(写真左から)パイオニアファインテック株式会社 飛知和 伸幸 氏、浅野 勇 氏、株式会社日立システムズ 黒澤 苑子、鈴木 明彦
高級自動車ブランドのオーディオ部品製造を行うパイオニアファインテック株式会社様(以下、パイオニアファインテック様)は、生産管理・在庫管理を中心とする基幹システムに「FutureStage 製造業向け生産管理システム」を導入しました。「FutureStage」導入により業務プロセスを変革することで、「在庫の見える化」を実現しました。在庫回転日数を9日から7日へ短縮するなど、さまざまな経営メリットを実現しています。
導入前の
課題1 |
属人的な在庫管理のため、正確な在庫数量を把握できない。
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導入後の
効果1 |
「FutureStage」および無線LANハンディターミナルの導入で、正確な在庫数のリアルタイム把握を実現。
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導入前の
課題2 |
帳簿在庫と実在庫があわず、年度末の経営数字のズレが大きい。
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導入後の
効果2 |
原材料および工程別在庫の正確な把握と、システム上での一元管理により、正確な経営数値の取得を実現。
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導入前の
課題3 |
基幹システムが老朽化しており、経営環境の変化や、新しい業務ニーズに対応できない。
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導入後の
効果3 |
パッケージをベースに、柔軟なカスタマイズが可能な「FutureStage」の導入により、変化に対応できるシステム基盤を実現。
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FutureStage 製造業向け生産管理システムを導入。
(本番稼働は2015年10月)
製品名 | FutureStage 製造業向け生産管理システム |
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導入機能 | ●生産管理 ●販売管理 ●在庫管理 ●購買管理 ●技術管理 |
クライアント数 | 10CAL |
老朽化した基幹システムを改修し、経営環境の変化に対応できるIT基盤を構築したい。
パイオニアファインテック
管理部 部長
浅野 勇 氏
パイオニアファインテック様は、独自開発の基幹システムを20年以上にわたり使用していました。しかし、老朽化したシステムでは、近年の経営環境の変化、および業務ニーズの変化に対応しきれないことから、システムのリプレイスを検討していました。
旧システムはEDIの取り込みと発注を基本とする受発注システムでしたが、生産管理・在庫管理はほとんど使えていない状況でした。社内で作られたものを在庫として計上し、ただ入出庫管理をするだけのシステムになっていたのです。
特に大きな課題は在庫管理にありました。
在庫管理機能は備わっていたものの、現行業務プロセスがシステム開発当時とは大きく異なっており、機能を業務に使用することができなかったのです。
その結果、属人的な在庫管理に頼らざるを得ず、在庫不足が生産ラインに影響しないよう多めに在庫を持つなどのムダが生じていました。また、手作業による在庫管理は、帳簿在庫と実在庫がかい離する要因でもあり、年度末には多くの廃棄損が発生していました。
経営、および業務の両面において、基幹システムのリプレイスは喫緊の経営課題になっていました。
「FutureStage」なら、導入後に自社業務がどのように変わるかを明確にイメージできた。
パイオニアファインテック
管理部 総務グループ
飛知和 伸幸 氏
2014年から本格的にリプレイスの検討を始めたパイオニアファインテック様は、新システムのベンダー候補を3社に絞り込みました。各パッケージを導入したらどのようなメリットがあるか、業務に合わせてどこまでカスタマイズできるか、操作は分かりやすいものか。業務メンバーの意見も取り入れて調査を行いました。
選定の結果、日立システムズの「FutureStage 製造業向け生産管理システム」が採用されました。
「FutureStage」は他社製品に比べ、画面や機能がよく作りこまれており、業務がどう変わるのかをイメージしやすい点が評価されました。また、会社ごとに異なる細かな要望にも応えられる柔軟性を持つため、パッケージと業務の差異を調整できる点が安心感につながりました。
「他社は、『業務にあわせて徹底的にカスタマイズする』という導入を提案してきました。しかし私たちは、優れたプロセスに学びながら現行プロセスを改善したいと考えていたので、FutureStageを軸に業務を変える日立システムズの提案を評価しました」(浅野氏)。
「他社製品では、カスタマイズ費用がどこまで膨らむのかが不透明でした。その点、FutureStageは費用面でも明確なイメージができたので安心できました」(飛知和氏)。
さまざまな製造業に豊富な導入実績を持つ「FutureStage」の汎用性の高さも評価され、選定メンバーは満場一致で「FutureStage」の採用を決定しました。
在庫回転日数を9日から7日に短縮!現行EDIシステムとの連携でスムーズな移行を実現。
導入作業は、現行EDIシステムをそのまま残し、その他の基幹業務を「FutureStage」に置き換える形で行われました。
「FutureStage」のEDI連携機能を利用することで、システム改修範囲や費用を抑える工夫がなされています。
一方、在庫管理の適正化については、無線LANハンディターミナルを10台新規導入するなど、積極的な投資が行われました。
端末の選定から読み取りソフトウェアの開発まで、日立システムズがワンストップで対応することで、スムーズなハンディターミナル導入が実現しました。
こうして、課題であった在庫管理には大きな改善効果が表れています。
部品や原材料はもちろん、半製品など工程別の在庫まで「見える化」が実現したことで、在庫回転日数は9日から7日へと短縮されました。
帳簿上在庫と実在庫の差異も今後解消され、経営数字のかい離も改善されていく見込みです。
今後、パイオニアファインテック様では、自動車部品業界特有の「3カ月内示」に対応したMRP(資材所要量計画)も「FutureStage」で実践していく予定です。
20年以上使い続けた旧システムから「FutureStage」への移行はスムーズに実現しており、さまざまな経営メリットをもたらしています。
システムリプレイス成功の要因は、日立システムズの対応力にあった。
20年以上慣れ親しんだ業務とシステムを変えることは、簡単な作業ではありませんでした。しかし、「FutureStage」の柔軟性がこれまでのやり方と新しい業務のギャップをうまく吸収してくれました。
また、プロジェクトを通じて、日立システムズのSE鈴木さんには本当にお世話になりました。現場メンバーの細かな要望を吸い上げ、それを実現してくれる対応力、技術力にはとても助けられました。
カスタマイズから逸脱しているようなことまでいろいろと相談に乗っていただき、提案からパッケージへの適応まで柔軟に対応してくれました。
システムの本格活用はこれからですので、今後も引き続きご支援いただきたいと思います。
パイオニアファインテック株式会社様は、カーオーディオ、およびカーナビゲーションの操作パネル生産を主な事業としています。高い精度が要求される樹脂加工の分野において、パイオニアグループで培った各種試験・解析などのノウハウを生かし、金型の設計から樹脂の成形、塗装、印刷、レーザーカット、組み立てまで、すべての工程を一貫して対応し、常に完成品を想定した高い基準でものづくりを行っています。
ISO 14001認証取得、および最新の塗装設備・塗装環境設備などにより、環境への負荷を減らし、地域・社会とも共生しながら、お客さまが安心できる樹脂部品を作り続けています。
担当より一言
日立システムズ
営業 黒澤 苑子
何年後も「FutureStage」で良かったと思っていただけるよう今後も支援します。
今回はお客さまの多大なご協力があり、無事に本稼働を迎えることができたと感じています。長年使い慣れたシステムからのリプレイスだったため、大変なことも多かったと思いますが、新業務の検討や移行の計画など、積極的にご参加くださいました。システムの効果が見えてくるのはこれからだと思いますが、何年経っても「FutureStage」を選んで良かったと思っていただけるよう、今後も精一杯支援させていただきます。
日立システムズ
設計 鈴木 明彦
「FutureStage」にたくさん触れていただいたことで無事稼働し、感動しました。
今回のシステムはEDIとMRP、ハンディターミナルがメインで、旧システムと操作が大きく変わる部分でもありました。そのため、新しいシステムの仕様に慣れていただくことは大変でした。しかし、お客さまの多大なご協力のもと、積極的に「FutureStage」に触れていただけたことで、無事に稼働を迎えることができました。引き続き、お客さまの発展に貢献できるよう尽力します。
取材にご協力いただいたお客さま、ご協力ありがとうございました。
取材日:2016年3月
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