯人も、多く存在することを知っておかなければなりません。彼らは、外面上は「周囲に溶け込んだ人」を装っている場合が多く、ターゲットを物色している段階から、大人たちからですら違和感を持たれないように行動しています。彼らは決して恐ろしい顔をした乱暴な態度の人物ではなく、「普通の人」に見える場合が多いということを知る必要があります。

例えば、子どもたちが公園で遊んでいるとき、可愛い子犬を連れた優しそうな男性がいたとします。この人物と何回か子犬のことで会話したとしたら、子どもたちはこの人物を「見知らぬ人」と認識するでしょうか?
そしてある日、「子犬が逃げて困ってるんだ。見つけてくれたらキャンディーあげるから、一緒に探してくれないか」とその人物に頼まれたとしたら、子どもたちはどうするでしょうか?

また、車に乗った真面目そうな男性から「名前」を呼ばれ、「君のお母さんが交通事故に遭った。お父さんから君を病院に連れいくよう頼まれたんだ。さあ、早くこの車に乗りなさい」と声をかけられたら、子どもはどうするでしょうか?

「あのね、おじさん道に迷ってしまったんだ。〇〇へ行きたいのだけど、道案内してもらえないかな?」と頼まれたら、両親や学校から人助けを指導されてきた心優しい子どもはどうするでしょうか?

これらは、実際の児童誘拐で使われる手口で、犯人の人物像は「見知らぬ人」「怪しい人」ではなく、「以前に見かけたことのある人」「話をしたことがある人」だったり、「優しそうな人」「親切な人」「助けを求める人」だったりする場合が多いと言われています。

「見知らぬ人」の神話

実際の児童誘拐犯の人物像や手口を観察すると、「見知らぬ人」というあいまいな犯人像を連想させる言葉は、なんら具体性の無い単なる神話に過ぎないことに気が付きます。

日本でも海外でも、児童誘拐は子どもが独りになったとき、発生確率が最も高いと言われています。人気のない場所(自宅の庭や周辺も含む)だけではなく、ショッピングモール、遊園地、子どもが所属するスポーツクラブの大会会場などは、人波に紛れやすく、犯人に子どもが手を引かれていても周囲の大人たちには「親子連れ」に見えて違和感を持たれにくく、かえって犯行を行いやすい場合があるので、決して油断すべきではありません。

児童誘拐が多発する国では、「親がそばにおらず独りぼっちになってしまったとき、または子どもたちだけでいるとき、悪い人が近寄ってくる」ことを、子どもにしっかりと意識させる必要があります。これは「警戒すべき状況になったこと」を理解させ、絶対に人に付いて行かないよう指導することを意味しています。万が一、独りになってしまったときに接近、声掛け、頼みごとをしてくる人がいたら、男女を問わず大人全員を「怪しい人」と見なすよう指導する必要があります。
さらに重要なことは、誘拐しようと接近してくる「悪い人」は、「普通の人」「親切な人」に見える場合が多いことも教えておくことが重要です。
万が一、独りになってしまって声掛けされた場合を想定し、「誘われても、付いて行かない」「車には絶対乗らない」「何かお願いされても、きっぱり断る」「親の許可をとると言って急いで立ち去る」「勇気を出して大声で助けを呼ぶ」「躊躇せず走って逃げる」などの対処行動を、渡航前に子どもに指導しておくことは非常に重要です。
しかしながら、犯人にとって子どもたちは極めてぜい弱なターゲットであり、子どもたちの自助努力だけでは限界があり、常時、親の保護が必要です。海外で生活する子どもたちにとって最も大きな脅威は、親が「油断して子どもから目を離して、独りにしてしまうこと」だということを、決して忘れてはなりません。

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※ コラムは筆者の個人的見解であり、日立システムズの公式見解を示すものではありません。

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