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株式会社 日立システムズ

日立システムズ UXの現場

第2回 (後編)

ドローン・ロボティクス事業推進プロジェクトは、
先端技術領域でのUXの未来を模索する

現場ニーズとデジタル技術が結びついていく未来

福田:タブレットなどを使った一括スキャン、棚卸以外にも何かそういったものはあるんですか。

服部:私が所属する部署の別のメンバーが研究しているものになりますが、点検・保守のトレーニングにARを活用するというのがあります。昔だと新製品が出るたびに集まって実物を見ながら点検・交換のやり方を集合教育のような形でやっていたのですが、ARを使ってe-ラーニングのような形でもできるようにしようと。

※AR: Augmented Reality(拡張現実)

福田:従来は集まって研修していたと。

服部:はい。e-ラーニングのような形でやれば時間も自由ですし、旅費もかからないし、メリットがあると考えています。日立システムズだとサーバーやストレージなどの保守が多いですが、ほかの機器にも横展開できるのではないでしょうか。

福田:面白いですね。飛行機工場の製造ラインのような膨大なマニュアルを読まなければ対応できない現場で真剣にAR導入が実践されている、というのを何かで読んだことがあります。専門性が高くて製造単価の高い商品の領域。B2B、B2Cのさまざまな領域でARを活用した研修システムが実装されていくと、いろいろな業務改革が進んでいくかもしれませんね。

服部:そうですね。私もエレベーターの保守・点検にARを活用しているデモ映像を見たことがあります。お客さまの現場業務に合わせて、こういうやり方もできるようになりますと提案できそうです。

福田:以前に、NASAのアポロ宇宙船の展示を見に行った時、アポロ宇宙船のハッチとか非常設備とか、命に関わる操作ポイントの横には開け方・回し方の説明が書いてあるんです。実際のノブとかハンドルの横に。宇宙で命に関わる操作をするときにいちいちマニュアルを見ながら操作していたら死んでしまう、ということなんですよね。でもARのようなものがあれば別ですよね。マニュアルでイラスト説明するくらいなら本体そのものに動きのある映像を表示させた方が分かりやすい。

服部:確かに。

福田:昔々、ソフトウェアを購入すると、ソフトウェアディスクは小さいのにマニュアルは分厚いのが何冊もついていたって時代、ありましたよね。どんなソフトを買っても分厚い本みたいなやつがついていて。パカッと開けると90%は本、みたいな。ネットの時代になって、ようやくマニュアルは消えていった。検索したいときに検索できるように進化した。でも今、その領域でAR活用が日常的に進んだら、きっとさらに分かりやすくなる。解説したいすべてのものに関して、自分の目にしているリアルな対象の上にオーバーレイできるわけですもんね。

服部:そうですね。そういうニーズはすごいあると思います。ある製造業のお客さまに伺った時、工場の中で6カ国ぐらいの人が働いていて、食堂に行くと日本語じゃない言葉が飛び交っている。でも、現場のマニュアルは日本語ばかりなんですね。チェックリスト的なものも紙に記入していくわけですが日本語が読めないと間違った場所に○や×を書いたりする。そのあたりもARとかを活用して簡単に言語を切り替えてあげるというようなことができたらいいですし、いろいろ使い道は出てくると思います。

福田:今、一つの業務でも気が付いたらインドの人につながっているとか、日本とインドで分業されているということも普通の時代ですもんね。

服部:コールセンターに問い合わせをすると、実は後ろで昼間の国につながっているということも普通に聞く話ですもんね。

福田:そう考えると、さっきの運用という領域におけるユーザビリティも含めた、新しい技術を活用した新しい対応のあり方、設計のあり方、あるいはUXのあり方というのもまだまだこれから進化しそうな気配ですね。

服部:そこはもう本当に、日々新しい技術が出てきますし、それをどこにどう使っていくかが大事になるのだと思います。

福田:今日は面白いお話をありがとうございました。日立システムズ独自の企業文化の中で守ってきたユーザー中心の思想が、今後もさらにユニークなものへと進化していくことを楽しみにしています。

服部:ありがとうございました。

日立システムズは、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、そして保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーした真のワンストップサービスを提供します。