失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「ITで挑むコスト削減」編
SWOT を作成してみましょう
SWOTミーティングが始まりました。
先ず、社長から、キックオフの挨拶があり、配布した社長メッセージを説明しました。
まとめ役として業務部長が全体の進行を行うことで会議を進めました。
業務部長は事務局として全体をまとめますが、自己の意見は差し控えメンバーの発想を邪魔しないように注意して進めるように心掛けました。
メンバーから上がった意見は以下の通りです。
さて、ここからは簡単な例題です。
メンバーからの各意見は、強み(Strong)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の いずれかに位置づけることができます。
各意見がどの象限に当てはまるかを判断して、SWOT分析のテンプレートにプロットしてみましょう。
例題と分析結果(解答例)は、各メンバーの意見下部のPDFでダウンロードできます。
【例題】 各メンバーの意見

- (営業1)大型製品の輸出は円高の影響で受注が減少している。
- (営業2)国内は在庫調整、設備投資凍結で当面、受注増は見込めない。
- (営業3)中国の商社から、小型で安価な製品の引き合いが入った。
- (営業4)中国の商社では、今後、小型で安価な製品が増加すると言っている。
- (営業5)中国の商社経由でマーケットの詳細の調査は可能(1ヶ月程度期間が掛かる)。
- (営業6)当社で小型・安価の製品は個別生産のため原価高になって取引できない。
- (営業7)原価の話に終始して新しい引き合いの話になかなか乗らない風土がある。
- (営業8)当社の大型製品は耐久性、保守サービスに定評がある。

- (生技1)新しい仕事を検討したがらないのではなく、日常業務に追われ時間が無い。
今後は定例の検討会を開催し、メールでのやり取りにも心掛ける。
- (生技2)大型製品のコストは絞り込んでいる。
このままでは限界に近い。
- (生技3)小型製品向けであればローコスト版は試作が可能な段階に来ている。
- (生技4)小型製品のニーズがはっきりしないと製品スペックが決まらない。
- (生技5)市場価格が見えていない。
- (生技6)大型製品の技術の延長線上ならば新製品の立ち上げは早くできる。
- (生技7)能力スペックを落としてサイズダウンする設計ならば早くできる。
- (生技8)用途によって新仕様があり、この要求レベルが問題である。

- (製造1)大型製品のラインは現在3ライン中受注が減って1ラインは休止状態である。
- (製造2)小型製品が立ち上げられるなら、休止ラインが活用できる。
- (製造3)現在の製造担当者はある程度熟練度も上がっており、効率が上げられる。
- (製造4)このままでは、ラインの縮小を実施せざるを得ない。
- (製造5)新製品のラインに更新して安定して製品を出荷するには設備改造費、人員の教育費が必須である。

- (調達1)購入部品の金型はサイズダウンをベースにすると業者とコスト圧縮交渉可能。
- (調達2)鋼板、銅版等の材料はメーカに対し大型製品用に押えてある材料があり、活用可能。
- (調達3)見込で発注していた大型用の部品が余剰在庫になってきている。
- (調達4)外注先も仕事が減っているので、価格・納期ともに多少の無理は可能と思う。
- (調達5)主要部の熱交換部分を担当するB社は継続発注しないと倒産の危惧がある。
小型用でもB社に発注できると良い。

- (経理1)現在は、在庫・仕掛を圧縮してしのいでいるが、長期化すると苦しい。
- (経理2)現行設備・人員を再配置して新製品を立ち上げられれば投資は可能。
方法を明確にして、先ず開発予算と販売計画を明確にして提案して欲しい。
以上の意見のSWOTを判断し、SWOT分析を行ないました。
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- 解答例は考え方や環境によって“S”が“W”になることもあるため、解答はひとつではありません。
あくまで例として紹介しています。