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「在庫が増えているのになぜ欠品が起こるのか?」(2)

失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座 「ITで挑むコスト削減」編

2013年4月、「TENSUITE」は、日立 製造・流通業向け基幹業務ソリューション「FutureStage」に統合しました。
※本コラムに記載の商品情報は初掲載時のものです。

在庫管理

(コスト削減2)
「在庫が増えているのになぜ欠品が起こるのか?」(2)
部品バリエーションのある製品の在庫管理は難しい。 欠品防止、納期遅延、在庫圧縮にはどんな対策が有効か?
(2009/4/15)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫

バリエーションを持った製品にどう対応するか

A氏はこの結果をもって工場長に中間報告を行いました。 工場長からは「緊急対策は急ぐが、目先の調整で終わらせず、根本的な改善策を検討すること」との指示が出ました。
これを踏まえて第2回目の会議を開催しました。 参加メンバーは1回目と同じメンバーです。 調査結果の報告と工場長の指示事項を伝達し、議論をした結果、以下の方針で改善を進める結論になりました。

緊急対策

(1) 欠品防止、納期遅延防止対策
  1. 新規のバリエーション製品について、バリエーションで異なる部品の安全在庫を設定する。 安全在庫は変更によるばらつきを考慮し、納入リードタイム日数の使用数の1.5倍とする。
    (過去の出庫実績から納入リードタイムの使用数を計算する)
  2. バリエーションで異なる部品は定量発注とし発注ロットは納入リードタイムの使用数とする。
  3. 外注先と調整し納入リードタイムの圧縮を図る。
(2)部品の在庫圧縮
  1. 流れている製品については安全在庫数の見直しで調整を行う。
  2. 廃止品、死蔵品については決算棚卸時に整理する。

根本対策

  • (1)現在の工場の運用は安定した受注出荷を前提に計画されてきたもので、システムも業務処理方法もマイナスの変化が起こった時に強い仕組みとはなっていない。 現在の基本業務は生かして行くが、環境や業務実態の変化をいかに早く掴んで対応するかが重要である。 システムを含めて強化策を検討する。
  • (2)製品の体系として従来から単品部品の製造販売であったため、システムも業務処理も単品製造の発想で確立している。 このため、今回のようにバリエーション製品が出てきた時に対応出来ない部分が出てきた。 今後はバリエーションを持った機能部品にも対応できる生産管理システムとしていくように見直しを行う。

A氏はこの結果を工場長に報告し、根本対策を具体化していくための業務改善プロジェクトを立ち上げることを提案しました。
「問題が起こる前に気付くべきだったとの反省はあるな」とのコメントはありましたが、工場長がプロジェクトリーダを引き受けて、プロジェクトの立上げが決まりました。
A氏は現業の他に、事務局として任命され、繁忙な日々、戦いの日々は続いています。

(次回につづく)

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