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(写真左から)株式会社アーネスト 取締役NAP事業部長 今村 宣彦 氏、代表取締役社長 永塚 政義 氏、株式会社日立システムズ 黒澤 苑子

  • 業種自動車再生部品・新規部品の製造・販売・輸出
  • 特長リビルト部品の製造・販売、製販一体化システムの実現

自動車部品のリビルト(再生)製造販売の国内トップメーカーである株式会社アーネスト様(以下、アーネスト様)は、業界初の製販一体化システムの実現に向けて、「FutureStage 自動車部品業向け生産管理システム」を導入しました。まずは一部の在庫管理を含む販売業務からスタートし、その後、IT化が手つかずであった生産業務や購買業務などを順次システムに取り込む計画です。一方、国外では中国工場の「FutureStage」導入が決定し、着々と準備が進められています。

導入前の
課題1
製造業務をシステム化したい。
導入後の
効果1
生産管理システムの「仕組み」が稼働した。
導入前の
課題2
社内情報を一元管理したい。
導入後の
効果2
データの一元化により、マスタの二重管理が不要となった。
導入前の
課題3
ムダな在庫を減らしたい。
導入後の
効果3
エクセル管理がなくなり、仕掛り品の状況把握にも目途が立った。

(導入状況)

FutureStage 自動車部品業向け生産管理システムを導入(本番稼働は2015年4月)

今回導入のシステム

製品名 FutureStage 自動車部品業向け生産管理システム
導入機能 ●技術管理
●販売管理
●生産管理
●購買管理
●在庫管理
クライアント数 40CAL

システムイメージ図

システムイメージ図

(導入目的)

導入の目的は「製造部門のシステム化」「情報の一元管理」「ムダな在庫の削減」この3つ

オフィス内の風景
オフィス内の風景

アーネスト様では、2004年から販売管理システムのパッケージソフトを導入していましたが、伝票などの帳票類の発行が主体のシステムであったため、在庫情報を見ることができませんでした。そこで、販売管理システムとは別にグループウェアソフトを導入して社内で在庫情報のデータベースを作り、別管理で対応していました。

業種柄、顧客からの電話によるお問い合わせが多く、通常月で1日8,000件、繁忙期の夏場には1日18,000件にも跳ね上がり、これを20名のオペレーターで対応します。1件あたりの回答時間は平均すると約5分ですが、待ち時間が長くなるほど受注率は低下する傾向にあり、回答時間にはスピードが求められます。
顧客からお問い合わせがあると、オペレーターが販売管理システムとグループウェアソフトの両方の情報を確認しながら回答し、受注が確定すると、両方のマスタ情報を書き換えます。一定のルールは決められているものの、担当者によって販売管理システムとグループウェアソフトの使い方が異なり、実際には2本立てのシステムが走っているような状況が続いていました。

また、在庫管理といっても管理できるのは完成品の在庫のみで、仕掛かり品の把握には対応していませんでした。
「在庫が2個の品番のものが2個売れたら、その後は『ない』と答えるしかないのです。オペレーターの中には、電話を保留にして製造部門まで行き、製品がいつ完成するのか、聞いてくる人もいたほどです。」(今村氏)

情報の統一が取れない状況は製造部門にも見受けられました。
部署ごとに工程管理の方法がまちまちなうえ、製造部門のIT化はEcxel管理のみという、ほとんど手つかずに等しい状態だったのです。
「Ecxelの記入方法は統一していたはずなのに、担当者によって、品番を『A2』と書く人もいれば『A-2』と書く人もいます。挙句の果てには、違うものだと思って購入してしまうのです。ほかにも、オルタネーターで使うベアリングとスターターモーターのそれとが共通のものであっても、それぞれに発注してしまうのです。」(今村氏)

これらの問題を解消し、製販が一体となったきめ細かな情報管理を行うため、2013年3月、新システムを導入することが決定しました。
新システム導入の目的は、生産管理をはじめとした製造部門のシステム化を行うこと、社内の情報を一元管理すること、ムダな在庫を減らすこと、この3つです。

(選定理由)

日立システムズ担当者の「何でも対応します」その姿勢が素晴らしかった

最終検査場
最終検査場
電装品の工場内
電装品の工場内

新システムには、既存の販売管理システムのベンダーによるリプレイス、オリジナルを一から立ち上げるシステム、など複数の候補が挙がりましたが、社内では既存ベンダーにグループウェアソフトを包含したシステムを作ってもらうリプレイスでいこうと、話は進み始めていました。

その折、取引先から「FutureStage 製造業向け生産管理システム」を紹介されました。提案内容は、自動車部品製造業における業界特有の機能をサポートするテンプレート「FutureStage 自動車部品業向け生産管理システム」をベースに、必要な機能はカスタマイズによって構築するというものです。
「最初、『FutureStage』は当社には合わないだろうと思っていました。日立システムズは大企業向けというイメージがあったので、当社のような中小企業が導入したら面倒になるだけだろうという印象を受けたのです。」(今村氏)。
しかし実際には、「FutureStage」が中小企業向けのソフトウェアであること、製造と販売・購買などの社内情報の一元管理が可能であること、パッケージでありながら柔軟なカスタマイズが可能であること、将来的に業容が拡大しても対応できること、などの特長を携えたシステムであることが分かりました。

「自社の業務をシステムに合わせるという姿勢も必要だと思いました。当然ながらこちらも上を目指して変わっていこうという気持ちがあったので、今のまま現状を維持していくつもりはなかったのです。それでも、どうしても合わない部分や必要な機能はカスタマイズをしようと。日立システムズを選んだ決め手は、一番の課題であった『製造部門のシステム化』に関して、どこよりも細かく説明してくれたことです。でも何よりも、営業やSEの姿勢が良かったですね。『何でも対応します』その営業力が素晴らしかった。」(今村氏)。

(導入効果と今後の展望)

3年構想の導入計画-中国工場でも導入決定

FutureStageの操作
FutureStageの操作

「現場もようやく新しいオペレーションに慣れてきたばかりで、まだ明確な数値としての効果は見えていませんが、生産部門のシステム化が、まずは『仕組み』として稼働を始めたことに大きな手ごたえを感じています。」(今村氏)

FutureStageの導入から2カ月。アーネスト様では将来にわたって長く使い続けるためにも、システムの稼働を3つのフェーズに分けて進めています。

第1フェーズとしてスタートを切ったのが、在庫管理の一部を含む販売管理であり、目標は新システムの操作に慣れることと、一元管理に向けての社内の意識の統一、そしてお問い合わせ回答時間のスピードアップです。
これまでの販売管理が既存のパッケージソフトとグループウエアの2本立てであったのに対し、現在は「FutureStage」がメインです。一画面で確認ができるので、オペレーターが回答に要する時間はすでに短くなりつつあり、「従来に比べて3割ほど短縮できる手ごたえがある」そうです。単純比較でいえば、従来5分かかったものが3分半に短縮されるわけで、「これが受注率の向上につながることを期待しています。」(今村氏)
生産管理については、当面の課題であった仕掛かり品の状況把握に目途を得ており、これができればお問い合わせに対しても「1日待っていただければ、出来上がります」といった回答が可能となるため、機会損失を防ぐことに繋がります。 

第2フェーズでは、現在並行稼働中のグループウェアソフトを完全に「FutureStage」へ移行するとともに、メールによるお問い合わせに対し、サーバーを介して在庫状況を自動的に顧客に伝える仕組みを取り込む予定です。

そして第3フェーズにおいて、製造部門での材料投入からのきめ細かな管理をはじめ、懸案事項をすべて解決した一元管理を完成させる予定です。

それぞれのフェーズに要する期間は約1年。3年後にはすべての計画が完了する見通しです。
一方、国外では、本年9月に操業予定の中国工場においても「FutureStage」の導入が決定し、本稼働に向けて着々と準備が進められています。
さらにベトナムの量産工場でも、本年10月までには国内と同様の仕組みを適用していく予定です。

(評価)

「FutureStage」の導入によって、今、ようやくスタート地点に立った

アーネスト 取締役NAP事業部長 今村 氏
取締役NAP事業部長
今村 宣彦 氏

「今回の新システム導入は、まずは実際に使ってみて、必要な機能はカスタマイズしていくというスタンスでしたので、本当にこれからです。
あとは、社内でどう活用していくかですが、『FutureStage』の導入によって、今、ようやくスタート地点に立ったところだと思っています。
システムの導入に際しては、何がしたいか、どうしたいか、そういったビジョンをしっかり持つこと、また、やると決めたことは徹底してやる、といったことが大事だと改めて痛感しています。システムを導入すればなんとかなると思ってはいけませんね。それでは効率が良くありません。
『FutureStage』が本稼働してまだ2カ月ほどですが、日立システムズは問い合わせのレスポンスが早いのでとても助かっています。担当の営業・SEの姿勢や対応は、大変評価しています。」(今村氏)。

お客さまについて

株式会社アーネスト様は、自動車業界におけるリビルト部品の国内トップメーカーであり、業界に先駆けてISO9001、同14001を取得するなど、同分野のリーディングカンパニーでもあります。駆動系部品のドライブシャフト、電装系部品のオルタネーター、スターターモーター、エンジンコンピュータ(ECU)などが代表的な生産品ですが、それ以外にも、燃料系、操作系、点火系、排気系、換気系、冷却系部品など、生産品は約3,000品番におよびます。また近年は、リビルト部品だけでなく、イグニッションコイルや各種センサーなど、リビルト部品を補完する新品部品も手がけ始めています。

株式会社アーネスト様会社ロゴ

設立
1993年6月
資本金
15,112万円
従業員数
131名
代表者
代表取締役社長 永塚 政義
所在地
埼玉県吉川市会野谷1-173-1
事業内容
自動車再生部品製造・販売・輸出、自動車中古部品の輸出
URL
http://www.rap-honest.co.jp/

担当より一言

日立システムズ 営業 黒澤 苑子
日立システムズ
営業 黒澤 苑子

自動車部品テンプレートの対応範囲が広がりました。

自動車部品のリビルト(再生)製造販売の構築を経験させていただき、自動車部品テンプレートの対応範囲が広がったと感じています。
この経験を生かし、システム構築を通じ、より多くのお客さまに貢献していきたいです。

日立システムズ 設計 長谷川 佳樹
日立システムズ
設計 長谷川 佳樹

今後も、アーネスト様の「今後の発展」のために尽力する所存です。

今回のシステム構築では、業務スピードの向上が1つのテーマでした。そこで、現場の作業者と打合せをし、ご意見やご要望を取り入れながらシステムを構築するというやりがいのある仕事ができました。システムが無事稼働したのは、お客さまの多大なご協力のおかげです。今後も引き続き、ご要望に柔軟に対応し、アーネスト様の「今後の発展」のために尽力する所存です。

取材にご協力いただいたお客さま、ご協力ありがとうございました。

取材日:2015年6月

本事例に記載の情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。

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